金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

09

新聞購読のお申込み

自動化で変わる人材 マルチ技術者を育成【自動化で変わる金型メーカー】

生産性の向上、人手不足への対応、人を介さないことによる品質向上—。目的や狙いは様々だが、金型メーカーにとって自動化は待ったなしだ。しかし、自動化には様々な変化が伴う。機械設備の内容もこれまでとは異なるし、自動化を進めるためのスキルや人材育成の内容も違ってくる。費用対効果をうまく見極めれば、キャッシュフローも大きく改善する。自動化を進めるには、様々な変化への対応力が求められる。本特集では自動化で変化する現場や各社の取り組みを取材した。

オオイテック 誰でも使えるデータ作る仕組み

加工の自動化を進めるプレス金型メーカーのオオイテック(群馬県太田市)。昨年には、横形マシニングセンタと多関節ロボットを組み合わせた全自動加工システムを導入し、外注していた鋼材加工を内製化。また、5軸門形MCを増設し、これまで人が送りを常時制御しながら行っていた加工の無人化も可能にし、有人加工と無人加工を使い分けて加工効率を向上させている。

こうした取り組みを進める同社が現在注力しているのが人材育成だ。「自動化が進むことで必要な人材も変わる。一つの作業に対して人が介入する時間が減る分、これまでよりもマルチなスキルが求められる」(機械技術部の深掘元広部長)。そのため同社では作業者の多能工化を進めている。

NC技術課の庭野健二氏はその一人。もともと機械オペレータを20年以上担当してきたが、2年ほど前からNCデータの作成を担当するようになった。庭野氏は「不慣れなパソコン操作などに戸惑いはあったが、どういう加工手順で進めるかなど機械オペレータの経験を生かすことができている」と話す。

現在は、NCデータを作成する傍ら、工具ごとに条件や加工方法などを織り込んだデータベースの構築にも取り組む。「加工の自動化には精度の高いNCデータが不可欠。誰でも使えるデータを誰でも作れる仕組みを目指している」(庭野氏)。

今後、同社ではこうした人材を増やしていく考え。「NCと機械など部門間の壁を無くすだけでなく、同じ部門でも複数のソフトや機械が扱えるように育てていきたい。一人ひとりの動きを濃くし、より効率良く金型づくり、人材育成ができる現場を目指す」(深掘氏)。

金型新聞 2022年9月10日

関連記事

日本精機 AM造形部品の品質を保証【特集:尖った技術を使いこなせ】

Ⅹ線CT解析ソフトを活用 採用が増えている金属AMによる金型の入れ子部品。ただ、明確な品質保証データがないことが採用への大きな壁となることは多い。造形後のワークからだけでは内部の巣の有無や、密度などの数値データを把握する…

【特集:新春金型座談会2026】日本の金型メーカーが勝ち残るカギは何か(Part1)

自動車の新車開発の延期で需要回復の先行きが見通せない。人手不足が深刻化し技能伝承がままならない。こんな不安な時代に金型メーカーが勝ち残るカギは何か。「設計力と企画力」、「マーケティングとプロダクトをフィットさせる」、「市…

【Breakthrough!】平面研削加工

平面研削加工はこれまで、加工条件の設定や砥石の管理に高い技能が必要なため熟練技能者の存在が不可欠だった。しかし近年、自動化技術をはじめとする様々な機能を搭載する平面研削盤の登場で、誰でも簡単に加工できるようになりつつある…

電動系、車体系部品へ事業拡大【特集:自動車の電動化とダイカスト】

自動車の電動化が金型に及ぼす影響は大きい。エンジンなどの減少が懸念される一方、軽量化ニーズでアルミの採用が期待されるなどダイカスト金型は変化を迫られている。では電動化でダイカストはどう変わっていくのか。昨秋のダイカスト展…

【特集】 現場改善のススメ

目次 PART1:トヨタに学ぶ改善術PART2:改善と女性 〜サイベックコーポレーション 平林  巧造社長に聞く〜PART3:改善が生んだ新ビジネスPART4:からくりで現場改善 〜からくり改善くふう展 オンラ…

トピックス

関連サイト