金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

29

新聞購読のお申込み

特集〜世界の需要どう取り込む〜
金型のサムライ世界で挑む –アジア–

 新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州それぞれの国・地域に進出する5社を取材した。

名古屋精密金型 渡邊幸男社長

  • 本  社: 愛知県東浦町緒川北鶴根66‐5
  • 電  話:0562-84-7600
  • 代表者:渡邊幸男社長
  • 創  業:1975年
  • 従業員:128人
  • 海外拠点:ベトナム、インドネシアなど3拠点
  • 事業内容: プラスチック金型設計・製造

金型に加え成形も視野

 ベトナム進出したのは2002年(設立)で日系プラスチック金型メーカーとしては2社目です。当時は国内の金型におけるコストダウン要請に応える方策の1つでした。ところが、日本の2輪車部品メーカーの進出ラッシュが続き、現地のプラスチック金型の製作依頼が10年以上続きました。これは予想もしなかったことです。ベトナム人も大変勤勉で大いに戦力になってくれました。

 インドネシアについてはベトナムと異なり、顧客が中国など海外メーカーに多く発注する時代を見据え、先にマーケットの大きいインドネシアで金型製作の技術確立を目指しました。国内顧客も多数進出していたことも後押しになり、現在も製作する金型の9割はインドネシア国内向けです。

車生産到来に期待

 現状のベトナムは人材も育ち、ヘッドランプの金型など日本と同等の力があります。さらに競争力強化のため大型に対応する設備投資も進めています。ただ、現地ローカル企業も力を付けており、コスト競争は厳しくなっています。今後は大型金型や当社の強みである磨きの技術を活かし、本格的な4輪車製作時代の到来に備え、成形分野の拡充も検討しています。顧客や現地の金型メーカーとの情報交流などネットワークも欠かせません。

また、インドネシアも金型製作していますが、国内情勢など不安定さもあり、想定通りとはいきません。社会常識も日本人には理解しにくい面もあります。また、韓国の金型メーカーも多数進出しており、競争は激しいものになっています。

 金型メーカーが海外展開を考える上で、最も重要なことは人であり1番の資源です。ですから、日本の若い人材が海外で活躍したいと思わせる環境が望ましいです。そのためには進出国の実情や歴史など隅々まで調査する必要があります。大切な社員を派遣するわけですから、自分(トップ)が行くと仮定し、検討しなければなりません。

他4ヵ国は下記リンクから

金型新聞 2020年7月1日

関連記事

米山金型製作所が「微細成形ラボ」を設立するワケ

微細成形ラボを設立 量産化までの支援サービスを提供 自動車や医療などの精密プラスチック射出成形用金型を手掛ける米山金型製作所は今年9月、微細成形技術が提供可能な「微細成形ラボ」を設立する。既存設備よりも大型の射出成形機を…

静岡理工科大学 理工学部機械工学科 教授
後藤 昭弘氏 〜鳥瞰蟻瞰〜

大学を上手く活用し、技術開発につなげる場に 強み見つけ、競争力を強化  金型は集積技術です。機械加工や表面処理、材料、最近ではITなど、色々な技術が上手く組み合わさることによって、はじめて良い金型が出来上がる。大学では、…

田口型範 社長 田口 順さん(70)
〜ひと〜

親子2代で旭日単光章を受けた  昨年11月、秋の叙勲で「旭日単光章」を受賞した。創業以来72年連続で黒字経営を続けたこと、2007年に経済産業省から「元気なモノ作り中小企業300社」を受けたことなどが認められた。「個人で…

ポートフォリオ拡大し、製造工程の全体最適を支援 鈴木渉氏(オートフォームジャパン社長)【この人に聞く】

オートフォームジャパン(東京都港区、03・6459・0881)はスイス・オートフォーム社の日本法人として2007年に設立された。シミュレーションソフトメーカーでは後発となる同社はプレス成形に特化し、圧倒的な計算速度を強み…

山口製作所 アモルファス箔のモータコアの量産に挑む【特集:自動車金型の未来】

特殊な型内積層技術を開発 電動車を始め次世代車で採用が増えるモータ。脱炭素の観点からも、その効率化は欠かせない。その一つとして注目を集めるのが、磁気特性の高いアモルファス箔を採用したモータコア。金型からプレスまで一貫して…

関連サイト