金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

04

新聞購読のお申込み

エクセディ 3Dで金型設計

トルコンの金型、月産60面強
 

 金型の開発から製造までの工程を3D技術で繋ぎ、開発期間を2分の1に短縮し、コストを30分の1に低減した自動車部品メーカーがある。自動車のオートマチックトランスミッション(以下AT)のトルクコンバータ(同トルコン)とマニュアルトランスミッション(同MT)のマニュアルクラッチなどを生産するエクセディ(本社:大阪府寝屋川市)は、昨年末、3D CAD(設計)―3Dプリンタ(造形)―3D測定の一気通貫で工法の短縮に成功した。日本でものづくりをする企業やマザー工場を目指す企業にとってエクセディの強さは、注目される。

 同社は、日本の四輪車メーカー12社の全てと主要ユニットメーカー、海外の四輪車メーカーにトルコンとクラッチを納入している。13年度のトルクコンバータ生産量は854万台。過去最大を記録した。世界シェアは、トルコン生産が24%(同社調べ)、クラッチ生産が11%(同)を占め、トルコンは世界№1の生産量を誇る。
連結中期経営計画の中期目標「チャレンジ活動」によると、13年度の連結売上高は2342億円、営業利益は194億円で、2015年度の連結売上高は2500億円を計画している。その骨格は、①勝てる開発、②売上拡大、③収益拡大、④組織構造改革、⑤勝てる生産技術 から成っている。
 同社は、技術の中核に金型を置いている。現在、国内外23カ国、41社(国内12社、海外29社)でトルコンとクラッチを生産販売しているが、多くの顧客から「日本と同等の品質」(小島義弘取締役執行役員生産技術本部長)が求められており、同社にとって金型の開発・生産は重要な技術になっている。

金型は技術の生命線
 12年1月1日、同社は基幹システムを一新した。「20年以上使い込んできたシステムが陳腐化し、高速でグローバルに対応できるシステムに切り換えた」(鹿崎良裕管理本部副本部長兼情報システム部長)。
 IT技術を活用し開発から製造までの工程を3Dで繋ぎ、設計のスピードアップを図った。
目的は「勝てる生産技術」。
 例えば、3D‐CADを導入するまでは構想設計‐詳細設計‐金型設計と個別に開発をしていたが、3D設計で1本に束ねた。「これで試作修正FBが不要になり、開発期間を約半分に短縮することができた」(浦川佳寿彦生産技術本部生産設計部標準化チーム長)。小島本部長は、「3Dプリンタで形を造り、それを見て生産検討を同時に行うことを日常茶飯事にしている」(同)と言う。
 金型1面あたりの設計が大幅に短縮する。従来は、30時間ほど掛かっていた金型設計作業は、一気に「1、2時間で完成」(浦川チーム長)する早業をやって退けた。

図面より〝これ〟
 さらに同社は、3Dプリンタをいち早く導入し、トルコンの造形を始めた。これまでお客様との仕様打ち合わせは、平面図やCADデータで行っていたが、3Dプリンタを導入し、実物に近い3次元形状にすることができた。「トルコンの実寸造形にすることで、その場でデジタルに確認することができ、お客様に喜ばれている」(浦川チーム長)。
 また、小島取締役執行役員は、「我々、スタッフだけでなく、現場の人たちも図面でどうこう言うより“これ”と、見せた方が早く、簡単。不具合が出そうなところを事前に潰しておくこともできるようになった」メリットを上げる。開発から3D設計、3D測定、3Dプリンタと繋ぐことで、一気に設計を短縮することができた。
 これにより月約60面、多い時は70面にのぼる金型生産は、金型の手直し、出戻りなどと言ったマイナス面は皆無になる。「近年、トルコンは、部品点数が増え、複雑形状のものが多くなった。一方で、ダウンサイジングが進み小さくなる、軽量になる、材料が変わっている。われわれは、これらお客様の要望にスピーディに応え、しかも高精度に仕上げるところで差別化を図っている」。小島取締役執行役員はさらにその先を目指している。

【会社概要】
本社:大阪府寝屋川市木田元宮1-1-1▽設立:1950年7月、▽社長:清水春生氏▽資本金:82億8,400万円▽従業員数:1万7,404人(14年3月、連結)▽主要事業セグメント:MT(クラッチディスク、クラッチカバー、2マスフライホイール)、AT(トルクコンバータ、オートマチックトランスミッション用部品)、その他(パワーシフトトランスミッション、リターダ、2輪車用クラッチ)。

金型新聞 平成26年(2014年)12月10日号

関連記事

型技術ワークショップinひろしま 金型関連の最新技術を講演

型技術協会(白瀬敬一会長・神戸大学教授)は11月18~19日、「型技術ワークショップinひろしま」を開催した。18日は広島国際会議場(広島市中央区)で技術講演会を、19日は金型などの工場見学会を開いた。 山田啓司実行委員…

鋳造に独自の新工法
マツダ

特集 次世代車で変わる駆動部品の金型鋳造に独自の新工法  次世代自動車の技術は電動化に限らない。注目されるのがエンジンの進化だ。燃費性能を追求する新型エンジン「スカイアクティブ」。多くの自動車メーカーが電動化に力を入れる…

LeapMind 外観検査に特化したAIの提供開始

専門知識なくても導入可能 人工知能(AI)開発のLeapMind(リープマインド、東京都渋谷区、03-6696-6267)はこのほど、外観検査で活用できる異常検知のディープラーニングモデルを開発し、提供を開始した。正常デ…

冨士ダイス 久保井副社長が社長に就任

冨士ダイス(東京都大田区、03-3759 -7181)はこのほど、4日1日付けで久保井恒之副社長が社長に就任する人事を発表した。西嶋守男社長は代表権のある会長に就任する。 久保井氏は、1958年生まれ、東京都出身。81年…

最大1tまで搬送
昭和飛行機工業

金型向けの 電動アシスト台車  昭和飛行機工業(東京都昭島市、042-541-2111)はこのほど、最大重量1tまでの金型搬送に適した電動アシスト台車「LUXST Safer(ラクスト セーファー)」を発売した。保守メン…

トピックス

関連サイト