金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

12

新聞購読のお申込み

三豊機工 ダイスケース分割

実用新案、ランニングコストを削減

冷間圧造工具メーカーの三豊機工(愛知県春日井市、0568-81-4111)は、ダイスケースをセパレートタイプにすることで実用新案を取得した。分割したケースをネジでつなぎ合わせることで、一体物と同等のケースができ上がる。

例えば、全長700㎜であれば、500㎜と200㎜のケースを組み合わせる。650㎜が必要であれば、500㎜のパーツはそのまま流用し、150㎜のパーツを組み合わせればいいので、大幅なコストダウンにつながる。

セパレートタイプなので、劣化した部分のみを交換することで経済的に工具を再生することができる。特に大物はダイスケースの価格が非常に高くなるので大幅なコストダウンが期待できる。任意の長さのケースの設計・製作が容易になるだけでなく、複数ケースの連結によって長尺の冷間圧造工具も容易に製造できる。

ダイスケースは、中にダイスを固定させて成形機に取り付ける。ダイスは分割して製作することもあるが、ダイスケースは、従来は一体型だった。

今回、ユーザーから全長500㎜を超えるダイスケースの製作依頼を受けたことが開発のきっかけだった。同社の製作能力は全長500㎜まで。何とか現有設備を活かして製作しようと知恵を絞り、長いケースを分割して製作することを発想。

しかし、中にダイスを挿入するため、つなぎ目の段差は禁物。サイズが大きくなればなるほど難度は高くなるが、熱処理から加工まで一貫生産を行う同社の強みと、ノウハウ、高度な加工技術により、外径・内径とも段差なく、強度も維持して一体物と同等に仕上げた。

現在は、別のタイプのセパレート形ダイスケースを特許出願中だ。

金型新聞 2021年7月10日

関連記事

【金型テクノラボ】金沢大学設計製造技術研究所 金属3Dプリンタによる離型剤浸透金型の製作

金属3Dプリンタを用いた金型製作は、冷却水管の自由設計や複合工作機械による製造工程の短縮など、航空宇宙や医療と並ぶ3Dプリンタの特長が活かせる有力な分野だ。本稿では、3Dプリンタによる微細穴の造形技術を応用し、内部から離…

KMC 金型加工現場のDXソリューション【金型テクノラボ】

円安などで空前の利益を上げる自動車メーカー。一方でその好機を捉えられない金型産業。いったい何が原因なのか。今一度足元を見据えて、国内金型産業の反転攻勢へ舵を切る最後のチャンスだ。人手不足、熟練技術者の退職など、今こそ過去…

金型組立を省力化
ユーロテクノ

エアクッション金型組立台  ユーロテクノ(東京都杉並区、03・3391・1311)はこのほど、エアで金型を浮かして組み立てを簡単にする作業台「エアクッション金型組立台」を発売した。  オーストリア・モイスブルガー社製。可…

シー・アイ・エム総合研究所 金型の情報をクラウド上で一元管理できるシステムを開発

企業間の情報共有を容易に Dr.型管Cloud シー・アイ・エム総合研究所(東京都目黒区、03-5745-1181)は11月、金型に関する様々な情報をクラウド上で一元管理できる「Dr.型管Cloud」をプレリリースする。…

ナガセインテグレックス 超精密加工を自動で、軽く強い機械だから可能に【特集:金型づくりを自動化する】

スマートシステム ナガセインテグレックスは、超精密化・省人化を実現する各種加工ソフト「スマートシステム」をオプションで提供している。「IGTARP DESIGN(イグタープデザイン)」をコンセプトに製作したSGDシリーズ…

トピックス

関連サイト