金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

22

新聞購読のお申込み

ノウハウと新型設備<石原産業>

金型部品 精密治工具

品質さらなる高み

石原産業(長野県上田市、0268・42・5011)は、金型部品や治工具などを手掛ける加工メーカーだ。独自のノウハウを活かして、品質の高さで勝負する。積極的に新型の加工機を導入したり、展示会で自社の技術をアピールするなど、将来を見据えた展開にも力を入れている。
 同社が手掛けるのは、ピンやパンチなど、プラスチックやプレスなどの金型部品。ワイヤ放電やマシニングセンタ(MC)、研削盤を駆使し、ハイスや超硬をはじめセラミックなど難削材も精密に加工する。加工技術を活かし高品質の治工具や様々な精密部品も製作する。

精密を軸に新たな扉

 これらの精密な加工技術の基盤は長年に培ったノウハウと実績だ。1968年に自動車ブレーキシリンダーの加工で創業したが、8年後にはワイヤ放電を導入し、金型加工部を新設。その後、グラファイト電極やセラミックの加工、MCによる高速加工、超精密微細加工など次々と新たな加工技術に挑戦。2006年には国から金型分野の特定研究開発の認定を受け、09年には切削加工分野で支援事業にも選ばれた。
 また、これらの技術を支える設備投資にも意欲的だ。数年前に細線ワイヤ加工機「UPH-1」(牧野フライス製作所)を導入。最近では昨年、油仕様のワイヤ放電「UPV-5」(同)を、今年3月には新型のワイヤ放電「U6H・E・A・T」(同)を導入した。加工技術だけでなく品質保証にも注力しており、超精密3次元測定機「LEGEX574」(ミツトヨ)を設備している。
 石原信之社長は「技術を磨き常に時代のニーズに応えてきた。これからも新規設備や精密な加工へのチャレンジで品質を高めていきたい」と話す。
 今月29日~30日に大田区産業プラザPIOで開かれる展示会「微細・精密加工技術展2014」では、自社の技術を出品する予定。石原社長は「精密な加工では、金型に限らず色んな分野へと間口を広げていきたい。事業展開の分野拡大でも挑戦していきたい」。

3次元測定機_R
U6H.E.A.T_R

金型新聞 平成26年(2014年)5月14日号

関連記事

岐阜県金型工業組合 「BCP」を学ぶ
シミュレーション体験

 岐阜県金型工業組合(黒田隆理事長・黒田製作所会長)は3月7・8日、OKBふれあい会館(岐阜県岐阜市)で、「製造企業の生産性向上」をテーマにセミナーを行い、22人が参加した。2日目のテーマは「BCP(事業継続計画)」で東…

ナゴヤダイス カン・コツをマニュアル化 【特集:技能伝承最前線】

ギアやシャフトなど自動車部品の冷間鍛造金型や精密プレス金型を手掛けるナゴヤダイス(名古屋市緑区)は金型製作における技術やノウハウのマニュアル化(言語化・数値化)を図り、若手の技能伝承や人材育成に活用している。20~30代…

精密、高精度、短納期、ニーズに応える金型材・金型部品

自動車の電動化やSDGs、カーボンニュートラルなどモノづくりを取り巻く環境が大きく変化しようとしている昨今、金型作りにおいても、さらに長寿命化や短納期、高精度といった高難易度な金型が求められている。そのためには新たな材料…

【特集】2030年の自動車と、金型と

PART1:電動化というチャンス、新たな需要が生まれるPART2:この10年を振り返るPART3:新潮流に挑むチャレンジャーたちPART4:記者の目 PART1 電動化というチャンス、新たな需要が生まれる  電子部品、モ…

NTTデータエンジニアリングシステムズ 「Spase-E」新版を販売開始

UI変更で操作性向上 NTTデータエンジニアリングシステムズ(東京都大田区、03-5711-5341)は10月12日、金型向けCAMシステム「Space‐E /CAM2022」の販売を開始する。CAMエンジンを刷新し、ユ…

トピックス

AD

FARO 樹脂成型品や自動車シートの測定での3次元測定アームの活用と新製品Qua...

樹脂成型品の工程管理・不具合解析 樹脂成型品の工程管理や不具合解析の現場では、実際の製品や試作品と設計図との差異把握や、製品や金型の工程ごとの変化量把握、不具合解析や要因分... 続きを読む

関連サイト