若者の興味を引け 金型はものづくりの喜びがある広く知られる業界へ 若手を育てることは、金型メーカーにとって技術の伝承はもちろん、業界の活性化という点でも大切なことです。量産のものづくりがある限り、マザーツールである金型…
【ひと】住友電工焼結合金金型開発室長 ・栢野正治さん 技能検定への功労が瑞宝単光章に

技能検定に挑む技術者の目は普段のそれと輝きが異なるという。レベルの違う課題に出会い、技術の海の広さと、自らを知る。「受検者のそうした『成長』の一端に携われることが嬉しい」。
岡山県の技能検定委員として機械加工や放電加工を担当する。務めて25年、多くの技能士育成に貢献してきた。功労が称えられ、昨年、春の叙勲で瑞宝単光章を受章した。
入社当時、岡山の本社工場の金型部門は自社で使う金型の補修をしていた。しかしその年、新作部門が発足し、立ち上げメンバーに。金型の経験は無く、新作部門のある伊丹工場で基礎から学んだ。
手掛けるのは自動車部品などの粉末焼結金型。「薄肉化や複雑化する部品の品質や生産性を左右するのは金型」。技術開発に日々挑み、最適な強度で拘束し金型の寿命を延ばす独自の焼き嵌め法などを開発してきた。
技能検定委員に選ばれたのは入社9年目。放電や研削などの加工技術、金型、プレス成形に至る生産技術の広い知見が評価された。今も続けるのは受検者と下積み時代の自らが重なり「背中を押したくなる」からだ。
金型づくりでこれからの課題は、機械化の領域を広げていくこと。「加工はできる限り機械に任せて品質を安定させたい」。ただ、「機械化の方法を考えるのは人。育成にもっと力を入れていきたい」。
金型新聞 2021年4月10日
関連記事
目指すは「恒・高精度化」 それを見極められる人の育成が、より重要に 超精密金型の世界で目指すべきは「加工工程の『恒・高精度化』」だと考えています。どこで成形しても高い水準で同じ品質が得られること。つまり、高いレベルでの…
金型は量産の道具 理解するマスターが必要人材発掘が経営者の仕事 「金型は量産のための道具である」と長年言い続けています。金型というものの本質がそこにあると思うからです。お客様は金型が欲しいわけじゃない。金型を使って効率…
潜在する魅力引き出す 製造×サービスで価値を創造 プラスチック金型メーカーの安田製作所は今春、社名を「IBUKI」に変更した。昨年9月、同社を傘下に収めた、製造業向けのコンサルティング会社O2(東京都港区)の松本晋一社…
大学を上手く活用し、技術開発につなげる場に 強み見つけ、競争力を強化 金型は集積技術です。機械加工や表面処理、材料、最近ではITなど、色々な技術が上手く組み合わさることによって、はじめて良い金型が出来上がる。大学では、…