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松村精型 見積効率化や戻りない金型づくり【特集:デジタル活用術】

作業を細分化し、デジタル管理

低圧鋳造やダイカスト金型を手掛ける松村精型は、加工や設計などの作業単位を細分化し、コード化して管理している。作業ごとの分析や改善を徹底し、手戻りのない金型づくりを進めるほか、コードに製造コストをひも付けることで、原価管理の徹底や見積もりの迅速化につなげている。

その中核をなすのが、2002年から自社開発してきた業務システムだ。松村浩史社長は「金型は部品の集合体。それらを精緻に管理できなければ経営は成り立たない」と話す。最初に取り組んだのが、作業単位の細分化とコード化だった。

同社を支える業務システムの画面

金型加工は、材料購入、設計、加工、仕上げ、組み付けなど工程を経て完成する。同社はこれら全ての作業単位を細分化した。例えば設計工程は「設計」と一括りにするのではなく、構造や冷却設計など約15の作業に分類。「設計が遅れた場合、どの作業に時間がかかったのか分からなければ、改善すらできない」ためだ。材料購入時に材料にQRコードを貼付し、どこにどの材料があるかを明確にするなど、作業単位の細分化を徹底する。

これらの作業単位はすべてコード化。例えばA社の案件は「A—0123456」など20桁のコードで表示され、どの工程でどの作業が必要か一目で分かる。コード化したのは「テキスト管理では入力ミスが起こりやすく、正確な管理ができない」ためだ。

材料納品時にもQRコードで、材料の所在や各種情報もデータ化

こうして細分化した結果、作業単位は月約10万に上る。「10万の作業を人の力で管理するのは難しい。最適な工程計画はデジタルを活用しなければ組めない」。20年以上データを蓄積したことで、類似した金型であれば、最適な作業時間や工程を即座に組めるという。

これだけでは作業の「見える化」にとどまる。経営に生かすため、作業ごとの労働時間や治具費用、減価償却費などの製造コストを算出し、作業単位に反映できる仕組みを構築した。これにより、案件ごとの利益や外注費などを即座に把握でき、財務諸表への反映が可能になった。「損益計算書をリアルタイムで作成できる」という。

このシステムを運用して20年以上が経過した。「作業を細分化し、課題を一つ一つ改善し続けてきた結果、加工精度が向上し、金型の手戻りはほぼゼロ。工数やコストが明確になり、見積もり作業のスピードが上がったほか、見積もりや工程の精度も向上し、実績と計画の誤差は平均で5%以内」という。

今後については、「これまで社内サーバーで運用してきたが、リスクヘッジのため現在はクラウドへ移行している。今後もデータを蓄積し、経営に生かしていきたい」。

会社概要

  • 本社:富山県高岡市長慶寺805
  • 電話:0766・25・1715
  • 代表者:松村浩史氏
  • 創業:1920年
  • 従業員:240人(グループ全体)
  • 事業内容:ダイカスト・鋳造用金型の製造、試作鋳造、高気密高精度アルミ鋳造製品の製造、試作鋳造・試作加工など。

金型しんぶん2026年2月10日号

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