2018年6月20日(水)

組立まで一貫生産
顧客の想いをカタチにーテクノグローバル

がんばれ!日本の金型産業(連載シリーズ)
テクノグローバル 髙田 弘之 社長

金型技術をコアに開発や量産

 「1から作ってほしいというニーズに対し、提案しながら形にしていくのが当社の特長」と語る髙田社長。設立2006年から約10年経ち、本社工場(大阪府八尾市)は工作機械や成形機が並び、製品の組立場、納品する商品がずらりと並ぶ工場に成長した。前職も金型メーカーという髙田社長は「独立することが前提」と起業への思いは強く、経営が軌道に乗るまで苦労を重ね、協力企業とのネットワークを構築し、金型をベースに企画・開発から量産成形(30~280t)、組立まで一貫生産できる体制を確立した。「いつかは自社製品も作りたい」と、新たな取り組みを始める。

 15年に八尾市の製品・サービスを開発するサポート事業「STADI」に認定され、プロダクトデザイナーと商品開発に取り組む。生まれたのがティッシュボックスケースの「Paol」と壁時計の「iconclock」。また、奈良県立医科大学と連携で「ヒューバー針抜針器」を開発。これはガン患者に抗がん剤を投薬した針を安全かつ簡単に抜くことができる釘抜きのような役目だ。

 企業から製品開発のニーズは高まっているものの、特に医師など金型を知らない企業から離型しにくい製品形状の依頼は困難。型構造の工夫や製品強度を上げるリブ設計などの提案や成形時の制御を巧みに行うなど、金型技術を活かし顧客が満足する製品を作り上げた。髙田社長は「金型の材質は何であれ、最終製品がしっかり出来上がるようにしようと社員には伝えている」とし、顧客の想いをカタチに変えられる企業作りを目指す。

起業以来、睡眠時間3時間

テクノグローバル 人

 「今でも睡眠時間は3時間しか取っていません。起業以来、変わらない習慣ですね」と髙田社長は言う。創業当時は自宅の子供部屋を使い、金型設計と組立のみで、加工は外注に任せていた。「初期投資が大変なので、まずはトライ用の成形機を導入した」と資金繰りに苦労しつつも、徐々に受注が増え、3~4年目には工作機械など設備も揃い、工場を拡大させていった。「今は金型製造に3人、設計2人、成形2人、組立・検査を含め15人の企業になった」と自社の成長を感じながら、課題も語る。

 「創業した当時も国内の金型メーカーは海外で金型を作る傾向が強かった」と金型業界のグローバル化を意識していた髙田社長。「課題は採用。国内は人が来ない」と、同社も14年にベトナムのドンナイ工場を設立。採用したベトナム人は本社で金型製造など技術を覚え、責任者としてベトナム工場の指導者として戻っていく。続けて、ホーチミン工場も立ち上げた。現地ベトナム人の教育については、2人ずつ本社工場で3カ月交代の研修を行っている。本社工場では金型技術だけでなく5Sや品質へのこだわりなども教育する。「世界で通用する人材に育ってほしい」と彼らの成長を望みつつ、「モノを作るプロフェッショナルになり、世界へネットワークを広げたい」とグローバル企業を夢に今日も邁進する。

会社メモ

髙田弘之社長
髙田弘之社長
代表者=髙田 弘之氏
所在地=大阪府八尾市跡部南の町1―1―37
営業所=栃木県鹿沼市緑町1―1―34
設立=2006年
事業内容=プラスチック製品設計支援、試作・量産金型の製造及び成形、小ロット製品の組み立てなど
従業員数=15人
海外工場=ベトナム・ドンナイ工場/ベトナム・ホーチミン工場
そのほか=大阪ものづくり優良企業賞2015/医療機器製造業登録証/動物用医療機器製造業登録証など
主な設備=高速MC(ファナック)、NCフライス(静岡鉄工所)、放電加工機(三菱電機)、ワイヤー放電加工機(三菱電機)、成形機(東洋機械金属など)、3次元測定機(ミツトヨ)、CAD/CAM(ソリッドワークスなど)。
モットー=想いをカタチに変える

金型新聞 平成29年(2017年)7月4日号

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