日本の技術力は世界一魅力のある金型を創り連携し海外に売り込もう 国内の需要が縮小し、海外との競争はますます厳しくなり、自動車の電動化が産業構造をも変えかねない状況の中、日本の金型に未来はあるのだろうか。このような悲観論…
がんばれ!日本の金型産業特集
吉田金型 吉田 正生 社長

「3年連続でデンソー優秀仕入先表彰の品質賞を受賞し、日頃の企業努力が評価されて大変嬉しい」と吉田社長。金型加工技術の先を見据え、現場を鍛えてきた結果だ。同社はダイカスト金型を主にハイブリッド車のコンバータやケース、ガス器具や自転車部品などを手掛ける。主要取引先のデンソーとは良好な取引関係を築き、東日本大震災やタイの洪水で困った時、無茶な納期要求も「顧客が困っている時に応えてこそ協力企業」と必死でサポート。その企業姿勢が顧客の心をつかんだ。吉田社長は「商売は義理と人情」と話す。
技術力でも一歩先手を打つ。3年連続品質賞受賞したデンソー協力企業はなかなかなく、受賞要因を「現場で品質レベルを向上させる姿勢」と分析。ダイカスト金型は精度・品質が重要で、顧客が納得する精度保証を続けるには現場の意識レベルを上げなければならない。「顧客要求以上の加工技術・精度を常に目指し、顧客要求が上がった時に即答で応えられる企業であり続ける事が大事」とすることで、顧客に加工技術を提案できる。
吉田社長の目は他分野にも広がる。「金型だけでは波があり厳しい」と、鋳造品を切削加工(仕上げ)するために、今年6月のものづくり補助金を得て、5軸マシニングセンタと洗浄機を導入、切削加工の仕事も請け負える体制に。社訓は「常に挑戦心をもち、仕事に創意工夫し、信頼を勝ち取ろう」。金型製造のプロとして、顧客満足を得るために日々の研鑽を創業以来忘れていない。

「沖縄県は求人倍率、平均給与が低いと言われていますが、逆に若者人口が多い県でもあります」と話す吉田社長。愛知県の企業でありながら、なぜ沖縄県に触れたかというと、沖縄県で採用活動を行っているからだ。
人材採用、若手育成など金型メーカーにとって頭の痛い問題である。採用活動を行っても応募が集まらないという企業が後を絶たない。吉田社長は「愛知県は製造業の集積地で大手企業が多数あり、大学出の優秀な人材はまず大手企業への就職を望む。金型企業へ就職を望む人は少ない」と大都市であり、製造業の街での採用の難しさを語る。
そこで機転を利かし、沖縄県に着目。15~64歳までの生産年齢人口が全国で4位(総務省)と高い同県内に設計事務所を設立することを決め、「採用は2パターンあり、愛知県永住の現場組と沖縄へ帰り、設計事務所で働く設計・CAM組とを分け、適任者を選任する」。
また、企業間の連携も積極的に乗り出す。異業種メーカーに声をかけ、設計事務所を共同運営しようと検討している。「もう1社は設備関係企業なので、シーケンスに強く、モデリングは弱い。逆に当社はその逆なので、互いに弱みを補填できる」と共同運営のメリットを話す。沖縄での採用活動をきっかけに次なる手を模索する。

代表者=吉田 正生社長
創立=1945年3月
住所=愛知県大府市横根町坊主山1番地の589
事業内容=ダイカスト金型設計・開発・製造、各種金型設計・製造、精密部品製作、製品サンプル外販など。
従業員数=62人
電話=0562・48・3456
FAX=0562・46・1135
E-mail=yoshida@yb-m.com
ホームページ=http://www.yb-m.com/
主な設備=高速マシニングセンタ(安田工業、牧野フライス製作所、ソディック)、立形マシニングセンタ(牧野フライス製作所)、ワイヤー放電加工機(三菱電機)、3DCAD/CAM(NX、ソリッドワークス、ソリッドワークス、キャムツールなど)、3次元測定機(東京精密)樹脂造形3Dプリンター(ディメンジョン)など。
社是=夢の実現
金型新聞 平成27年(2015年)8月10日号
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