研究開発が新たな道 リーマン・ショック以降需要が回復しているものの、これがいつまで続くのか。自動車の電気化やインターネットの技術革新が産業構造にどんな影響を及ぼすのか。それが、日本の金型メーカーの多くの経営者が抱く未来…
がんばれ!日本の金型産業特集
明和製作所 伊藤 一光 課長
変わり続けることこそ成長極薄の冷却穴用部品を開発
「もっと楽しい会社、成長を続ける会社にしていきたい」と語るのは技術課の伊藤一光課長。変わり続けることこそ、成長と捉える同社の考えだ。2250t~3500tクラスの大型アルミダイカスト金型を得意とし、主に自動車のエンジン系や駆動系部品。海外拠点はタイ、インドネシア、中国とグローバルで金型を受注することが強みだ。加工技術を高めるため、国内を含む全拠点でテスト加工を行い、技術を高め合う仕組みもある。「お客様が驚くようなことをしたい。通常1日かかる加工なら、半日で出来るようにする。リードタイム短縮がお客様の要望」と新加工方法を模索する。
加えて、お客様の困り事を未然に防ぐことは金型メーカーの使命といえる。同社が生み出したのは自社製品「金型用冷却ハーフキャップ」と呼ぶ冷却穴の保護カバー部品。成形時の冷却穴の腐食割れや型表面のヒートクラックによる水漏れを防ぐ。市販の製品は冷却穴全体をカバーするためコスト高だが、同製品は非常に薄く小さい。製造はプレス屋に委託し、0.15㎜の板を絞って作られ、冷却穴先端に組込むので、キャビティ部冷却穴の薄肉化にもつながる。使用する際は高精度な穴加工が必要なので、「ものづくり補助金を受け、加工技術を開発し、粗さ25z以下を実現した」。今秋のダイカスト展で製品を披露する。伊藤課長は「今お客様に検証して頂いている。まだ、販売に至っていないが、できるまでやり続けることが技術革新につながる」。
会社方針を自分で考えクリア目指す
新年度が始まる4月に向け、改善活動計画を発表。今年の会社方針は「コスト半減・短納期」で、技術向上と人材の能力向上に努める。『お客様に喜んでもらえる会社』作りが基本だ。そのために、設計、営業も含め各部署・各工程に細分化した個人の目標カードを策定し、自分で考えてコスト半減を目指す。毎週の全体朝礼で進捗を発表しながら、個々のモチベーションを上げる。「自動車メーカーの3割コスト削減を実現するには、当社は5割削減しなければならない」。
これをクリアするには会社全体でクリアしていくしかない。企業の中で競争する意識も必要だ。仲間であり、競争相手でもある。伊藤課長は「みんな入社時に頑張りますと言って入ってくる。楽しくないといけないが、頑張って楽しい職場環境が大事」と話す。整理整頓の行き届いた工場を歩いていると、自社で作ったアイデア製品を見かける。金型検査時の移動式型置台や作業しやすいように金型を起こして支える道具など、自ら考え、既存の製品を活用し作ってしまう。「これは私が作りました」と伊藤課長は笑う。ほかに、水の温度を70度に上げる装置など独自の道具が活躍する工場だ。「金型屋には自分で作るという文化が大事」。改善の最終目標は設計方法の統一という。「統一化を図れば、加工ミスなど不具合も減らせる」。
今年3月には本社横に新工場が立ち上がる。精度を安定させるための恒温工場で、新設備の導入も決まるなど、次のステージが来る。
会社メモ
代表者=大矢知 清隆社長
設立=1979年
事業内容=アルミダイキャスト金型の設計・製作
住所=三重県三重郡菰野町小島2461-32
電話=059・396・1828
FAX=059・396・2274
URL=http://www.meiwa-jpn.co.jp
従業員数=70人
信念=もの作りに不可能はない
拠点=メイワ タイランド、PT メイワ モールド インドネシア、明和精密模具(常熟)有限会社
主要設備=5軸加工機2台(DMG森精機)、高速門型MC(アウェア、フルランド、東芝機械)、高速横形MC(牧野フライス製作所)、高速立形MC(OKK、ファナックなど)、横形MC(安田工業、OKK)、ワイヤー放電加工機(ソディック)、精密平面研削盤(岡本工作機械製作所)、三次元測定機(東京精密、ファロージャパン)、CAD/CAM(NTTデータエンジニアリング、C&Gシステムズ、オイグリッドジャパン、セスクワ)など。
金型新聞 平成28年(2016年)3月10日号
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