マーポスは1952年にイタリアで設立され、70年に日本に進出。自動車部品の計測装置や研削盤の定寸装置を始め工作機械の制御・計測装置などを手掛ける。特に金型分野ではタッチプローブでの工具やワーク計測によって金型の高精度加…
【ひと】熊本精研工業企画開発部部長・越智 英二さん(59) カメラによる機上測定機を開発した
カメラによる機上測定機を開発した
熊本精研 ㊧越智英二部長㊨池内壽孝会長

放電加工した金型部品をチャッキングしたままカメラで捕らえ、タブレットに映し出す。原点や輪郭をズームアップ。十字線を合わせ、その位置を加工機の座標で捉える。加工部を複数ヶ所測ることで、ピッチやCAD図との誤差が得られる。
そんな機上測定機「NK‐2000」を4年前に商品化した。改良を重ね、「今ではマシニングセンタや研削盤でも使えるし、ワークの位置決めや加工後の形状計測にも利用してもらっています」。
アイデアは検査機メーカーで営業をしていた頃から温めていた。日本のものづくりは精密化が進み、一方で効率化が課題。ワークに触れず、手間をかけず、正確に測れる機上測定機はきっとニーズがあると感じていた。
そのきっかけをくれたのが担当先の金型メーカー熊本精研工業の池内壽孝社長(現会長)だった。「自らがものづくりに貢献するものを考え、カタチにし、使ってもらいたい」。そんな自らの夢と、思いが一致し、転身した。
開発では過去の経験に固執せず、テストする社員の声や、導入してくれた金型メーカーの要望を全て取り入れた。『加工機の機械座標を用いる』という、この機上測定機のカギとなる技術もその中から生まれた。
100台以上を販売。近く研削盤で回転する砥石の形状を測れる新製品も発売する。「日本の金型が元気になるように。もっと企画にも開発にも力を入れていきます」。
金型新聞 2021年2月10日
関連記事
コロナショックを機に、金型に求められること 5月12日、コロナウイルス拡大の影響が読めない中で、トヨタ自動車の豊田章男社長は「頼りにされ、必要とされる会社を目指し、世界中の仲間とともに強くなる」とのコメントを発表した。…
天性の細やかさ数値で語る力が必要 経済産業省の工業統計によると、2018年の日本の金型生産額は1兆4752億円。生産量こそ中国に抜かれて久しいが、新素材の登場や部品の複合化、微細化が進み、依然として日本の高度な金型技術…
プレス業界の活性化に ハイテン材など高張力鋼板や難加工材のプレス金型及びプレス加工を手掛ける久野金属工業は、次世代車向けのプレス部品の製造を強化するため、約30億円を投じ、愛知県豊明市に新工場を建設。金型からプレス加工、…
粗形材改革の〝要〟 孫の代まで続く金型産業 「金型は、常に進化させながら孫の代まで延々と続く重要産業」――トヨタ自動車ユニット生技領域長、常務理事高見達朗氏はこのほど、日本の金型産業について熱く語った。日本産機新聞の自動…


