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黒田精工 世界最大級のプレス機本格稼働

モーターコアの大型化に対応

モーターコア用の金型などを手掛ける黒田精工(川崎市川崎区・044・555・3800)は世界最大級のプレス機の本格稼働を開始した。モーターコアの複雑化で大型化する金型に対応する。複雑なモーターコアを同時に2個打ち抜き、積層することができるほか、材料歩留まりも改善し、コスト削減にもつなげる。金型の増産投資も強化し、今年度中に金型生産量を2023年度比で2・5倍にまで引き上げる。

今年3月にボルスター寸法の左右長さが4300㎜、加圧能力400t、材料幅600㎜に対応するアイダエンジニアリングのプレス機「MSP4000—430」(写真)を長野工場に導入し、本格稼働を開始した。

モーターコアの複雑化で加速する大型化に対応する。近年はモータ効率を上げるために、スロット数の増加や冷却構造が複雑化し、金型も大型化している。「ステータコア、ロータコアともに形状が複雑になり、4工程だったものが8工程になり、金型も大型化している。形状の複雑化で、抜き荷重が大きくなり、サイズだけでなく、400tの加圧能力の機械も必要になっていた」(金型事業部の伊丸友和部長)という。

今回稼働したプレス機では、こうした大型化したモーターコアを同時に2個打ち抜き、積層することができる。従来ステータコアとロータコアをそれぞれのプレスで生産する工法に比べ生産スペースの削減、材料歩留まりの向上、オペレータ数の削減等の生産性の向上につながり、コスト削減となる。「試算によると、歩留まり改善でユーザーは年間数億円の材料費のコストダウンになる」(伊丸部長)という。

今後は複雑コアの2列化に加え、1回で3個を打ち抜く「3列化」や、φ380㎜の大径サイズの生産にも取り組む。

金型増産のための投資も継続する。モータの需要拡大で金型の増産が欠かせないためだ。「中国企業では金型の仕様決定から納期まで3か月ということも珍しくない」(石井克則専務)ため、増産で金型の納期短縮にもつなげる。

すでに大型の精密研削盤、治具研削盤などを導入。来年春に完成する新工場にはワイヤ放電加工のラインも増やす計画という。こうした投資により、金型の生産能力を今年度中に23年度比で2・5倍に引き上げる。

同社は独自の型内接着技術「GlueFASTEC(グルーファステック)」や、モーターコアに磁石を挿入し樹脂により固着する独自技術「MAGPREX(マグプレックス)」を持つ。金型とプレス技術や、こうした独自技術を武器に、日本や中国の自動車メーカーに対し、同社製のモーターコアの採用を広げる。

金型しんぶん2025年10月10日号 

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