更なる価値に活路 超微細や新素材金型+成形 日本の金型産業は今、かつてない変化の時代を迎えているのではないでしょうか。金型の需要はここ数年、自動車や電子機器業界の好転により堅調に回復してきました。しかし、その水準はまだ…
ノウハウと新型設備<石原産業>
金型部品 精密治工具
石原産業(長野県上田市、0268・42・5011)は、金型部品や治工具などを手掛ける加工メーカーだ。独自のノウハウを活かして、品質の高さで勝負する。積極的に新型の加工機を導入したり、展示会で自社の技術をアピールするなど、将来を見据えた展開にも力を入れている。
同社が手掛けるのは、ピンやパンチなど、プラスチックやプレスなどの金型部品。ワイヤ放電やマシニングセンタ(MC)、研削盤を駆使し、ハイスや超硬をはじめセラミックなど難削材も精密に加工する。加工技術を活かし高品質の治工具や様々な精密部品も製作する。
これらの精密な加工技術の基盤は長年に培ったノウハウと実績だ。1968年に自動車ブレーキシリンダーの加工で創業したが、8年後にはワイヤ放電を導入し、金型加工部を新設。その後、グラファイト電極やセラミックの加工、MCによる高速加工、超精密微細加工など次々と新たな加工技術に挑戦。2006年には国から金型分野の特定研究開発の認定を受け、09年には切削加工分野で支援事業にも選ばれた。
また、これらの技術を支える設備投資にも意欲的だ。数年前に細線ワイヤ加工機「UPH-1」(牧野フライス製作所)を導入。最近では昨年、油仕様のワイヤ放電「UPV-5」(同)を、今年3月には新型のワイヤ放電「U6H・E・A・T」(同)を導入した。加工技術だけでなく品質保証にも注力しており、超精密3次元測定機「LEGEX574」(ミツトヨ)を設備している。
石原信之社長は「技術を磨き常に時代のニーズに応えてきた。これからも新規設備や精密な加工へのチャレンジで品質を高めていきたい」と話す。
今月29日~30日に大田区産業プラザPIOで開かれる展示会「微細・精密加工技術展2014」では、自社の技術を出品する予定。石原社長は「精密な加工では、金型に限らず色んな分野へと間口を広げていきたい。事業展開の分野拡大でも挑戦していきたい」。
金型新聞 平成26年(2014年)5月14日号
関連記事
鋳造・ダイカストで19.2%増加 金型の出荷額及び事業所数の推移 経済産業省がこのほど発表した経済センサス(※)活動調査(品目編)によると、2015年の日本の金型出荷額は1兆3977億円で前年比9.4%増加と大きく伸長…
ウェブでオンデマンド配信 インターモールド振興会(大阪市中央区、06-9644-9911)は、インターモールド名古屋(7月6~9日、ポートメッセなごや)で開催したセミナーの動画を特設ウェブサイトでオンデマンド配信(You…
付加価値向上へ ダイカスト金型メーカーの魚岸精機工業(富山県射水市、魚岸力社長、0766・52・2222)は富山大学らと共同で、ダイカスト金型に様々なセンサを取り付け、成形条件の「見える化」を進めている。温度や冷却水の…
目次金型メーカーアンケート型取引に関する政府の動向金型メーカーの実例紹介型取引適正化推進協議会座長 細田孝一氏に聞く記者の目 取引環境改善も道半ば 金型メーカーアンケート 政府が2016年の世耕プランで、取引環境の改善を…