金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

23

新聞購読のお申込み

この人に聞く 2014 CAPABLE 河原 洋逸社長

海外の金型市場に活路
capable 河原社長1_R
半導体金型でファブレス、設計・営業に特化

 海外に金型市場があるならそれを取って日本で作ればいい―。それを実践しているのが、半導体封止装置金型に特化したファブレス企業のCAPABLE(京都市南区、河原洋逸社長)だ。自社で金型設計と営業を行い、製造は日本の金型メーカーに委託。高い技術を持ちながら、海外展開の苦手な金型メーカーの代わりに営業し、金型市場の拡大をめざす。

 2012年、大手商社出身で、半導体封止装置メーカーで社長も務めた河原氏が創業した。金型メーカーとの付き合いも深く「町工場ではなく“待ち”工場の体質がある」と手厳しい反面、「技術は優秀なのに、危機にある。自分にできることはないか」と、会社を興した。
市場を求めたのは関わりの深い半導体封止装置用の金型だ。同金型は装置メーカーが内製し、装置とともにユーザーに納めるのが主流。しかし、最近は装置メーカーの金型だけでは足りず、ユーザーも金型だけを購入することも増えている。
 ただ、ユーザーは台湾や韓国などに多く、地の利からアジアで格安な金型を購入するケースが大半。このため「海外に仕事はあるが日本に回ってきていない」。一方で「安い金型の品質に不満を持っている」という。
そこに市場を求めた。「営業も設計も人材は揃っている。出来ないのは金型づくりだけで、日本の金型メーカーに仕事を委託すればビジネスは成り立つ」と判断した。

金型メーカーと協力し競争力

 創業2年で、協力先も10数社に増えたが「今期には倍増させる」考え。しかし、拙速には運ぶつもりはない。最も高品位な金型は「形状精度で2μ以内」で、どこでもできるわけではないからだ。しかも、決して「委託する金型は高くはない」と言い切る。理由は既に安い市場価格が存在しており、勝負するにはコストも重要な要素だからだ。
 委託先にも「当社への依存は抑えて欲しい。遊休設備を使わせる感覚で協力して欲しい」と正直に話している。
 今後について「今は封止装置用金型がメーンだが、他の金型分野にも広げ、日本の金型メーカーと連携し、一緒に市場を開拓していきたい」と、長期的には封止金型以外の市場拡大という大きな絵も描いている。

CAPABLE
 ▽京都市南区上鳥羽苗代町16―1、075・654・8405▽代表取締役・河原洋逸氏▽社員数23人▽半導体・LED・電子部品製造用金型の設計、製造、販売。

金型新聞 平成26年(2014年)10月20日号

関連記事

この人に聞く2015 <br>アカマツフォーシス 赤松 隆司社長

この人に聞く2015
アカマツフォーシス 赤松 隆司社長

生産性高める技術提案 シナジー生むプロ集団に  昨年10月、兄の憲一会長から経営のバトンを受け継いだ。歯車などの精密冷間鍛造金型を手掛けるアカマツフォーシスが取り引きするのは、自動車部品などのメーカー。「金型を通じて顧客…

【金型の底力】フジイ金型 我が社は、金型という商品のメーカー

メーカーとしてのプライド国内生産にこだわる ダイカスト用金型の専業メーカーであるフジイ金型。型締力800㌧までの金型に特化し、月平均25型以上の生産力を誇る。設計、製作、立ち上げ、修理と、試作から量産までトータルでサポー…

【新春特別インタビュー②】大垣精工会長・上田 勝弘氏「他社よりも一歩先へ、好循環生まれる体制を」

勝負は中身だ 他社よりも一歩先へ 好循環生まれる体制を 〜技術開発の必要性〜  1939年生まれ、滋賀県出身。立命館大学法学部卒、61年に大垣市内にある会社に就職したのち、68年に同社(大垣精工)を創業。超精密プレス金型…

―スペシャリスト―〈ヘラ絞り〉山村製作所〈ヘラ型〉田中鉄工<br>ものづくり支える匠の技

―スペシャリスト―〈ヘラ絞り〉山村製作所〈ヘラ型〉田中鉄工
ものづくり支える匠の技

ヘラ棒と呼ばれる工具を回転する金属の板に押しあてて、滑らかな曲面や艶やかな平面に加工するヘラ絞り。品質の良い製品をつくるには、ヘラ棒を操る卓越した技術もさることながら、匠の技を受け止めることができる金型が必要だ。ヘラ絞り…

【鳥瞰蟻瞰】由紀ホールディングス 代表取締役社長・大坪正人 氏「中小製造業をグループ化、優れた技術守り次代につなげる」

中小製造業のグループ化事業に集中できる環境を整備優れた技術守り次代につなぐ 2006年に金型ベンチャー企業から父が経営するねじメーカーの由紀精密に入社しました。そこで感じたのは企業規模が小さすぎて、あらゆる機能が無さすぎ…

トピックス

関連サイト