日本の製造業の根幹を支える金型産業の事業所を北は北海道から南は沖縄県まで47都道府県にわたり調査・編集し、1冊のデータ集にまとめました。来年3月に出版予定で、10月にはエクセルデータにして販売する計画にあります。 収 […]
金型が国内回帰
高付加価値の型を求めて
金型の国内回帰を実感している金型メーカーが増加している。日本金型工業会のアンケートによると、昨年10―12月期に「海外から戻ってきた金型を作った、もしくは作ったことがある」と回答した企業が、4―9月期に比べ10%以上増えていることが分かった。ただ、円安を契機に日本で作る選択肢が増えたが、あらゆる金型が回帰しているわけではない。国内に戻る場合でも大型化したり、複雑化したりするなど、これまで以上に付加価値の高い金型作りが重要になっている。
ハイサイクル、一体化など
日本金型工業会アンケート
日本金型工業会は三か月ごとに景況アンケートを実施している。昨年4月―9月の調査によると「海外から戻ってきた金型を作った、もしくは作ったことがある」と回答した企業は179社のうち22・9%の41社だった。しかし、10―12月の同じ調査では、174社中62社の35・6%に増加している。国内回帰の実感する企業は間違いなく増えてきている。
では、どんな金型が戻ってきているのか。日本工業大学院の横田悦二郎教授は「回帰する金型は複雑化している場合が多い」と指摘する。「軽量化やユニット化などユーザーも付加価値の高い金型を求めている」とみる。
国内で金型調達を進める、ある電機メーカーもその見方に同意する。「我々もグローバルでコスト競争にさらされている。円安で国内調達する方向にあるが、トータルで安いなら海外に出さざるを得ない。国内ではハイサイクル、一体化など付加価値の高い型を調達することになる」。つまり、日本で作るなりの理由が必要と言うわけだ。
金型メーカーもそれを十分に実感している。松野金型製作所の松野行秀社長は「回帰している金型は間違いなく難易度が増している」と話す。ホクト精工の竹森勝彦専務も「戻ってきているものと、そうでないものを理解すべき」という。
一方で、アンケート調査でも6割近くが「海外からの回帰はない」としているように、実感がない会社も少なくない。あるプレス金型メーカーは「自動車業界は地産地消。大きな変化はない」とみる。外需開拓に注力するプレス型メーカーは「海外の仕事を取りに行っている」ため、「戻っている実感はない」とも話す。黒田製作所の黒田隆会長は「海外に出ていかなくなっただけではないか。国内の金型の需給バランスが取れ始めたことが主な要因」と言う。
顧客層や自社の戦略によって回帰の見方は異なるし、円安によって日本で作る選択肢が増えただけなのかもしれない。しかし、間違いないのは日本で作る金型は難易度を増しているということ。だからこそ、「付加価値の高い金型作り」に挑戦することはますます重要になる。
金型新聞 平成28年(2016年)2月10日号
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