金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

18

新聞購読のお申込み

がんばれ!日本の金型産業特集
ハルツ 近藤 大輔 社長

組織力で高品位な金型づくり
技術_R
図面に技術共有できる独自の工夫

金型メーカーが成形や部品加工に手を広げるケースが多いなか、ハルツは創業から40年以上にわたり、プレスの売り型専門で金型設計製作に取り組んできた。3代目の近藤大輔社長は「先代たちの口癖は“金型が営業する”だった」というように、高品位な金型が武器だ。実際に口コミで評判が広まり、仕事を増やしてきた。さらに現在では高い技術力に加え、展示会に出展するなど露出を増やすことで、「間口を広げてどことでも付き合うのがモットー」とし、「3.2㎜以下の薄物で、400㌧クラスの大物かつ精密な仕事であれば何でも引き受ける」と近藤社長は話す。
高い技術力が強みだが、金型づくりにおけるこだわりは、「技術に溺れず、初心者でも作れる金型づくり」。得意とするのは住宅設備関連の金型だが、意匠性が高く、面品位など金型に対する要求は厳しい。そのため高い技術が必要となるが、近藤社長はあえてそこにこだわりはないと言う。それは前社長からの「会社を継続させるため、技術にこだわりすぎるな」というアドバイスがあるからだ。「技術にこだわり過ぎれば、周りが見えなくなり、自己満足の世界に入ってしまう。そうなるとユーザーの本当のニーズも見えなくなる」。だからこそ分かりやすい金型づくりにこだわる。そのなかでも特長的なのは、独特な金型図面。設計者がペンで色づけしたり、注意書きやコメントを書き込むなど、オリジナリティあふれる分かりやすい図面で、誰でもできる金型づくりを実現している。

人_R
部門ごとにスペシャリストを育成

「初心者でもつくれる金型づくり」を求めるからこそ、プロフェッショナルな人材が必要で育成には注力している。生産体制を完全分業化し、マシニング担当や放電担当など、それぞれの部署ごとでスペシャリストを育成するという方針を取っている。一つの部門に特化させることで、覚えることが少なくて済み、早い時期から戦力として活躍できる。また教える側も一つの分野を専門的に教えるため、技術の教育や伝承が比較的容易に行える。
また、前職で金型とは関係のない人材も採用し、多様性を重視している。たとえば、機械メーカー出身の人間と工作機械を自社開発したり、大工出身者であれば、天井の修理や事務所の増築も自社で行えるなど、従業員ひとりひとりの個性を活かした企業づくりができるからだ。
近藤社長は17年前、学校を卒業後入社し、一から金型づくりを学び、4年前に32歳の若さで社長に就任した。金型づくりにおいて、「新しい金型を作り上げる際、図面との戦いと、時間と妥協したくないという自分とも戦わなくてはならない」と若い技術者としての苦悩もある。ただそうした状況のなかで「良き先輩や、同僚に揉まれ励まされ見守られてここまでやってきた」と周りへの感謝も忘れない。こうした経験をしてきたからこそ、従業員ひとりひとりの幸せを考え、10年、20年、さらに先の将来を見据えた企業づくり、人づくり、そして金型づくりを目指している。

近藤大輔社長
会社メモ

代表者=代表取締役・近藤大輔氏
創立=1973年
所在地=神奈川県横浜市金沢区福浦2丁目7番25号
TEL=045・783・8601
FAX=045・783・8302
URL=http://www.harz.jp
E-mail=info@harz.jp
資本金=1,000万円
従業員数=30人
事業内容=プレス金型の設計製作、試作品の設計製作、販売。
主な設備=マシニングセンタ4台(牧野フライス製作所、オークマ、三井精機など)、ジグボーラ1台(安田工業)、ワイヤ放電加工機9台(三菱電機、牧野フライス製作所)、平面研削盤6台(岡本工作機械)、トライプレス機3台(アイダ)、3次元測定機2台(ミツトヨ)、NC細穴放電加工機など自社開発設備、その他多数。

金型新聞 平成26年(2014年)8月10日号

関連記事

単結晶ダイヤのマイクロエンドミル 取り扱い開始
山勝商会

レンズ金型など微細加工に最適  切削工具の専門商社である山勝商会(大阪市西区、06-6532-5401)はマイクロ・ダイヤモンド社製の単結晶ダイヤモンド・マイクロエンドミルの「アキュボール エンドミル ABL(写真)」の…

ダイジェット工業 高能率に肩削りできる刃先交換式カッタを発売

SIC‐EVO ダイジェット工業(大阪市平野区、06-6791-6781)は、片面2コーナーの三次元インサート使用により、切削抵抗を低減し切りくず排出性にも優れた肩削り加工用刃先交換式カッタ「SIC‐EVO(SSV形)」…

―スペシャリスト―吉備NCグループ<br>極める精密放電

―スペシャリスト―吉備NCグループ
極める精密放電

障害者を技術訓練 ±1ミクロンの要望に応える 手掛ける領域「何でも」 経済産業省の統計によると、2013年の金型メーカーの事業所は15年前に比べ、6割強の8000社程度にまで減っている。金型の供給力低下も問題だが、それ以…

金型磨きロボット開発<br>近畿大学・理工学部 原田 孝教授

金型磨きロボット開発
近畿大学・理工学部 原田 孝教授

パラレルで力制御、高速・高精度  金型を自動で磨くロボットはかねてから望まれ、機械メーカーや研究機関が開発に挑んできた。近畿大学理工学部の原田孝教授もそのひとり。昨年、パラレルリンクやDDモータにより微妙な力加減を緻密に…

―スペシャリスト―ミルテック<br>精密加工の何でも屋

―スペシャリスト―ミルテック
精密加工の何でも屋

五感使うものづくり 精密打抜き用プレス金型、非球面レンズ金型、二次電池用金型及び部品、三次元形状部品、精密治具―。超精密金型や部品加工のミルテックがこれまで手掛けてきた品目の一部だ。『金と銀以外何でも加工する』と話す渡邉…

トピックス

関連サイト