2018年8月22日(水)

【鍛造金型特集】
日本鍛造協会 八木議廣会長に聞く
熱間鍛造の動向

 鍛造は大きく熱間と冷間に分かれるが、重量ベースでは圧倒的に熱間が多い。成形品が比較的大きいことも理由の一つだ。一方で、金型はコストや納期の問題から圧倒的に内製率が高いという。自らも熱間鍛造部品を手掛ける、日本鍛造協会の八木議廣会長(八木工業社長)に熱間部品や熱間鍛造型の動向などを聞いた。

八木会長
八木会長
ー熱間部品では金型の調達はどうなっているのか。
 「当社は4割が内製で6割が外注だが、業界全体では9割が内製ではないか。基本内製という考えが主流だ」。

ーその理由は。
 「熱間鍛造は素材をつぶす、成形、バリを取るなど複数の工程に分かれるが、成形工程の金型は、1回でダメになることもあり、納期面で外注では間に合わない。また、成形条件の設定が複雑で、金型にノウハウが詰め込まれており、競争力の面からも外には出せない。消耗品として金型を費用計上できるなど、コストメリットもある」。

ー日本の鍛造部品メーカーの競争力はどうか。
 「納期やコスト、精度いずれでも競争力はあると思う。海外では自動車メーカーが鍛造を内製していないので、鍛造部品メーカーの力も強い。このため、価格は高い傾向にあり、特にコスト競争力は高い。そうした海外の需要を取り込むことが課題だ」。

ーそのほか課題は。
 「熱や潤滑などのパラメータが多く、1200℃に熱した材料でも、成形条件は打つたびに代わる。そうした状況を安定させ、再現性を高めることも課題だろう。材料や電気代が高くなっているなか、安くつくることも重要になっている。二つの部品を一つにするなど一体成形したいという声は増えているほか、最近では一貫加工の要望も増えている」。

ー一貫加工とは。
 「成形だけでなく、穴あけ、熱処理なども後工程も行うことだ。ユーザーも発注しやすく、管理しやすいからだ」。

ー市場の見通しは。
 「熱間鍛造では約75%が自動車関連で、なかでも、足回り、クランクシャフトやコンロッドなどエンジン関連、トランスミッションなどの部品が多い。足元では、海外の自動車メーカーが日本国内の部品メーカーへの発注量が増えていて、忙しい。17年は05年以来の240万tを超えた。この水準は18年も続く」。

ーエンジンやミッションとなるとEV化への対応も必要ですね。
 「長期的には部品点数の減少により、厳しくなり統廃合は必要になるかもしれない。とはいえ、そこは個々の企業で対応していくしかない」。

【関連記事:【鍛造金型特集】鍛造型、好調を持続 その背景や今後は

金型新聞 平成30年(2018年)3月10日号

[ 特集 ][ 金型新聞 ] カテゴリの関連記事

金型企業の代弁者として情報を発信<br>日本金型工業会 小出 悟 会長に聞く

金型企業の代弁者として情報を発信
日本金型工業会 小出 悟 会長に聞く

 人材の不足や育成、CASE(コネクティビティ・オートノマス・シェアード・エレクトリック)に代表される自動車産業の変化による影響、台頭する新興国など、日本の金型産業は様々な課題を抱えている。これらに対してどう立ち向かって […]

人が集まる場づくりを<br>金型工業会東部支部 鈴木 教義支部長(鈴木 社長)

人が集まる場づくりを
金型工業会東部支部 鈴木 教義支部長(鈴木 社長)

この人に聞く 金型の社会的価値訴え  「日本の金型業界にとって今は変化の時期だが、チャンスでもある」と話すのは、日本金型工業会の東部支部長に就いた鈴木の鈴木教義社長。好機なのは、金型の高度化が進み日本のメーカーしかできな […]

ZOLLER Japan 新社屋にショールーム

ZOLLER Japan 新社屋にショールーム

工具測定器や管理 システム常設展示  測定機器メーカーZOLLER(独)の日本法人、ZOLLER Japanは7月1日、本社を新築、移転した(写真)。ショールームとセミナールームを新設し、提案力の強化を図る。  新社屋は […]

トピックス

関連サイト