2017年7月28日(金)

【プレス型特集】
本田技研工業 田岡 秀樹氏に聞く
プレス型メーカーの目指すべき方向性

自分の強み生かす道を
本田技研工業 完成車新機種推進部 主任技師 田岡 秀樹氏に聞く

高級車か、低価格車か、2極化も
金型なくして新車開発ならず

 自動運転、ライドシェア、電気自動車(EV)の進化―。自動車業界では急激な変化が起きつつある。これらがプレス型にどう影響を与えるのか。「金型の開発こそが変革を進める第一歩となる」と話す、本田技研工業の完成車新機種推進部の田岡秀樹主任技師に自動車メーカーの動向、プレス型メーカーの強みや目指すべき方向性を聞いた。

田岡秀樹氏
本田技研工業 田岡秀樹氏
―自動車業界の変化は激しく、金型への影響を心配する声も多い。
 「確かに自動運転やライドシェアなど破壊的なイノベーションが起きようとしているのは間違いない。しかし、金型技術は今以上に重要になると思う」。

―そう考える理由は。
 「自動車づくりは二極化している。自動運転やEVに代表される高付加価値路線と、小型車を主とする低価格路線だ。高付加価値に目が行きがちだが、ある調査によると、2030年の生産台数は約1億2000万台に増え、EVなどを採用した高級車が今の数十万台から約3500万台に増えるといわれている。一方、小型車も約8500万台に増加する。つまり、両路線の自動車づくりが必要になる。自動車メーカーがどちらの路線を志向しても、必ず部品が必要で、それらは型屋が『できる』って言わない限りできないからだ」。

―求められる金型は。
 「両者に共通しているが、特に高級化路線では炭素繊維プラスチックやアルミによる軽量化、ホットプレスなどのいわゆる最新技術を採用した金型が必要だ。この分野は各自動車メーカーもしのぎを削っているので競争も厳しい」。
 「後者でより必要になるのは低価格化や開発スピードの向上につながる金型だ。安い金型ということではない。複数工程を一体化できる金型など代表だ。自動車生産は1台に約1分かかる。早く打つより1分かかっても複数工程を一回で打てる金型のほうがトータルでは安くなる。そうしたことが低価格化に対応するということだ」。

―プレス型メーカーが目指すべき方向性は。 
 「リーマンショックを乗り越えたメーカーは必ず、何かを『持っている』。それを明確にして、高級路線向けの金型を追求するのか、低価格向けの自動車づくりをサポートする金型を目指すのか選択すべきだと思う」。

―日本の金型メーカーの強みは。
 「これまで述べたような要望を具現化できるアイデアを出せる人が多くいることだと思う。世界的には金型を熟知した人材は減ってきているので、今後専門の金型メーカーさんの知見はより重要になるはずだ」。

金型新聞 平成29年(2017年)7月4日号

[ インタビュー ][ メーカー ][ 特集 ][ 金型新聞 ] カテゴリの関連記事

横田悦二郎氏

【プレス型特集】強みを維持し続けるには…
日本金型工業会 学術顧問 横田 悦二郎氏に聞く
プレス金型の強みと未来

ゼロベースで知恵絞る 得意な分野で連携を 顧客の生産技術をサポート  日本金型工業会の学術顧問を務める、日本工業大学大学院の横田悦二郎教授は、日本のプレス金型の強みを「他の型種に比べ、技術の蓄積が生かせる部分が大きい」と […]

久野功雄氏

【プレス型特集】
久野金属工業 久野 功雄専務に聞く
飽き性を夢中にさせたプレス金型の魅力

 自動車を中心に高精度かつ複雑形状な部品の開発、金型製造、量産まで手掛ける久野金属工業。EVなど次世代自動車の部品を生産する一方、ITを活用した改善活動など社内改革も積極的に行っている。その改革を推進してきたのが入社19 […]

第5回プレス・板金・フォーミング展 MF–Tokyo 2017<br>今回の見どころは?

第5回プレス・板金・フォーミング展 MF–Tokyo 2017
今回の見どころは?

ハイテン、CFRPの加工技術 IoTや計測機器も  塑性加工に関する最新技術が一堂に集まる「MF-Tokyo 2017第5回プレス・板金・フォーミング展」が7月12日から15日まで、東京ビッグサイトで開かれる。主催は日本 […]

トピックス

関連サイト