金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

27

新聞購読のお申込み

この人に聞く2015
製造業コンサルティング
O2(オーツー)松本 晋一社長

潜在する魅力引き出す
製造×サービスで価値を創造
O2 松本晋一社長_R

 プラスチック金型メーカーの安田製作所は今春、社名を「IBUKI」に変更した。昨年9月、同社を傘下に収めた、製造業向けのコンサルティング会社O2(東京都港区)の松本晋一社長は「製造業とサービス業の強みを生かした、新たなビジネスモデル構築をめざす」という。社名通り、業界に新たな息吹を吹き込めるか。狙いなどを聞いた。

IBUKIを傘下に

―これまでの貴社の取り組みを教えて下さい。
 「当社は設計を中核にした製造業向けにコンサルしてきました。設計に絞ったのは、アナログな部分が多く、特化できれば強みになると考えたからです。現在は技術だけでなく経営までコンサルの領域を広げています」。

―なぜ製造業への経営参画だったのですか。
 「今の産業界には『製造業のサービス業化』と『サービス業の製造業化』の流れがある。前者の好例はアップルで、後者はグーグル。アップルはipodなど製造から入り、iTuneなどのサービスをセットで提供し時代を創った。一方グーグルは検索サービスから入り、グーグルカーなど製造に参入しています。つまり製造とサービスの両方の交点がそろって高い価値を生み出せると思う」。

「当社にはコンサルや設計と言うサービスの強みがありますし、製造業と密に協業し、ユニークな価値を創造できると考えたのです。コンサルとしても仮説提案力も増します」。

―金型に参入して感じたことはありますか。
 「過度なコモディティ化ですね。電機業界がアジア勢に苦戦した動揺の現象が金型でも起きていると思う。脱コモディティ化のために売り込み先を変えました。購買担当者にいくら提案しても認めてくれない。加飾などに強みをもつIBUKIは製品のデザイナーに提案できれば価値を認めてもらえる。慣習上難しいのも分かりますが、そうした流れを変えていきたい。当社のネットワークを活かせばできるし、結果も伴いつつある」。

―他にはありますか。
 「ブランド力の重要性ですね。金型は産業の足腰と言われながら、ブランド力が弱い。まず金型に刻印を付け、誰が見てもIBUKIの金型だとわかるようにします。コストの提示方法も工夫していきます。イニシャルが高くとも壊れにくければ、ライフサイクルで考えれば安くなります。現場からのIBUKIの型は壊れないと評判がブランドになる感じです」。

―中長期的な方向性を教えて下さい。
 「金型は受注の負荷変動が業績に直結します。生産高に依存しない事業モデルの構築や常識にとらわれない新しいモノづくり基盤を目指したいですね。金型業界そのものの成長戦略を描ければ、日本の金型ひいては製造業の地位向上にもつながる」。


会社メモ

▽住所=東京都港区港南1―6―34
▽代表者=松本晋一社長
▽設立=2004年
▽資本金=2800万円
▽社員数=90人(グループ含む)
▽事業内容=製造業向けコンサルティング、金型製造


金型新聞 平成27年(2015年)6月4日号

関連記事

KOEI TOOL SKD61相当材の冷却水管【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

ダイカスト市場に参入 「始まりはプラスチック成形向けの3D冷却水管だった」と話すのはKOEI TOOL(旧ケイプラスモールドジャパン、今年4月に社名変更)のAM課の石井陽部長。同社は日本、シンガポール、マレーシア、ベトナ…

武林製作所の千田氏が「八尾ものづくり達人」

加工効率高める金型を設計 歯ブラシのプラスチック金型を手掛ける武林製作所(大阪府八尾市、072・998・1207)の金型設計技術者・千田雄一さんが、2023年の「八尾ものづくり達人」に選ばれた。金型の加工効率や品質を高め…

学生教育でCAEを活用 岩手大学【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

CAEを活用しているのは企業だけではない。岩手大学では、樹脂流動解析ソフト「3DTimon」(東レエンジニアリングDソリューションズ)を学生の教育で利用している。樹脂を流す際、最適なゲート位置などを自らの勘や経験から教え…

O2 代表取締役社長CEO ・松本 晋一氏 「疎連携」で個社を成長

IBUKI を売却大企業の足りないパーツに成長を加速し100億円企業へ 7年前に買収したプラスチック金型メーカーのIBUKIを昨年、自動車部品メーカーのしげる工業に売却しました。売上利益ともに過去最高の予測、中国企業と基…

魚岸精機工業 「低廉化金型」で「古くて新しい」課題を解決

ロットに応じ金型を安く 低廉化金型を開発 自動車部品などのダイカスト金型を手掛ける魚岸精機工業は、ロット数に合わせて、金型の価格を安くする「低廉化金型」の開発に成功した。ある金型では従来に比べて最大45%安くなるという。…

トピックス

関連サイト