金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

16

新聞購読のお申込み

岐阜大 スマート金型開発拠点始動
量産の不良率ゼロに

産学官連携で共同研究

 岐阜大学は6月7日、スマート金型開発拠点事業をスタートさせた。労働人口減少社会を想定し、より高効率な生産システムが求められる中、金型を使った量産システムでの不良率ゼロを可能にするスマート生産システムの開発に着手する。同事業は文部科学省の地域科学技術実証拠点整備事業に採択されており、大学と企業が協働で金型やプレス機、射出成形機のスマート化を図り、IoTプラットフォームに連結させ、成形不良の予兆や自律的に成形や加工条件を調整できる画期的なシステムの開発に取り組む。研究開発にはプレス成形メーカーや樹脂成形メーカー、プレス機メーカー、射出成形機メーカーほか、金型やセンサーメーカー、ソフトウェアメーカーなどが参画し、各グループに分かれ、共同研究を行う。

プレス機や成形機など研究用の設備が並ぶ

 スマート生産システムは量産時における金型や成形機などの不具合や変化を予兆し、自律的に調整することで不良率をゼロにする。現状の量産システムは様々な要因で製品の品質にバラツキが起きるため、金型内や成形機にセンサを取り付け、多様で膨大なデータを取得し、良品の成形条件データベースを基に解析を行い、最適な金型や成形機の設計及び成形条件の設定で自律化した生産システムを構築する。その開発には課題も多く、センシング技術、スマート金型、IoTプラットフォームやデータ解析技術、スマート成形機などの開発が必要。

 スマート生産システムの開発にはプレスや鍛造、射出成形など5つの研究開発グループと、センシング関連とIoTプラットフォーム・データ解析を行う2つの研究室を設け、各研究開発グループの課題に対し、2つの研究室が関与しながら開発を進めていく。参画企業は太平洋工業、デンソー、小島プレス工業、オムロン、岐阜多田精機、アマダマシンツール、東芝機械、村田機械、ヤマナカゴーキン、ユニアデックスなど多数の企業が参加している。

 スマート金型開発拠点の建屋は床面積1080㎡の3階建て。1階にスマート生産システム用の大型実験機器(プレス成形システムや射出成形システム)、2階や3階は共同研究実験室と加工シミュレーションや構造解析などを実施するCAE室、センシングした情報や試験結果データを集約するサーバー室がある。機械のほかに成形品や金型の形状をスキャンするための測定装置も設備した。

 同事業を主導する岐阜大学副学長の王志剛氏は「労働人口の減少に対応することは産学会のニーズ。スマート金型を使って量産の不良率ゼロを実現できれば、省人化、その先には無人化も見えてくる」と、次世代ものづくりに向けた取り組みが始まった。

金型新聞 平成30年(2018年)7月4日号

関連記事

2023年12月金型生産実績 前年同月比7.4%減の309億円

プレス用金型は14.4%減、プラ用金型は5.8%減 2023年12月の金型生産は、年末需要もあり前月比では11.8%増加したが、前年同月比7.4%減の309億4,600万円。数量は前年同月比5.7%減、前月比では10.0…

【金型の底力】美濃工業 金型の内製化に着手

コストダウン、納期短縮図る 自動車用アルミダイカスト部品メーカーの美濃工業(岐阜県中津川市、0573-66-1025)は2021年3月、埼玉県熊谷市に「熊谷金型センター」を設立し、金型製造を開始した。20年10月には静岡…

【Breakthrough!】ワイヤ放電加工

ワイヤ放電の進化が止まらない。機構や電源の刷新で、高精度化や効率化は加速。中子抜きや、ワーク搬送、自動結線など自動化のアプリケーションが増加している。最近では、IoT技術を活かした最適な稼働管理などが登場している。さらに…

型技術協会 9月1日にセミナー、ものづくり支える材料の新潮流

型技術協会は9月1日、「ものづくりを支える材料の新潮流」をテーマにしたセミナーをラジオ日本クリエイト(横浜市中区)で開催する。募集人数は45人で、申込締め切りは8月21日まで。参加費は主催・協賛団体会員が2万1000円、…

大型ワイヤ放電発売
三菱電機

加工速度を66%向上  三菱電機は4月17日、大型金型向けのワイヤ放電加工機「MV4800R」を発売した。独自の制御や新電源の採用で、加工速度を従来比で66%向上させるなど、高い生産性を可能にした。  機械本体の熱変位を…

トピックス

関連サイト