金型は量産の道具 理解するマスターが必要人材発掘が経営者の仕事 「金型は量産のための道具である」と長年言い続けています。金型というものの本質がそこにあると思うからです。お客様は金型が欲しいわけじゃない。金型を使って効率…
【ひと】明輝 技術部・センシル クマールさん 高度な技術に挑むインド出身の金型設計者

インド・ムンバイ出身。2018年に来日し、プラスチック金型メーカーの明輝に入社した。担当は設計。自動車内外装品や機能部品など大小様々な金型を手掛けている。
金型技術者だった父親の影響で幼い頃から金型に興味を持っていた。地元の大学を卒業後、父親が務める金型企業に就職。組立や機械加工などを担当し、技術を磨いた。
「金型技術者としてもっと成長したい」。30歳の時に国を飛び出し、韓国の金型企業に転職。設計者として2年間経験を積んだ。さらなるステップアップの場所として選んだのが日本だった。「小物だけでなく大物でも精密な金型が作れる日本の技術力に魅力を感じた」。
明輝の英語版ホームページから直接問い合わせ、オンラインでの面接にこぎつけた。この高い意欲と設計者としての経験が認められ、3カ月の試用期間を経て、本採用となった。
「これほど向上心を持った人材は日本でも珍しい」と黒柳貴宏社長が評価するほど強い挑戦心を持つ。「この会社では常にチャンレジさせてもらえるので、それが何よりも嬉しいし、楽しい」。
今の目標は「スタックモールド金型」を設計すること。一つの金型内にキャビティとコアを二つ持つ構造で設計難度も高い。こうした日本の高度な技術を学び、あらゆる金型に対応できる技術者を目指す。
金型新聞 2021年10月10日
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