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【ひと】明工精機代表取締役・北原収さん リーマン後に加工メーカーを立ち上げた

リーマン後に加工メーカーを立ち上げた

 「日本一の賃加工屋を目指す」。リーマンショック後の2009年、世界的な不況の真っただ中に部品加工メーカーから独立。ダイセットやモールドベースなどを手掛ける明工精機を設立した。金融機関からは「正気ですか」と驚かれたという。

 設立当初はなかなか仕事が取れず、苦労した。なんとか会社を軌道に乗せようと、がむしゃらに奮闘した。転機が訪れたのは2011年。タイで起こった大洪水だった。

 タイ中心部を襲った未曾有の大洪水は、日系企業にも甚大な被害をもたらした。稼働停止に陥る企業が相次ぐ中、現地工場が被災したある大手メーカーから急きょ仕事が舞い込んできた。「1週間で12型作ってほしい」。

 当時、従業員は自身含め3人。1週間徹夜で働き、何とか納期に間に合わせた。すると、その対応と品質が高く評価され、その後も仕事が回ってくるようになった。会社も徐々に軌道に乗りはじめ、設備も充実させていく。

 15年には恒温工場を新設し、20年に超精密加工が可能なジグボーラー(安田工業)や、大型の平面研削盤(岡本工作機械製作所)を導入した。「少しでも良い物を提供するために、機械や工具への投資は惜しまない」。

 設立から12年。従業員は3人から25人に増えた。「従業員がやりがいをもって働ける会社をつくり、全員でいつか必ず日本一になる」。

金型新聞 2021年5月14日

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