二人の子供を持つママさんNC加工担当者。入社のきっかけは、よくあるパート募集。応募したのは勤務時間が10時から15時までと働きたい時間に合致していたから。ただ、通常のパートと違ったのが、募集の職種が「NC加工」だったこと…
特集〜世界の需要どう取り込む〜
金型のサムライ世界で挑む –北米–
新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州それぞれの国・地域に進出する5社を取材した。
TMW 立松宏樹社長

- 本 社:愛知県稲沢市奥田大沢町27
- 電 話:0587-32-6281
- 代表者:立松宏樹社長
- 創 業:1949年
- 従業員:184人(海外含む)
- 海外拠点:アメリカ、中国、韓国など全5拠点
- 事業内容: インパネなど大型樹脂金型設計製造
北米を細かくカバー
カナダ、アメリカ、メキシコの3国で北米市場と捉えています。自動車メーカーの動向をみるとそう考えるのが自然だからです。既に、米オハイオに自社工場「MidwestMoldandTexture(MMT)」、カナダに協業先があり、メキシコに拠点を出す予定で、北米を細かくカバーできる体制にします。
当社がアメリカに進出したのは1987年。日系自動車メーカーがアメリカ進出するのに合わせて、補修工場を作りました。シボメーカーと協業し、シボまでワンストップで提供できることから、当社以外の型の補修も受けるようになりました。
90年代初頭には、新型を手掛けるようになり、後半には韓国などから輸入して北米で使う金型調達の手配も始めました。同時期に、自動車メーカーは「北米で使う金型は北米で設計する」傾向が強くなり、MMTに日本の設計者を出向させることも始めました。
以降、MMTは日本と同じ重要拠点の位置づけです。技術的には自社以外の金型補修や、様々な金型の対応をするため、日本より高い部分がある。また、日本に仕事を出すので、本社の売上のトップ5に入るほどです。
今後も北米の重要さは変わりません。むしろ増すぐらいでしょう。広さを考えると自動車を含むモビリティの需要は変わらないからです。
メキシコに第2拠点
だから、北米は投資を増やします。MMTは対応キャパシティを広げる予定で、メキシコには北米第2拠点を設けます。
メキシコは北米向けの製造拠点として世界中の自動車メーカーが進出している成長市場。アメリカからだけでは手薄なので、近くドイツの大手金型メーカーと共同出資で拠点を設け、サポート体制を強化します。
アメリカ、カナダ、メキシコの3拠点で北米市場を細かくカバーしますが、メキシコは将来的には南米市場への足掛かりにしたいですね。
※他4ヵ国は下記リンクから
金型新聞 2020年7月1日
関連記事
IOTの狙いはスピード 現場の正しい情報捉え、瞬時に改善することが重要 金型メーカーが今より儲けるためには、受注を増やすか、製造原価を下げるかの2つ。では、どうやってそれを実現するか。私は「スピード」だと考えています。…
目指すは「恒・高精度化」 それを見極められる人の育成が、より重要に 超精密金型の世界で目指すべきは「加工工程の『恒・高精度化』」だと考えています。どこで成形しても高い水準で同じ品質が得られること。つまり、高いレベルでの…
T・D・Cモールド 製造部 製造係 松尾 由貴子さん 加工精度±2μm以内の微細精密な金型のモデリングや加工プログラムを作成する。そのスキルは社内外でも高く評価され、昨年には工作機械メーカーの碌々産業が優れた加工技術者に…
同社は1920年の創業で、接点などの電子機器向けのプレス部品を強みに業容を拡大してきた。近年は、車載部品での採用も進んでおり、その精密な金型とプレス技術は世界中で認められている。 例えばスマートウォッチに搭載された気圧セ…