金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

18

新聞購読のお申込み

TCTJapan2024総集編 最新のAM技術が一堂

金型関連技術も多数展示

2024年1月31日~2月2日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で3Dプリンティングや付加製造(AM)技術の専門展「TCTJapan2024」が開催された。装置や周辺機器メーカーなど108社・団体が出展。最新のAM技術が披露される中、金型づくりに活用できる技術も多数展示された。

日本ミシュランタイヤは、鋳造技術を用いたコンフォーマル冷却金型の製造方法「iTechMold(アイテックモールド)」を展示した。同工法は仏IPC(射出成形および複合材国立産業技術センター)で開発された独自技術。最適な冷却回路を設計し、中子を砂型積層造形で製造する。レーザーパウダーベッド方式(LPBF)では難しい中~大型金型に適しており、ホットスタンプ向け金型などに活用できる。

中〜大型コンフォーマル冷却金型のサンプル(日本ミシュランタイヤ)

ソディックは、大型金属3Dプリンタ「LPM450」で造形したギガキャスト向け金型の入れ子サンプルを展示した。同サンプルは金型鋼「SKD61」相当の独自粉末材「SVM」を用いて、金型メーカーの日本精機(名古屋市守山区)によって製作された。

また、山陽特殊製鋼もダイカスト金型に適した熱間工具鋼粉末「S‐MECシリーズ」を展示した。高い熱伝導性と造形性を特長とし、造形時の割れや歪みを抑えることができるため、大型ワークの造形にも対応する。

ギガキャスト向け金型の入れ子サンプル(ソディック)

造形技術や材料の他、周辺技術も多くみられた。スギノマシンは独自の表面処理技術「CASF」を活用し、冷却回路の内部表面を処理する技術を紹介。ショットピーニングなどの他工法に比べ、均一に綺麗な面に仕上げることができる。マテリアライズはAIを活用し、レイヤー画像から欠陥箇所を自動検出するソフトウエア「マテリアライズレイヤーアナリシス」を展示。早期に不良を検知できるため、損失を最小限に抑えることが可能になる。

「TCTJapan」は前身の展示会を含めて今年で10回目。今回は併催展と合わせて昨年比1・5倍の4万2032人(速報値)が来場した。次回は来年1月29~31日に東京ビッグサイトで開催されることが発表されている。

金型新聞 2024年3月10日

関連記事

型技術協会 ウェブ講習会参加者募集

型技術協会 ウェブ講習会参加者募集

 型技術協会は、「第1回型技術WEB基礎講習会」の参加者募集を開始した。開催日時は12月18日の13時〜17時。申し込みの締め切りは11月20日で、募集件数30件に達し次第終了する。  同講習会は「もう一度基礎から学ぶ …

【INTERMOLD・金型展・金属プレス加工技術展 総集編】
小出会長オンラインレポート

出展各社の見所、小出会長(日本金型工業会)がレポート  新型コロナの感染が拡大し金型関連企業も県外への外出を自主規制する動きが広がる中、インターモールド2021では初の試みとして開催初日の4月14日、展示会場の様子を撮影…

【INTERMOLD・金型展・金属プレス加工技術展 総集編】 アフターインターモールド

オンラインでセミナー 「仕上げ加工や」や「微細精密加工」  コロナ禍によって面談が難しくなり、打ち合わせが進まないなどマイナスが大きかった一方で、オンラインの活用が大きく進化した。インターモールドでも、リアル展を補完する…

インターモールド2022 4月20からインテックス大阪で開幕

金型加工の最新技術が競演 4年ぶりの大阪開催 金型加工技術の専門展示会「インターモールド2022」(主催:日本金型工業会、運営:インターモールド振興会)が4月20~23日の4日間、インテックス大阪(大阪市住之江区)で開催…

インターモールド2024総集編 -金属加工プレス技術展-

高度なプレス加工技術を披露する金属プレス加工技術展。有力プレス加工メーカー45社が出展し、「微細・精密」や「複雑形状」、「効率化」など独自技術を披露した。 独自の微細技術で差別化 微細で小さなプレス部品を得意とするキョー…

トピックス

関連サイト