金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

16

新聞購読のお申込み

がんばれ!日本の金型産業特集
近藤精機製作所 近藤 雅之 専務

膜厚精度の高いゴム金型
機上測定で精度追究

ゴム金型専業メーカーの近藤精機製作所が手掛けるのは450㎜角までのサイズの精密金型だ。これまで多くの種類の金型を作ってきたが、近年注力するのがスイッチやダイヤフラム用など、いわゆる「精度に細かい金型」(近藤専務)だ。

特にスイッチの金型は押したり、潰したりする際の『クリック感』が求められるので、「膜厚の精度が要求される」と言う。ただ、薄ければよいのではなく、顧客それぞれの厚みが必要になる。

同社の強みはこの膜厚の精度を顧客の要求通りに安定させることにある。それを支えている技術の一つが測定の自動化だ。マシニングセンタ(MC)上での機上測定には20年前から取り組んでいる。現在では、最新のMCの7台全て機上測定機能を持つ。

長年取り組む機上測定の効果について、近藤専務は「仕上げ工程だけでなく、加工段階で測定することで、現場も膜厚を意識するし、加工途中の段階で追い込める」と話す。

もう一つの強みは、工具研磨の内製化だ。一般的にゴム金型は多数個取りが多く、市販の工具だけでなく、総形バイトを使うことが多い。同社では、総形に限らずエンドミルでも自社で研磨する。

「外注を使うこともあるが、その分リードタイムが長くなる。社内だとそれを考える必要がなく、早く加工できる」のが強みだ。機上測定という自動化と工具研磨できる職人技術による高精度な金型づくりが顧客の信頼につながっている。

牧野V56_R
現場が学び舎、実践で育てる

多くの金型メーカーでは、人材育成の重要性は分かっていても、マンパワー不足などもあって、特別な教育プランを持っているところは少なく、仕事を通じで教育するOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)が大半だ。

近藤専務も「職人の育成は不可欠だと思うが、ほとんどが現場で教えている程度。特別な教育システムがあるわけではない」と言う。それでも研磨できる人材が育っているのが同社の強みだ。

しかも「分からないことがあればベテランの技術者に若手が自然に聞きに行っている」と話すように、同社には自然に学ぶ雰囲気のようなものがある。

その理由について、近藤専務は「自ら工具を研ぐことができなければ仕事にならないからだ」と分析する。確かに、MC・NC旋盤のオペレーター全員が「工具研磨できる技術を持っている」そうだ。

そうした環境にあって、工具研磨できなければ仕事が先に進まないし、学ばざるを得ないだろう。仕事そのものが、人を育てる環境になっているのだ。今後は「旋盤とMC担当者を入れ替えるなど、多能工化を進めていきたい」と次の展開を考えている。

その先に目指すのは今まで以上に精度の高い金型づくりだ。「ゴム金型の世界も簡単なものは競争が厳しい。この流れは変わらない。精度を追求していく」とし、測定への設備投資も検討中だ。

測定技術強みである測定の自動化と職人技術に磨きをかけて、次のステージを目指す。


会社メモ
近藤専務_R

代表者=代表取締役社長・近藤豊氏
資本金=2000万円
創業=1948年
従業員数=33人
本社=埼玉県草加市柳島町656
電話048・927・4891 Fax048・927・4890
HP= http://homepage3.nifty.com/kondo-seiki/
▽設備機械=マシニングセンタ「V56i」自動測定装置付き」(牧野フライス製作所)など15台。NC旋盤「LB300」(オークマ)など4台。NC放電加工機「EDNC64」(牧野フライス製作所)など4台。画像測定機「NEXIV」(二コンインステック)。CAD/CAM「VISI」(Vero)など15台。
▽主な製品=精密ゴム金型(スイッチ関連、ダイヤフラム用金型など)


金型新聞 平成27年(2015年)6月4日号

関連記事

ミスミグループ本社 24年3月期売上高1.5%減の3676億円

世界的な設備投資需要が低迷 ミスミグループ本社(東京都千代田区)の2024年3月期決算は、売上高が前年同期比1・5%減の3676億4900万円となった。製造業を中心にグローバルで設備投資需要が低迷し、減収。今期の売上高は…

かながた小町 工場見学会<br>日本金型工業会

かながた小町 工場見学会
日本金型工業会

女性が活躍する職場に悩みや改善点を指摘  日本金型工業会で始動した「かながた小町」は、第1回工場見学会を開き、プレス金型のナガラ(名古屋市中川区)を訪問し、同社の早瀬實会長との懇談会や金型工場を見学したほか、女性従業員と…

【年頭所感】素形材センター会長・青木 宏道

激変に果敢に挑戦  今回の新型コロナウイルスというブラック・スワンが惹起した新しい潮流は、その衝撃が極めて大きく、それが故にそれへの対応は大きなビジネス機会ともなり得るものです。国も環境変化に呼応して、デジタル庁を設置し…

金型メーカー座談会<どうなる2014年 どうする今後の展開003>

金型メーカー座談会<どうなる2014年 どうする今後の展開003>

経営者が語る 精密加工や新分野に挑戦 2月10日号のつづき 司会 次年度には設備投資の一括償却が可能になるという話も出ていますが、投資計画に変更などありますか。 鈴木 毎年の積み重ねが重要ですからね。日本でどのようにもの…

令和の金型産業ビジョン
日本金型工業会が策定

雇用と金型インフラ維持  日本金型工業会(小出悟会長)は9月17日、6年ぶりに「令和時代の金型産業ビジョン」を策定した。日本の金型業界の目指す姿を「新たな価値提供を通じ、国内雇用と金型インフラを維持する」と設定。それを実…

トピックス

関連サイト