金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

12

新聞購読のお申込み

【ひと】熊本精研工業企画開発部部長・越智 英二さん(59) カメラによる機上測定機を開発した

カメラによる機上測定機を開発した

熊本精研 ㊧越智英二部長㊨池内壽孝会長

放電加工した金型部品をチャッキングしたままカメラで捕らえ、タブレットに映し出す。原点や輪郭をズームアップ。十字線を合わせ、その位置を加工機の座標で捉える。加工部を複数ヶ所測ることで、ピッチやCAD図との誤差が得られる。

そんな機上測定機「NK‐2000」を4年前に商品化した。改良を重ね、「今ではマシニングセンタや研削盤でも使えるし、ワークの位置決めや加工後の形状計測にも利用してもらっています」。

アイデアは検査機メーカーで営業をしていた頃から温めていた。日本のものづくりは精密化が進み、一方で効率化が課題。ワークに触れず、手間をかけず、正確に測れる機上測定機はきっとニーズがあると感じていた。

 そのきっかけをくれたのが担当先の金型メーカー熊本精研工業の池内壽孝社長(現会長)だった。「自らがものづくりに貢献するものを考え、カタチにし、使ってもらいたい」。そんな自らの夢と、思いが一致し、転身した。

開発では過去の経験に固執せず、テストする社員の声や、導入してくれた金型メーカーの要望を全て取り入れた。『加工機の機械座標を用いる』という、この機上測定機のカギとなる技術もその中から生まれた。

100台以上を販売。近く研削盤で回転する砥石の形状を測れる新製品も発売する。「日本の金型が元気になるように。もっと企画にも開発にも力を入れていきます」。

金型新聞 2021年2月10日

関連記事

横田悦二郎氏

【プレス型特集】強みを維持し続けるには…
日本金型工業会 学術顧問 横田 悦二郎氏に聞く
プレス金型の強みと未来

ゼロベースで知恵絞る 得意な分野で連携を 顧客の生産技術をサポート  日本金型工業会の学術顧問を務める、日本工業大学大学院の横田悦二郎教授は、日本のプレス金型の強みを「他の型種に比べ、技術の蓄積が生かせる部分が大きい」と…

新しい価値の金型を
キヤノンモールド 斎藤憲久社長に聞く

 キヤノンモールドが発足したのが2007年。前身のイガリモールドとキヤノンの金型部門で伝承されてきた技能や最新技術など互いの得意分野の融合を図ってきた。「新しい価値を生み出す金型メーカーを目指したい」と語る、昨年4月に同…

【鳥瞰蟻瞰】スワニー 社長・橋爪良博氏 一気通貫の体制で生産性向上

分業せずに生産性向上一人で開発から製造まで育成には失敗できる環境が大事 大企業に限らず日本の製造業の多くが分業でものづくりを行っています。複数の人員が役割を分担して行う分業という仕組みは、効率良く生産するための有効な手段…

金型産業の未来・トヨタ自動車<br>高見 達朗氏に聞く

金型産業の未来・トヨタ自動車
高見 達朗氏に聞く

粗形材改革の〝要〟 孫の代まで続く金型産業 「金型は、常に進化させながら孫の代まで延々と続く重要産業」――トヨタ自動車ユニット生技領域長、常務理事高見達朗氏はこのほど、日本の金型産業について熱く語った。日本産機新聞の自動…

【鳥瞰蟻瞰】福井精機工業社長・清水一蔵氏「これからの金型の価値は、生産技術支えるプロデュース力」

金型の価値が変わる これからの価値とは、生産技術支えるプロデュース力  高度な技能や経験、専門知識がなくても金型が作れる環境になってきました。なぜなら、これまで職人技と言われた金型加工は工作機械や切削工具などの発達によっ…

トピックス

関連サイト