金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

17

新聞購読のお申込み

岐阜大 スマート金型開発拠点始動
量産の不良率ゼロに

産学官連携で共同研究

 岐阜大学は6月7日、スマート金型開発拠点事業をスタートさせた。労働人口減少社会を想定し、より高効率な生産システムが求められる中、金型を使った量産システムでの不良率ゼロを可能にするスマート生産システムの開発に着手する。同事業は文部科学省の地域科学技術実証拠点整備事業に採択されており、大学と企業が協働で金型やプレス機、射出成形機のスマート化を図り、IoTプラットフォームに連結させ、成形不良の予兆や自律的に成形や加工条件を調整できる画期的なシステムの開発に取り組む。研究開発にはプレス成形メーカーや樹脂成形メーカー、プレス機メーカー、射出成形機メーカーほか、金型やセンサーメーカー、ソフトウェアメーカーなどが参画し、各グループに分かれ、共同研究を行う。

プレス機や成形機など研究用の設備が並ぶ

 スマート生産システムは量産時における金型や成形機などの不具合や変化を予兆し、自律的に調整することで不良率をゼロにする。現状の量産システムは様々な要因で製品の品質にバラツキが起きるため、金型内や成形機にセンサを取り付け、多様で膨大なデータを取得し、良品の成形条件データベースを基に解析を行い、最適な金型や成形機の設計及び成形条件の設定で自律化した生産システムを構築する。その開発には課題も多く、センシング技術、スマート金型、IoTプラットフォームやデータ解析技術、スマート成形機などの開発が必要。

 スマート生産システムの開発にはプレスや鍛造、射出成形など5つの研究開発グループと、センシング関連とIoTプラットフォーム・データ解析を行う2つの研究室を設け、各研究開発グループの課題に対し、2つの研究室が関与しながら開発を進めていく。参画企業は太平洋工業、デンソー、小島プレス工業、オムロン、岐阜多田精機、アマダマシンツール、東芝機械、村田機械、ヤマナカゴーキン、ユニアデックスなど多数の企業が参加している。

 スマート金型開発拠点の建屋は床面積1080㎡の3階建て。1階にスマート生産システム用の大型実験機器(プレス成形システムや射出成形システム)、2階や3階は共同研究実験室と加工シミュレーションや構造解析などを実施するCAE室、センシングした情報や試験結果データを集約するサーバー室がある。機械のほかに成形品や金型の形状をスキャンするための測定装置も設備した。

 同事業を主導する岐阜大学副学長の王志剛氏は「労働人口の減少に対応することは産学会のニーズ。スマート金型を使って量産の不良率ゼロを実現できれば、省人化、その先には無人化も見えてくる」と、次世代ものづくりに向けた取り組みが始まった。

金型新聞 平成30年(2018年)7月4日号

関連記事

【インタビュー】冨士ダイス 社長・久保井 恒之社長「順応力を持った企業目指す」

今年4月、ダイスなど超硬合金製の耐摩耗工具や金型を手掛ける冨士ダイス(東京都大田区、03-3759-7181)の社長に就任した。自動車産業の大変革など同社を取り巻く事業環境が加速度的に変化する中、「変化に対して順応力を持…

KMC 社長 佐藤 声喜氏
〜鳥瞰蟻瞰〜

IOTの狙いはスピード 現場の正しい情報捉え、瞬時に改善することが重要  金型メーカーが今より儲けるためには、受注を増やすか、製造原価を下げるかの2つ。では、どうやってそれを実現するか。私は「スピード」だと考えています。…

切削油をオーダーメイド
サンコーオイル

 「お客様が求める油を作りたい」と語るのは、サンコーオイルの菅大祐専務。同社ではユーザーが求める価格帯や性能、さらには環境への影響まで考慮し、オーダーメイドで切削油の製造を行い、好評を得ている。  切削油のオーダーメイド…

アジアの需要開拓(東京鋲螺工機)

アジアの需要開拓(東京鋲螺工機)

タイに工場 金型の補修、製造も   冷間鍛造金型メーカーの東京鋲螺工機(埼玉県新座市、高味寿光社長、048・478・5081)は、タイで今月から金型のメンテナンスを開始する。昨年12月に子会社を設立、8月には工場も稼働さ…

東京精密 八王子ショールームを一新<br>新型機種など15台

東京精密 八王子ショールームを一新
新型機種など15台

 東京精密はこのほど、八王子工場(東京都八王子市)内の計測センターをリニューアルした。展示スペースを従来の4倍に拡大し、5台だった展示機を15台まで増設。常設展示に加え、トレーニングスクールや測定サービスなども行い、関東…

関連サイト