プレス用金型は8.3%減、プラ用金型は8.0%減 2023年4月の金型生産は、前年同月比7.5%減の258億6,700万円、前月比では23.6%の大幅増となった。前月比の大幅減は、3月期末の駆け込み需要の影響とみられる。…
2013年 金型メーカーの工作機械設備投資
国内外の金型メーカーは昨2013年、日本製工作機械を約510億円設備投資した。1台当りの工作機械を仮に2000万円とすると、2550台の投資をしたことになる。目的は、金型生産能力の拡大・補強・老朽化設備の更新などで、国内は「品質」、海外は「技術」競争が始まった、とする声が聞かれる。日本工作機械工業会(以下、日工会)の2013年工作機械受注統計は、新たな競争に入った国内外の金型メーカーの姿を映し出した。


日工会の受注統計は、金型製造業がどんな工作機械を設備(金額ベース)したかを見る事ができる。
先ず国内金型メーカーの設備投資は、前年同期比17.6%増の257億4700万円を工場に導入した。
これは、日工会内需の6.4%、需要規模はピーク(2005年=738億700万円)比65%に当る。
グラフ1は、期種別設備投資額の大きさを表した。№1は立形マシニングセンタ(以下MC)で、前年同月比20.5%増の101億2700万円と突出した。次いで放電加工機の同6.5%増、47億6900万円、その他MC(複合加工機、5軸加工機、平削盤など含む)の同78.3%増、36億400万円が続く。
立形MCが大きく伸びたのは、フライス盤を立形MCに入れ替えや立形MCにバイス、円テーブルを搭載し、複合加工化するニーズが押し上げたようだ。また、「熟練労働者の定年退職に比例し、汎用機をMCに入れ替える」(愛知県のプレス金型メーカー)などが動機になっている。
一方、海外の金型メーカーは、同23.8%増の252億7000万円を投資した。日本の金型メーカーの海外進出企業や地元の金型メーカーが日本製工作機械を積極的に入れた。
「他社との差別化拡大」や「品質の向上」「バリレス」「生産性向上」「未習熟技術を自動化で補う」などが主な導入要因になっている。
中国は、同12.0%増の96億2300万円を投資した。次いで韓国の同79.1%増、38億9100万円、アメリカの同13.2%増、29億3600万円など(グラフ2参照)。
地域で見ると、東アジア(韓国・台湾・中国・その他)が最も大きく、全体の約59%(149億9500万円)を占めた。次いで13%とほぼ同率の北米(アメリカ、カナダ、メキシコ含む、32億8200万円)、EU(32億3400万円)が続く。
これは今後、東アジアの金型メーカーが力をつけ始めることを意味している。日本の金型メーカーにとって大きな脅威になる日も近い。
金型新聞 平成26年(2014年)2月10日号
関連記事
前年同月比14.2%増の273億400万円 プレス型は19・4%増、プラ型は15・8%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による平成26年8月の金型生産実績をまとめた。それによる…
新たな被膜や刃形 高硬度材を加工できる金型向けの切削工具の種類が豊富になっている。切削工具メーカーが昨年から、新たな被膜や刃形の高硬度材用の工具を相次いで発売。焼き入れ鋼をはじめ、超硬合金を直彫りできる工具も登場している…
前年同月比3.1%増の321億6,900万円 プレス型は10・0%増、プラ型は4・5%減 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による平成26年9月の金型生産実績をまとめた。それによる…
ニチダイ 自動車関連が回復 ネットシェイプ事業が貢献 ニチダイが発表した2021年4‐9月期決算によると、売上高が67億8800万円と前年同期比33.1%増と大きく回復した。営業利益も2億5500万円(前年同期は3億99…