金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

16

新聞購読のお申込み

~ひと~
武林製作所 技術部 山中 慎也さん(39)

指先でミクロンとらえる磨きの達人

武林製作所 技術部 山中 慎也さん

 指先はミクロンの誤差をとらえる。神経を研ぎ澄まし、砥石に力を加え、鏡面に仕上げていく。その技能で「なにわの名工若葉賞」にも選ばれた。金型磨きの達人だ。

 整備士として勤めていた車の販売会社が廃業し、歯ブラシの金型メーカー武林製作所に。金型の知識は無かった。が、誰にでもできることのない技能を身につけたかった。

 それを具現化するものがあった。当時の工場長、山口勝彦さんが担当していた「磨き」だった。

 歯ブラシはグリップの表面の滑らかさが品質に影響する。小さなバリは口を傷つけかねない。そのため金型の成形面は鏡面、合わせ面の誤差は限りなくゼロに。それを手の感覚で磨いていく。

 「匠の技に魅せられ、ハマった」。機械担当なのに、帰宅後こっそり金属片を磨いた。磨きは金型の材質や砥石、指の力、角度など様々な要素が影響する。磨き担当になり研究の熱はさらに増した。

 「必要な素養は果て無き探究心と、あきらめない根性」。そんな姿勢で磨き続けて十数年。砥石をつかむ手の指紋は無くなった。

 ここ数年、金型と並行して取り組むのがカトラリーレストなど自社ブランドの磨き。より短い時間で綺麗に仕上げる。じっくり磨く金型とは正反対。けれど、「課題が難しいからやりがいがある。『答え』を見つけるために日々、挑んでいます」。

金型新聞 2020年4月10日

関連記事

【我ら金型応援隊】トクピ製作所 超高圧で自動化促進

産業用高圧ポンプや高圧クーラントユニットの製造、販売を手掛けるトクピ製作所は、超高圧クーラントユニットの製造に注力している。 「HIPRECO」は、最大30Mpaの水圧で刃先からクーラント液を噴射。切屑を細かく分断、排出…

下野精密 〜我ら金型応援隊〜

超硬加工なら任せて  「大事なのはQCDだ。品質が良く、価格は高すぎず、納期も短い。バランスが大事」と話すのは下野精密の下野武志社長。創業から超硬やセラミックスにこだわり、半導体や自動車関連の金型・部品を製作。精度は交差…

【ひと】誠武製造部・伊澤高雄さん(44)

天職の金型磨きでコンテストを優勝した  与えられた時間は3分。その限られた時間の中で、金属を磨き、表面の精密さを競う。鏡のように輝く仕上がりにするには卓越した技能とノウハウが要る。  昨年、インターモールド2019のジー…

【金型の底力】フジイ金型 我が社は、金型という商品のメーカー

メーカーとしてのプライド国内生産にこだわる ダイカスト用金型の専業メーカーであるフジイ金型。型締力800㌧までの金型に特化し、月平均25型以上の生産力を誇る。設計、製作、立ち上げ、修理と、試作から量産までトータルでサポー…

【金型の底力】エフアンドエム 5軸機導入をコンサル

企業間連携でフィールド広げる 自動車骨格部品などのアルミ押出金型を手掛けるエフアンドエムは今年1月、5軸加工機の導入コンサルティングサービスを始めた。長年運用してきた経験やノウハウを活かし、金型や部品メーカーのニーズにマ…

関連サイト