金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

SEPTEMBER

10

新聞購読のお申込み

昭芝製作所 自社開発したシステム活用し、金型の棚卸や探索時間を削減【特集:デジタル活用術】

プレス金型から加工までを手掛ける昭芝製作所は「金型スマート棚卸・探索システム」を自社で開発し、2019年に導入。同システムは、無線自動識別(RFID)を活用し、簡単に金型の探索や棚卸ができる。

同社では約4000型を管理しており、特に補給品用に必要な金型を探すのに時間を要するのが課題だった。また、保管する金型のリストはあったが、どこに何が置いてあるかを正確に管理できていなかったという。同システム導入後は、棚卸や探索業務の時間が大幅に短縮された。

棚卸・探索の作業効率が飛躍的に向上

同システムは金型に貼り付けるRFIDタグと、タグに対応したRFIDリーダー、Android端末で構成される。システムの主な機能は2つ。特定の金型を探す「探索機能」と、棚卸を行う「棚卸機能」。

「探索機能」は金属探知機のように対象の金型の場所を特定することができる機能だ。金型が保管されている場所にリーダーをかざすと、アプリに表示されるインジケータが振れ、その大きさによってタグとの距離が分かる。これにより、熟練作業者でなくても数十秒から数分で対象の金型を探し出すことができる。「探索時間を短縮するだけでなく、技能伝承の側面もある。熟練作業者が退職した場合、金型の場所が分からなくなるといったことを防げる」(三原寛人社長)。

金型にRFIDタグを取り付け

「棚卸機能」は、棚卸にかかる人員や時間を大幅に削減できる機能。RFIDタグは最大5~6m離れていても読み取りが可能なため、金型をラックなどから降ろさなくても棚卸作業を行える。同社によると、従来は500型の棚卸を行うのに16時間ほどの時間をかけていたが、同システムによって1~2分で読み込みができるようになったという。また、RFIDタグを読み込む際にAndroid端末の位置情報を取得し、オンライン地図上に棚卸場所を表示することも可能だ。

システムは、同社のIT部門を中心に独自開発した。開発当初は、RFIDリーダーで読取るICタグの選定に苦労したという。「タグが振動で落下しないか、油がついても問題ないかなど、ベストな形を模索し、試行錯誤を重ねた」(阿部洋人 IT戦略室室長)。

24年には同システムに関する特許を取得し、外販も開始した。同社は以前から生産に必要な自動化システムや、ITツールなどを全て内製化している。近年は自社開発したシステムやツールを外販するソリューションプロバイダー事業への参入を目指しており、同システムの外販はその一環。「自社で開発した技術やツールを軸に、自動化・無人化を実現するためのソリューション提案に注力する」(三原社長)。

会社概要

  • 本社:東京都練馬区小竹町1‐43‐15
  • 電話:03・3955・3176
  • 代表者:三原寛人社長
  • 創業:1946年
  • 従業員:101人
  • 事業内容:自動車部品や建設車両部品の製造、金型設計・製造など。

金型しんぶん2026年2月10日号

関連記事

〜特集〜 金型づくりをスマート化する

生産現場を訪ねて三豊機工 鹿児島工場(南九州)  5台のAIV(Autonomous  Intelligent  Vehicle)が10棟の工場を跨いで縦横無尽に運行する金型工場。冷間圧造用金型を材料から製品まで一貫生産…

日本金型工業会 商品企画開発力WGリーダー 打田尚道氏に聞く【特集:日本金型工業会第14回定時総会】

ニーズとシーズをつなぐ仕組み 製造業では、顧客のニーズを捉え、自社が保有する技術やシーズを確認し、実現できる企画案を考えます。企画を実現する上で、技術が不足する場合は技術開発し、商品が完成します。ワーキンググループ(WG…

金型づくりを変える 注目の技術<br>インターモールド 2019 総集編

金型づくりを変える 注目の技術
インターモールド 2019 総集編

 4月19〜22日、東京ビッグサイト青海展示棟で開催された国内最大の金型加工技術展「インターモールド2019」。注目を集めたのは、自動化や3Dプリンティング、IoTやAIなどより進化した次世代の技術だ。かつては夢物語だっ…

金型メーカー座談会
経営者5人が語る、どうなる2015年 最終回

金型産業 発展へ 日本金型工業会 5つの施策   出席者   エムエス製作所社長 迫田 幸博氏 小出製作所社長 小出 悟氏 長津製作所会長 牧野 俊清氏 日進精機相談役 加藤 忠郎氏 野田金型社長 堀口 展男氏 2月号で…

かいわ 自社で商品生み出す道に

培った技術活かす 自動車の電動化、医療関連や半導体関連需要の拡大などで、国内のものづくり産業に求められるものも大きく変化している。自動車の電動化ではモータやバッテリーなどの電動化部品や材料置換による軽量化部品などが増えて…

トピックス

AD

「安かろう悪かろう」を覆す「Autodesk® Fusion®」の実力 応用技術(株)がウ...

応用技術株式会社(大阪市北区、06・6373・0440)は7月8日、ウェビナーイベント「Fusion DAY」を開催した。 応用技術はオートデスク代理店の最上位資格である「... 続きを読む

関連サイト