金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

04

新聞購読のお申込み

岐阜大 スマート金型開発拠点始動
量産の不良率ゼロに

産学官連携で共同研究

 岐阜大学は6月7日、スマート金型開発拠点事業をスタートさせた。労働人口減少社会を想定し、より高効率な生産システムが求められる中、金型を使った量産システムでの不良率ゼロを可能にするスマート生産システムの開発に着手する。同事業は文部科学省の地域科学技術実証拠点整備事業に採択されており、大学と企業が協働で金型やプレス機、射出成形機のスマート化を図り、IoTプラットフォームに連結させ、成形不良の予兆や自律的に成形や加工条件を調整できる画期的なシステムの開発に取り組む。研究開発にはプレス成形メーカーや樹脂成形メーカー、プレス機メーカー、射出成形機メーカーほか、金型やセンサーメーカー、ソフトウェアメーカーなどが参画し、各グループに分かれ、共同研究を行う。

プレス機や成形機など研究用の設備が並ぶ

 スマート生産システムは量産時における金型や成形機などの不具合や変化を予兆し、自律的に調整することで不良率をゼロにする。現状の量産システムは様々な要因で製品の品質にバラツキが起きるため、金型内や成形機にセンサを取り付け、多様で膨大なデータを取得し、良品の成形条件データベースを基に解析を行い、最適な金型や成形機の設計及び成形条件の設定で自律化した生産システムを構築する。その開発には課題も多く、センシング技術、スマート金型、IoTプラットフォームやデータ解析技術、スマート成形機などの開発が必要。

 スマート生産システムの開発にはプレスや鍛造、射出成形など5つの研究開発グループと、センシング関連とIoTプラットフォーム・データ解析を行う2つの研究室を設け、各研究開発グループの課題に対し、2つの研究室が関与しながら開発を進めていく。参画企業は太平洋工業、デンソー、小島プレス工業、オムロン、岐阜多田精機、アマダマシンツール、東芝機械、村田機械、ヤマナカゴーキン、ユニアデックスなど多数の企業が参加している。

 スマート金型開発拠点の建屋は床面積1080㎡の3階建て。1階にスマート生産システム用の大型実験機器(プレス成形システムや射出成形システム)、2階や3階は共同研究実験室と加工シミュレーションや構造解析などを実施するCAE室、センシングした情報や試験結果データを集約するサーバー室がある。機械のほかに成形品や金型の形状をスキャンするための測定装置も設備した。

 同事業を主導する岐阜大学副学長の王志剛氏は「労働人口の減少に対応することは産学会のニーズ。スマート金型を使って量産の不良率ゼロを実現できれば、省人化、その先には無人化も見えてくる」と、次世代ものづくりに向けた取り組みが始まった。

金型新聞 平成30年(2018年)7月4日号

関連記事

リヒト精工 ヘッドランプ金型向け窒化処理技術を開発

高い鏡面性を実現 熱処理から表面処理まで独自技術を持つリヒト精光(京都市南区、075-692-1122)はインターモールド2022大阪でエジソンハード処理(新ガス窒化処理法)の新技術を披露した。成形時のキズや摩耗の激しい…

日本金型工業会 山中雅仁会長に聞く 4つの軸を推進する理由【特集:日本金型工業会第14回定時総会】

「業界連携」、「市場拡大」、「魅力度」、「商品企画」—。日本金型工業会は昨年、これら4つを金型産業の稼ぐ力向上の推進軸として打ち出した。それぞれにワーキンググループ(WG)を立ち上げ、施策検討や事業活動を進めている。4つ…

守りから攻めへ<br>ー本紙金型メーカーアンケートー

守りから攻めへ
ー本紙金型メーカーアンケートー

生産性向上や技術開発 守りから攻めの設備投資に転じる金型メーカーが増えている。日本工作機械工業会によると、金型メーカー向けの受注額の4―9月期累計は前年度比で4割超増加した。これまでの買い控えの反動や、補助金や減税などの…

インターモールド2022 4月20からインテックス大阪で開幕

金型加工の最新技術が競演 4年ぶりの大阪開催 金型加工技術の専門展示会「インターモールド2022」(主催:日本金型工業会、運営:インターモールド振興会)が4月20~23日の4日間、インテックス大阪(大阪市住之江区)で開催…

白銅 特注金型部品の販売開始

加工と表面処理も 非鉄金属や銅などを扱う専門商社の白銅(東京都千代田区、03-6212-2811)は昨年から、ピンやパンチなど特注金型部品の取り扱いを始めている。連携する中国の加工メーカーで製作した部品を輸入し、日本国内…

トピックス

関連サイト