機械や工具の最新情報など金型業界の今をお届けする「金型しんぶんONLINE」

search menu

JUNE

12

新聞購読のお申込み

がんばれ!日本の金型産業特集
東洋金型工業 河野 允煕 社長

品質重視の姿勢貫く
技術 多数個取りに独自のノウハウ

工場内①
「(多数個取りで)一定品質にするには公差管理をしてはいけない」と河野社長は持論を展開する。
食品や医療、化粧品などのキャップ金型を得意とする東洋金型工業は、1面に8個の少数から32個の多数個取りまで幅広い。特に多数個取りの金型は品質にばらつきがなく、他では真似ができないとユーザーから信頼が置かれ、最大84個取りまで手掛けた実績を持つ。
多数個取りキャップ金型で高品質な製品を生み出すにはノウハウが必要だ。河野社長が言う「公差管理しない」とは、「各部品を公差内で可能な限り同じに合わせる」ことで、例えばキャビ、コア部品などをばらついた精度で作ると、温度差や樹脂の流れによるバリなどの原因になる。それを同じ公差に合わせれば品質はばらつかない。河野社長は「当社は5ミクロン以内で合わせており、揃えられるものはできる限り揃える」と機械加工による精度にこだわり、熱膨張など温度変化への対応はワンチャッキングで荒取りから仕上げまで加工せず、荒取り後に一度ワークを外して僅かな熱を冷まし、別工程で仕上げを行うなど一定精度への工夫を行っている。
キャップ金型の売上高比率は食品が36%、医療15%、32個取り金型は全体の2割を占める。リーマン前は東南アジアなどの輸出も多かったが、円高による影響下で減少。しかし、昨年から円安基調に振れ、輸出も回復傾向だ。「今年はさらに米国なども含め、輸出増加へ取り組んでいく」。

人 情報共有化で能力向上

工場内②
「当社は情報共有化、ペーパーレス化を実現した社内ネットワークを構築した」と河野社長は話し、その成果について語る。
「設計部署と工場で図面デ-タを共有するのは当然として、顧客からの紙デ-タも電子化して、工場内のどのパソコンでも依頼書などの情報を見ることができる体制を作った」。デジタル化されたデ-タは閲覧や追記も容易なことが特長。社員がどのパソコンでも図面データや部品の納入時期、金型の依頼内容、修正履歴などが見られる環境により、設計と現場の行き来もなくなり、作業効率向上を実現。
情報共有化は以外なところまで効果は広がる。「実は社員教育にも非常に良いと気づいた」。情報共有化は他人のミスも分かるため、自分のミスに置き換えて考え、「同じ失敗や判断ミスを繰り返さないよう工夫したり、注意したりと社員の能力向上に役立っている」。その効果を最大限生かそうと、書面データに作業担当者、作業日時を記すデジタル印を全社員が押し、情報共有化を徹底する。
東洋金型工業には、一つ譲れない社内方針がある。「コストがかかっても品質重視」。日本は特にコスト重視に動くが、「ベンツはコストをかけて最高級品を生み出す」と、コストで技術を落とすより、コストをかけた金型作りで顧客満足を目指す姿勢を貫く。

河野社長_R

会社メモ

代表者=代表取締役・河野 允煕氏
設立=1971年6月
資本金=1000万円
住所=大阪府摂津市鳥飼本町1-2-8
電話=072・654・1453
FAX=072・654・1468
E-mail=president@toyomold.co.jp
事業内容=各種プラスチック製品、成形金型の設計製作及び販売
従業員数=20人
主な設備=マシニングセンタ(オークマ、牧野フライス製作所)、ワイヤ放電加工機(ソディック)、放電加工機(ソディック)、汎用フライス盤(牧野フライス製作所)、NC旋盤(ヤマザキマザック)、CAD/CAM(シーメンス、ジェービーエム、ゴードーソリューション、AUTODESK)など。
社内方針=1に品質、2にコスト。

金型新聞 平成26年(2014年)2月10日号

関連記事

がんばれ!日本の金型産業特集<br>井上製作所 井上 行雄 社長

がんばれ!日本の金型産業特集
井上製作所 井上 行雄 社長

金型・成形・組み立て、社内一貫 金型の技術生かし独自製品 金型メーカーが成形まで行うケースは増えているが、井上製作所は成形からプラスチック金型の製造に進出した会社だ。強みは、金型から射出成形、印刷、組立まで全て一貫生産で…

がんばれ!日本の金型産業特集<br>ハルツ 近藤 大輔 社長

がんばれ!日本の金型産業特集
ハルツ 近藤 大輔 社長

組織力で高品位な金型づくり 図面に技術共有できる独自の工夫 金型メーカーが成形や部品加工に手を広げるケースが多いなか、ハルツは創業から40年以上にわたり、プレスの売り型専門で金型設計製作に取り組んできた。3代目の近藤大輔…

冨士ダイス 西嶋守男社長に聞く<br>世界で認知されるブランドに

冨士ダイス 西嶋守男社長に聞く
世界で認知されるブランドに

生産効率向上し、需要増に対応  耐摩耗工具メーカーとして国内トップシェアを誇る冨士ダイス。超硬合金製のダイスやロール、製缶用金型、ガラスレンズ成形用金型など耐摩耗工具に特化した事業を展開し、来年には創業70年を迎える。「…

三菱日立ツール 増田 照彦 社長に聞く<br>新ブランド「MOLDINO」の狙いとは

三菱日立ツール 増田 照彦 社長に聞く
新ブランド「MOLDINO」の狙いとは

この人に聞く2017 『金型命』で社員一丸  今年5月、三菱日立ツールが新ブランド「MOLDINO(モルディノ)」を発表した。英語で金型を意味する「MOLD&DIE」と、革新を意味する「INNOVATION」か…

がんばれ!日本の金型産業特集 <br>イイダモールド 飯田 秀夫 社長

がんばれ!日本の金型産業特集
イイダモールド 飯田 秀夫 社長

型設計から型メーカーへ転身 海外でも日本流を徹底  イイダモールドは今年6月、ベトナムのホーチミンで金型工場を本格稼働させた。元々金型設計事務所として創業した同社だが、ベトナム工場稼働によって、「金型メーカー」へと転身を…

トピックス

関連サイト
一般社団法人日本工作機械工業会
日本機械工具工業会
一般社団法人日本工作機器工業会
日本精密測定機器工業会
日本光学測定機工業会
全国作業工具工業組合
日本精密機械工業会
日本工作機械輸入協会 jmtia
日本金型工業会 jmtia