金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

19

新聞購読のお申込み

【新社長に聞く】共和工業・熊谷勇介社長「金型通じ、顧客の夢カタチに 」

くまがい・ゆうすけ
1985年大東文化大学経済学部卒、同年共和工業入社。2013年海外営業部長、20年常務執行役員社長補佐、新潟県三条市出身、58歳。

大型の樹脂型を手掛ける地元三条市の共和工業に入社したのは1985年。以来30年以上ずっと営業一筋だ。特にアメリカには延べ8年勤務し、自動車ユーザーを広く開拓した。19年には中国の現地法人を立ち上げるなど、海外にも明るい。

リーマンショック後、電機業界向けがゼロになり、売上6割減に。営業の責任者として「とにかくやるしかない」と、1度の出張で2か月以上滞在するなどして、北米の自動車業界を開拓した。

こうした実績に加え、岩渕学相談役が後任に決めた理由に「ビジネスセンス」を挙げる。「単に金型を販売するだけでなく、金型の償却まで考えて顧客に『こうすれば利益出ますよ』という提案が当たり前にできる」。

親会社の三井化学とのネットワークも広く深いことも理由の一つだ。三井化学のグループになった7年前は北米勤務で「三井化学の方が出張でアメリカに来た際に、色んな人と交流を深めた」。

4月に社長に就いたばかりだが、すべきことを尋ねると「金型づくりを通じ、お客様の思いや夢をカタチにすることは変わらない」と即答。それは、三井化学のグループ企業として「サプライチェーンの川中の事業を担う」という決意でもある。

一方で、社内には意識改革を訴える。昨秋に日本金型工業会が策定した「令和時代の金型産業ビジョン」で言及した「工場から企業へ」に賛同する。「言われたものを作るだけの『工場』から収益を上げる『企業』という意識は重要だ。私だけでなく幹部を含めみんなが、金型づくりを通じて、商売をしているという意識を持てるようにしたい」。

金型新聞 2021年7月10日

関連記事

笹山勝社長に聞く SAIMS247が目指すこと【ササヤマ challenge!Next50】

新中期経営計画「SAIMS247」。その狙い、そして目的は。笹山勝社長に聞いた。 「短納期」を強みに、海外での競争に打ち勝つ SAIMS247の3カ年の目標は金型の製作期間半減。その真の狙いは金型の競争力の再強化です。当…

スペシャリスト<br>超硬材料 共立合金製作所

スペシャリスト
超硬材料 共立合金製作所

自動車の電動化に商機  「日本に残る分野に経営資源を投下していく」。そう話すのは「エバーロイ」ブランドで知られる、超硬材料メーカーの共立合金製作所の池田伸也超硬事業部長。同社が国内で伸びると判断するのは、①大型の超硬材料…

瑞穂工業 新社長 大澤史和氏に聞く

超硬工具や各種超硬素材の製造販売を手掛ける瑞穂工業(大阪市西淀川区、06・6471・4721)は4月、大澤史和氏が代表取締役社長に就任し、新たな船出を迎えた。同社は1944年創業以来、超硬工具や金型の製造に携わり、独自の…

金型にも「情報管理」の波

金型にも「情報管理」の波

「技術等情報の管理認証制度」設立  IoT化やグローバル化などによって、情報流出のリスクが高まる昨今、製造業には技術などの情報の適切な管理が求められている。金型業界も例外ではなく、「顧客情報がしっかり管理、保護できている…

【インタビュー】テラスレーザー常務・齋藤祐司氏「高品質・低価格で金型補修」

 テラスレーザー(静岡市駿河区、054-270-7798)は、2019年に設立された金型補修用レーザー溶接機メーカー。高品質でありながら低価格を実現し、独自技術を活かしたユーザビリティの高い製品を提供する。「『直す』とい…

関連サイト