金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

15

新聞購読のお申込み

がんばれ!日本の金型産業特集
近藤精機製作所 近藤 雅之 専務

膜厚精度の高いゴム金型
機上測定で精度追究

ゴム金型専業メーカーの近藤精機製作所が手掛けるのは450㎜角までのサイズの精密金型だ。これまで多くの種類の金型を作ってきたが、近年注力するのがスイッチやダイヤフラム用など、いわゆる「精度に細かい金型」(近藤専務)だ。

特にスイッチの金型は押したり、潰したりする際の『クリック感』が求められるので、「膜厚の精度が要求される」と言う。ただ、薄ければよいのではなく、顧客それぞれの厚みが必要になる。

同社の強みはこの膜厚の精度を顧客の要求通りに安定させることにある。それを支えている技術の一つが測定の自動化だ。マシニングセンタ(MC)上での機上測定には20年前から取り組んでいる。現在では、最新のMCの7台全て機上測定機能を持つ。

長年取り組む機上測定の効果について、近藤専務は「仕上げ工程だけでなく、加工段階で測定することで、現場も膜厚を意識するし、加工途中の段階で追い込める」と話す。

もう一つの強みは、工具研磨の内製化だ。一般的にゴム金型は多数個取りが多く、市販の工具だけでなく、総形バイトを使うことが多い。同社では、総形に限らずエンドミルでも自社で研磨する。

「外注を使うこともあるが、その分リードタイムが長くなる。社内だとそれを考える必要がなく、早く加工できる」のが強みだ。機上測定という自動化と工具研磨できる職人技術による高精度な金型づくりが顧客の信頼につながっている。

牧野V56_R
現場が学び舎、実践で育てる

多くの金型メーカーでは、人材育成の重要性は分かっていても、マンパワー不足などもあって、特別な教育プランを持っているところは少なく、仕事を通じで教育するOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)が大半だ。

近藤専務も「職人の育成は不可欠だと思うが、ほとんどが現場で教えている程度。特別な教育システムがあるわけではない」と言う。それでも研磨できる人材が育っているのが同社の強みだ。

しかも「分からないことがあればベテランの技術者に若手が自然に聞きに行っている」と話すように、同社には自然に学ぶ雰囲気のようなものがある。

その理由について、近藤専務は「自ら工具を研ぐことができなければ仕事にならないからだ」と分析する。確かに、MC・NC旋盤のオペレーター全員が「工具研磨できる技術を持っている」そうだ。

そうした環境にあって、工具研磨できなければ仕事が先に進まないし、学ばざるを得ないだろう。仕事そのものが、人を育てる環境になっているのだ。今後は「旋盤とMC担当者を入れ替えるなど、多能工化を進めていきたい」と次の展開を考えている。

その先に目指すのは今まで以上に精度の高い金型づくりだ。「ゴム金型の世界も簡単なものは競争が厳しい。この流れは変わらない。精度を追求していく」とし、測定への設備投資も検討中だ。

測定技術強みである測定の自動化と職人技術に磨きをかけて、次のステージを目指す。


会社メモ
近藤専務_R

代表者=代表取締役社長・近藤豊氏
資本金=2000万円
創業=1948年
従業員数=33人
本社=埼玉県草加市柳島町656
電話048・927・4891 Fax048・927・4890
HP= http://homepage3.nifty.com/kondo-seiki/
▽設備機械=マシニングセンタ「V56i」自動測定装置付き」(牧野フライス製作所)など15台。NC旋盤「LB300」(オークマ)など4台。NC放電加工機「EDNC64」(牧野フライス製作所)など4台。画像測定機「NEXIV」(二コンインステック)。CAD/CAM「VISI」(Vero)など15台。
▽主な製品=精密ゴム金型(スイッチ関連、ダイヤフラム用金型など)


金型新聞 平成27年(2015年)6月4日号

関連記事

沖電線が高速の放電ワイヤ

沖電線が高速の放電ワイヤ

高精度に形状加工  沖電線(川崎市中原区、044・766・3171)はこのほど、ワイヤ放電加工機で使う熱拡散電極線「OS-UZワイヤ」を国内向けに発売した。製造工程の簡略化で低価格を実現。高速加工ができ、生産性の向上が図…

ワンパスでミリ単位の加工が可能な研削技術【金型テクノラボ】

精密金型の製造では、エンドミルでの切削やワイヤー放電加工の後に成型研削を行うのが一般的。しかし、研削量が少なく加工に時間がかかるのが課題だった。本稿では、ワンパスでミリ単位の材料除去を可能とする「クリープフィード研削技術…

岡本工作機械製作所が汎用研削盤「PSGSA1シリーズ」を発売<br>パネルなど操作性向上

岡本工作機械製作所が汎用研削盤「PSGSA1シリーズ」を発売
パネルなど操作性向上

 岡本工作機械製作所はこのほど、汎用研削盤の新型「PSGSA1シリーズ」を発売した。操作盤にタッチパネルを採用するなど操作性を向上させたほか、機械の稼働情報などを管理できる機能を追加し、IoT(モノのインターネット)対応…

2024年9月金型生産実績 前年同月比 19.6%増の293億円

プレス用金型は32.8%増、プラ用金型は21.8%増 2024年9月の金型生産は、前年同月比19.6%増の293億9,723万円となった。前月比でも28.2%の大幅増だった。数量は前年同月比0.8%の微増、前月比では12…

フロンティア・マネジメントの村田氏が<br>高収益企業の共通点を語る<br>日本金型工業会西部支部 講演会

フロンティア・マネジメントの村田氏が
高収益企業の共通点を語る
日本金型工業会西部支部 講演会

差別化で勝ち抜く ▲フロンティア・マネジメントマネージング・ディレクター 村田  朋博 氏 商売の鉄則考え直す  日本の金型業界は厳しい状態が続いている。取引先企業の海外展開、個人消費の落ち込みなどで型数・型単価ともに減…

トピックス

関連サイト