機械や工具の最新情報など金型業界の今をお届けする「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

28

新聞購読のお申込み

収益改善へアクセル 金型生産、回復へ

車の復調、国内回帰が背景
増えた需要、勝ち抜いた金型メーカーに

 金型業界にも明るさが戻ってきた。経済産業省の統計によると2014年1―9月の生産実績は2622億円と7・6%増加した。自動車業界がけん引役となったほか、円安によって一部の金型では国内回帰する動きも追い風となった。回復したとはいえ、リーマンショック前の7割の水準でしかない。しかしながら、この数年の厳しい事業環境が、淘汰や再編を加速させ、需給ギャップも改善しつつある。収益性も改善傾向にあり「あと一歩」(ある金型メーカー)のところまで来ている。

1-9月は前年比7.6%増
 経済産業省の機械統計によると、2014年1―9月の生産実績は2622億円と対前年同期比で7・6%増加した。型別でみると、鍛造型が213億円(同12・6%増)プレス型1030億円(同10・6%増)、プラスチック型は915億円(同9・1%増)、ダイカスト型は249億円(同4・6%増)と続く。

鍛造型はリーマン前に
 けん引役となっているのはやはり自動車業界だ。「全ての仕事を受けることができないほど」(大型プレス金型メーカー)や「明らかに見積もりの件数も増え、稼働率も改善している」(内装部品を手掛けるプラ型メーカー)。また、自動車メーカーのネットシェイプ化が進んでおり、鍛造型はリーマン前の水準を超えるほどだ。さらに一部では、国内回帰の声も聞こえてくる。「日本で作りたいので、社内稟議を通すためにこの金額で受けて欲しい。後々価格は見直すと言われた」(あるプラ型メーカー)という。

供給減に対し需要増
 このように、回復傾向にあった2014年の金型業界だが、リーマンショック前と比べるとまだ7割強の水準でしかない。だが景況感の改善が感じられるのは淘汰や再編が進み、需給ギャップが改善しつつあるからだ。工業統計によると、2007年は1万社強あった事業所数が、12年は8300社にまで減少した。つまり、5年の間で2割の事業者の減少する一方、3割弱市場が小さくなったことになる。また、提携や子会社化など業界内の再編も加速した。
そんななかで、多くの金型メーカーは「工程や設計の見直し」、「外注の内製化」、「工具費など消耗品の見直し」(本紙11月号アンケートから)など、徹底的にコスト構造を見直し、収益の改善を進めている。

利益出るまでもう一歩
 自らもリストラを進め、収益の改善に注力してきた金型メーカーの経営者は「価格もピーク時には至らないが少し戻りつつある。しかし、胸を張って利益が出る水準にはあと一歩のところまで来ている」と現状を見る。潮目は変わりつつある。

金型新聞 平成26年(2014年)12月10日号

関連記事

11月の金型生産実績

11月の金型生産実績

前年同月比 5.1%増の347億7,100万円 プレス型は3.3%増、プラ型は8.9%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による2016年10月の金型生産実績をまとめた。それによ…

ー今年を振り返ってー<br>金型の国内回帰強まる

ー今年を振り返ってー
金型の国内回帰強まる

円安が後押し 海外との住み分け明確に  金型業界は回復を続けている。2015年の1―9月累計の金型生産額は前年同期比で9・3%増の2865億円となった。まだリーマンショック前のピークに比べ8割弱の水準だが、金型メーカーが…

2018年2月の金型生産実績

2018年2月の金型生産実績

前年同月比 15.6%減の304億9,500万円 プレス型が33.0%減、鍛造型は7.6%増   日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員30人以上)による2018年2月の金型生産実績をまとめた。そ…

導入の裾野広がる
―5軸加工特集―

精度・操作性が進化  金型メーカーに5軸加工機がかなり浸透してきた。制御技術や干渉チェック機能の向上、精度アップなど工作機械が進歩し、安心して使える機能が充実してきたからだ。だが何より、CAD/CAMの進化が大きい。多く…

【金型生産実績】2021年6月 9.7%減の283億8,000万円

プレス型は14.0%減、プラ型は15.0%減 2021年6月の金型生産は、前年同月比9.7%減の283億8,000万円となったものの、前月比では25.5%増と大きく回復した。数量は前年同月比23.4%増と大幅に増加したが…

トピックス

関連サイト