2020年7月8日(水)

特集〜世界の需要どう取り込む〜
金型のサムライ世界で挑む –欧州–

 新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州それぞれの国・地域に進出する5社を取材した。

大貫工業所 大貫啓人社長

  • 本  社:茨城県日立市森山町5‐10‐8
  • 電  話:0294-53-3821
  • 代表者:大貫啓人社長
  • 創  業:1956年
  • 従業員:50人
  • 事業内容: 精密プレス金型設計製作、プレス精密加工部品など

高付加価値の仕事求め

 きっかけは10年ほど前。欧州を視察した時のことです。様々なローカル企業を見学したのですが、衝撃を受けました。従業員2人の加工メーカーが、最新鋭のマシニングセンタを5台も設備していたのです。

 なぜそんな投資が可能か。それは仕事の単価が高く、収益性が良いからです。先のメーカーに聞くと、単価は日本の2~5倍。これは欧州に進出しない手はないと考え、翌年にドイツ・ミュンヘンで開催された展示会に出展しました。

 当社は精密プレス金型の製造から量産までを手掛け、主に自動車向けのコネクタ品や深絞り品などを得意としています。

 展示会では多くの企業がブースに足を止め、「これをプレス加工できないか」と図面を見せながら聞いてきました。そこで感じたのは、欧州は機械加工の技術は圧倒的ですが、プレス加工はそうでもないということ。勝ち目があると感じました。

技術開発で、さらに拡大

 2017年にスイスの光学機器メーカーから受注を獲得し、そこから徐々に受注を増やしていきました。現在は月数百万円ほどの売上があります。現在も電気自動車(EV)関連の部品や音響関連機器などの引き合いがあり、話が進んでいます。

 課題は言葉です。英語なので基本的なビジネス会話は支障ありません。問題は業界特有の専門用語。例えば「シゴキ加工」という言葉は英語にはありません。「ironing draw」と英訳しても伝わらない。物を見せて何度も説明し、何とか理解してもらっています。

 やはり売れる物がなければ仕事は取れません。当社は研究開発型企業を目指しており、以前から様々な独自技術の開発に取り組んできました。現在はステンレスのプレス加工に挑戦しています。今後もこうした技術開発を続け、世界中から注目されるものを作っていくつもりです。将来的には欧州だけでなく、アメリカなど他の地域にも広げていきたいですね。

※他4ヵ国は下記リンクから

金型新聞 2020年7月1日

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