金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

30

新聞購読のお申込み

自動化で変わる人材 マルチ技術者を育成【自動化で変わる金型メーカー】

生産性の向上、人手不足への対応、人を介さないことによる品質向上—。目的や狙いは様々だが、金型メーカーにとって自動化は待ったなしだ。しかし、自動化には様々な変化が伴う。機械設備の内容もこれまでとは異なるし、自動化を進めるためのスキルや人材育成の内容も違ってくる。費用対効果をうまく見極めれば、キャッシュフローも大きく改善する。自動化を進めるには、様々な変化への対応力が求められる。本特集では自動化で変化する現場や各社の取り組みを取材した。

オオイテック 誰でも使えるデータ作る仕組み

加工の自動化を進めるプレス金型メーカーのオオイテック(群馬県太田市)。昨年には、横形マシニングセンタと多関節ロボットを組み合わせた全自動加工システムを導入し、外注していた鋼材加工を内製化。また、5軸門形MCを増設し、これまで人が送りを常時制御しながら行っていた加工の無人化も可能にし、有人加工と無人加工を使い分けて加工効率を向上させている。

こうした取り組みを進める同社が現在注力しているのが人材育成だ。「自動化が進むことで必要な人材も変わる。一つの作業に対して人が介入する時間が減る分、これまでよりもマルチなスキルが求められる」(機械技術部の深掘元広部長)。そのため同社では作業者の多能工化を進めている。

NC技術課の庭野健二氏はその一人。もともと機械オペレータを20年以上担当してきたが、2年ほど前からNCデータの作成を担当するようになった。庭野氏は「不慣れなパソコン操作などに戸惑いはあったが、どういう加工手順で進めるかなど機械オペレータの経験を生かすことができている」と話す。

現在は、NCデータを作成する傍ら、工具ごとに条件や加工方法などを織り込んだデータベースの構築にも取り組む。「加工の自動化には精度の高いNCデータが不可欠。誰でも使えるデータを誰でも作れる仕組みを目指している」(庭野氏)。

今後、同社ではこうした人材を増やしていく考え。「NCと機械など部門間の壁を無くすだけでなく、同じ部門でも複数のソフトや機械が扱えるように育てていきたい。一人ひとりの動きを濃くし、より効率良く金型づくり、人材育成ができる現場を目指す」(深掘氏)。

金型新聞 2022年9月10日

関連記事

次世代の匠の技を考える 記者の目

PART1:金型メーカーアンケート「次世代に必要な匠の技は?」PART2:「自動化の匠」 アイジーエヴァースPART3:「5軸加工の匠」 エフアンドエムPART4:「金属3Dプリンタの匠」 三光合成PART5:「現代の名…

特集 : 金型づくりを変える6大テーマ

 次世代自動車による自動産業の変革や、少子高齢化による人手不足など金型産業を取り巻く環境は大きく変化し、新型コロナウイルスの感染拡大によって、そのスピードはさらに加速している。一方で、金型づくりを支える製造技術も進化を遂…

【特集】5つの視点から探る プラ型のあした<br>日本のお家芸復活のカギは

【特集】5つの視点から探る プラ型のあした
日本のお家芸復活のカギは

 今なおリーマン・ショック前の7割の生産額―。プラスチック金型は、リーマン前の水準に戻った鍛造型や8割のプレス金型などと比べると回復していない。技術力、そして生産力でも圧倒的に世界をリードした「日本のお家芸」の復活のカギ…

小出製作所 機上計測を独自開発【特集:大型化する金型への対応技術】

ギガキャストへの対応を進めているダイカスト金型メーカーの小出製作所。ギガだけに限らず、近年は左右対称の部品を一つの金型で成形する「セット取り」なども大型化を加速させているという。しかも「大型化しても精度は高く、生産性も高…

東亜成型 キャンプ用品を販売

培った技術活かす 自動車の電動化、医療関連や半導体関連需要の拡大などで、国内のものづくり産業に求められるものも大きく変化している。自動車の電動化ではモータやバッテリーなどの電動化部品や材料置換による軽量化部品などが増えて…

トピックス

関連サイト