研究開発が新たな道 リーマン・ショック以降需要が回復しているものの、これがいつまで続くのか。自動車の電気化やインターネットの技術革新が産業構造にどんな影響を及ぼすのか。それが、日本の金型メーカーの多くの経営者が抱く未来…
岐阜大 スマート金型開発拠点始動
量産の不良率ゼロに
産学官連携で共同研究
岐阜大学は6月7日、スマート金型開発拠点事業をスタートさせた。労働人口減少社会を想定し、より高効率な生産システムが求められる中、金型を使った量産システムでの不良率ゼロを可能にするスマート生産システムの開発に着手する。同事業は文部科学省の地域科学技術実証拠点整備事業に採択されており、大学と企業が協働で金型やプレス機、射出成形機のスマート化を図り、IoTプラットフォームに連結させ、成形不良の予兆や自律的に成形や加工条件を調整できる画期的なシステムの開発に取り組む。研究開発にはプレス成形メーカーや樹脂成形メーカー、プレス機メーカー、射出成形機メーカーほか、金型やセンサーメーカー、ソフトウェアメーカーなどが参画し、各グループに分かれ、共同研究を行う。
スマート生産システムは量産時における金型や成形機などの不具合や変化を予兆し、自律的に調整することで不良率をゼロにする。現状の量産システムは様々な要因で製品の品質にバラツキが起きるため、金型内や成形機にセンサを取り付け、多様で膨大なデータを取得し、良品の成形条件データベースを基に解析を行い、最適な金型や成形機の設計及び成形条件の設定で自律化した生産システムを構築する。その開発には課題も多く、センシング技術、スマート金型、IoTプラットフォームやデータ解析技術、スマート成形機などの開発が必要。
スマート生産システムの開発にはプレスや鍛造、射出成形など5つの研究開発グループと、センシング関連とIoTプラットフォーム・データ解析を行う2つの研究室を設け、各研究開発グループの課題に対し、2つの研究室が関与しながら開発を進めていく。参画企業は太平洋工業、デンソー、小島プレス工業、オムロン、岐阜多田精機、アマダマシンツール、東芝機械、村田機械、ヤマナカゴーキン、ユニアデックスなど多数の企業が参加している。
スマート金型開発拠点の建屋は床面積1080㎡の3階建て。1階にスマート生産システム用の大型実験機器(プレス成形システムや射出成形システム)、2階や3階は共同研究実験室と加工シミュレーションや構造解析などを実施するCAE室、センシングした情報や試験結果データを集約するサーバー室がある。機械のほかに成形品や金型の形状をスキャンするための測定装置も設備した。
同事業を主導する岐阜大学副学長の王志剛氏は「労働人口の減少に対応することは産学会のニーズ。スマート金型を使って量産の不良率ゼロを実現できれば、省人化、その先には無人化も見えてくる」と、次世代ものづくりに向けた取り組みが始まった。
金型新聞 平成30年(2018年)7月4日号
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