研削盤メーカーの岡本工作機械製作所(群馬県安中市、027-385-5800)は今年5月、新たに3カ年の中期経営計画を発表した。新中期経営計画の達成に向けた基本戦略の一つとして「顧客付加価値強化」を挙げる。「今まで以上に…
この人に聞く 2014 CAPABLE 河原 洋逸社長

海外に金型市場があるならそれを取って日本で作ればいい―。それを実践しているのが、半導体封止装置金型に特化したファブレス企業のCAPABLE(京都市南区、河原洋逸社長)だ。自社で金型設計と営業を行い、製造は日本の金型メーカーに委託。高い技術を持ちながら、海外展開の苦手な金型メーカーの代わりに営業し、金型市場の拡大をめざす。
2012年、大手商社出身で、半導体封止装置メーカーで社長も務めた河原氏が創業した。金型メーカーとの付き合いも深く「町工場ではなく“待ち”工場の体質がある」と手厳しい反面、「技術は優秀なのに、危機にある。自分にできることはないか」と、会社を興した。
市場を求めたのは関わりの深い半導体封止装置用の金型だ。同金型は装置メーカーが内製し、装置とともにユーザーに納めるのが主流。しかし、最近は装置メーカーの金型だけでは足りず、ユーザーも金型だけを購入することも増えている。
ただ、ユーザーは台湾や韓国などに多く、地の利からアジアで格安な金型を購入するケースが大半。このため「海外に仕事はあるが日本に回ってきていない」。一方で「安い金型の品質に不満を持っている」という。
そこに市場を求めた。「営業も設計も人材は揃っている。出来ないのは金型づくりだけで、日本の金型メーカーに仕事を委託すればビジネスは成り立つ」と判断した。
創業2年で、協力先も10数社に増えたが「今期には倍増させる」考え。しかし、拙速には運ぶつもりはない。最も高品位な金型は「形状精度で2μ以内」で、どこでもできるわけではないからだ。しかも、決して「委託する金型は高くはない」と言い切る。理由は既に安い市場価格が存在しており、勝負するにはコストも重要な要素だからだ。
委託先にも「当社への依存は抑えて欲しい。遊休設備を使わせる感覚で協力して欲しい」と正直に話している。
今後について「今は封止装置用金型がメーンだが、他の金型分野にも広げ、日本の金型メーカーと連携し、一緒に市場を開拓していきたい」と、長期的には封止金型以外の市場拡大という大きな絵も描いている。
CAPABLE
▽京都市南区上鳥羽苗代町16―1、075・654・8405▽代表取締役・河原洋逸氏▽社員数23人▽半導体・LED・電子部品製造用金型の設計、製造、販売。
金型新聞 平成26年(2014年)10月20日号
関連記事
CAPABLE(ケイパブル、京都市南区)はこのほど、金型の受発注プラットフォーム「CAMPUS(キャンパス)」を立ち上げた。金型メーカーはキャンパスに設備情報などを登録し、ケイパブルが受注した仕事をキャンパス内の最適な…
GFマシニングソリューションズ(横浜市神奈川区、045・450・1625)は今年8月、AM事業部長の小林貞人氏が社長に就任した。放電加工機やマシニングセンタ(MC)、自動化システムなどを手掛ける同社は今後、日本の金型業界…
魅力ある組織でなければ人は集まってきません。東北金型工業会をより魅力ある団体にするために、会長就任後すぐに、3つの分科会を作りました。若手が中心となって積極的に参加してもらい、勉強会などを通じ、メリットや魅力を感じてもら…
今年、日本法人設立50周年を迎えたマーポス(東京都大田区、03 -3772-7011)。精密計測機器を手掛け、特に金型分野ではタッチプローブやレーザーによる工具やワークの計測などで、日本の金型づくりを支えてきた。近年は…


