金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

01

新聞購読のお申込み

第2回大阪テクノマスターセミナー 椅子張り師の観る力

切削工具の外観検査も

第2回大阪テクノマスターセミナー(主催:Garage Minato)が9月15日、成光精密(大阪市港区)で開かれ70人以上が参加した。第1部では大阪テクノマスターでソファセラピストの十河正明氏が椅子張りに関する豊富な現場経験を活かし、「モノづくりに欠かせない観る力」について語った。

「椅子張り」とはクッション材と生地を使った張り加工のことで、十河氏は現場の状況や顧客の最終ニーズがどこにあるかなどを汲み取り、それを職人に伝え、製作から完成まで指揮するコンダクターの役目を持つ。こだわりは一発納品であり、現場を見ていない職人に顧客の現場や顔をイメージしてもらえるような伝え方が重要になる。そのためには「見えないものを観る力、感じることが大切」と説く。それはこれからの職人像にも活かされるとし、「これまでは椅子や机など手元の物を作るという理性のモノづくりだったが、今後はこうしたら顧客が喜ぶのではないかという感性も加えたモノづくりが必要になる」と話し、感じたことをカタチにする力が求められると語った。

また、第2部はGarage Minatoを運営する成光精密の高満洋徳社長が登壇し、AIを活用して切削工具の摩耗状態を外観検査する「汎用AI外観検査システム」の実証実験を始めると発表した。

切削工具など刃物の摩耗状態はベテラン職人が判別し、再研磨を行うが、職人の減少や人手不足など製造業は人の問題を抱えている。そこで同社はNTT西日本グループ(大阪市中央区)とリバネス(大阪市港区)の3者は地域産業の強靭化を目的に、シェアリング構想を掲げ、カメラで撮影した刃先の摩耗状態をAIが自動で判別する汎用システムを開発し、地域の町工場とシェアすることで製品品質の向上を目指す。「みんなの課題をAIで解決したい。検査は人頼みの部分があり、作る以上に大変。まずは刃物の状態を診断することから始めるため、試験用に様々な工具を持ち込んでもらいたい」と話す。AIで自動判別するには数多くのデータを集める必要がある。地域の製造業の協力を促し、地域で有効活用できる新たなITのシェアリング構想がスタートした。

金型新聞 2021年12月10日

関連記事

金型工業会・支部がオンラインで新年会

東部支部  DXなど次代に向け 日本金型工業会・東部支部(鈴木正義支部長)は1月21日、オンラインで新年会を開催した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、オンライン開催に切り替えた。 鈴木支部長はあいさつで「カーボンニ…

【年頭所感】岐阜県金型工業組合理事長・黒田 隆

「もの言う金型」業界  誰もが予想できない、「コロナ」というウィルスにより人間の活動が封じ込められ世界中が停滞、決め手が見つからない、抗いようもない波に流され、世の中は大きく変わらざるを得ない事態となっております。  私…

岐阜県金型工業組合が通常総会 金型コンテストを計画

セミナーやCN対策も 岐阜県金型工業組合(加藤丈詞理事長・カトーメテック社長)は大垣フォーラムホテル(岐阜県大垣市)で第53回通常総会を開き、組合の活性化、組合員の増強、人材育成・促進を目指し、セミナー開催やカーボンニュ…

NPOアジア金型産業フォーラム 脱下請けの現状と展望 1月27日オンラインで

NPOアジア金型産業フォーラムは1月27日、オンラインで脱下請けの現状と展望について講演会を開く。講師は日本金型工業会で学術顧問を務める横田江悦二郎氏で、「日本のものづくりは世界一=日本の金型は世界一」をテーマに講演する…

日本金型工業会・山中雅仁会長に聞く 「稼ぐ力」高める4つの軸とは?

取引適正化の活動継続 今年の通常総会で、日本金型工業会が山中体制になって2年目を迎える。就任以来「稼ぐ力」の強化を訴えてきた山中会長はこのほど、稼ぐ力を鍛えるために4つの軸を設定した。「価格決定力」、「市場拡大の施策の推…

トピックス

関連サイト