金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

07

新聞購読のお申込み

この人に聞く2015
製造業コンサルティング
O2(オーツー)松本 晋一社長

潜在する魅力引き出す
製造×サービスで価値を創造
O2 松本晋一社長_R

 プラスチック金型メーカーの安田製作所は今春、社名を「IBUKI」に変更した。昨年9月、同社を傘下に収めた、製造業向けのコンサルティング会社O2(東京都港区)の松本晋一社長は「製造業とサービス業の強みを生かした、新たなビジネスモデル構築をめざす」という。社名通り、業界に新たな息吹を吹き込めるか。狙いなどを聞いた。

IBUKIを傘下に

―これまでの貴社の取り組みを教えて下さい。
 「当社は設計を中核にした製造業向けにコンサルしてきました。設計に絞ったのは、アナログな部分が多く、特化できれば強みになると考えたからです。現在は技術だけでなく経営までコンサルの領域を広げています」。

―なぜ製造業への経営参画だったのですか。
 「今の産業界には『製造業のサービス業化』と『サービス業の製造業化』の流れがある。前者の好例はアップルで、後者はグーグル。アップルはipodなど製造から入り、iTuneなどのサービスをセットで提供し時代を創った。一方グーグルは検索サービスから入り、グーグルカーなど製造に参入しています。つまり製造とサービスの両方の交点がそろって高い価値を生み出せると思う」。

「当社にはコンサルや設計と言うサービスの強みがありますし、製造業と密に協業し、ユニークな価値を創造できると考えたのです。コンサルとしても仮説提案力も増します」。

―金型に参入して感じたことはありますか。
 「過度なコモディティ化ですね。電機業界がアジア勢に苦戦した動揺の現象が金型でも起きていると思う。脱コモディティ化のために売り込み先を変えました。購買担当者にいくら提案しても認めてくれない。加飾などに強みをもつIBUKIは製品のデザイナーに提案できれば価値を認めてもらえる。慣習上難しいのも分かりますが、そうした流れを変えていきたい。当社のネットワークを活かせばできるし、結果も伴いつつある」。

―他にはありますか。
 「ブランド力の重要性ですね。金型は産業の足腰と言われながら、ブランド力が弱い。まず金型に刻印を付け、誰が見てもIBUKIの金型だとわかるようにします。コストの提示方法も工夫していきます。イニシャルが高くとも壊れにくければ、ライフサイクルで考えれば安くなります。現場からのIBUKIの型は壊れないと評判がブランドになる感じです」。

―中長期的な方向性を教えて下さい。
 「金型は受注の負荷変動が業績に直結します。生産高に依存しない事業モデルの構築や常識にとらわれない新しいモノづくり基盤を目指したいですね。金型業界そのものの成長戦略を描ければ、日本の金型ひいては製造業の地位向上にもつながる」。


会社メモ

▽住所=東京都港区港南1―6―34
▽代表者=松本晋一社長
▽設立=2004年
▽資本金=2800万円
▽社員数=90人(グループ含む)
▽事業内容=製造業向けコンサルティング、金型製造


金型新聞 平成27年(2015年)6月4日号

関連記事

元本田技研工業 田岡秀樹氏に聞く【特集:自動車金型の未来】

電動化に3つの方向性 電動化やギガキャストで変わる自動車づくり。元本田技研工業で型技術協会の会長も務めた田岡秀樹氏は「自動車業界はゲームチェンジの局面を迎えており、破壊的なイノベーションが起きている」とみる。一方で「中小…

己が戦力知り戦略
日本金型工業会学術顧問 /日本工業大学客員教授
横田 悦二郎氏に聞く

〜世界の需要どう取り込む〜  世界の金型需要を取り込むには何が必要か—。世界各地の金型工業会の設立に関わり、世界中の金型業界をよく知る日本金型工業会学術顧問の横田悦二郎氏は「コロナで世界の金型需要は高まるが、需要を確保す…

次世代車で変わる型作り
冨山 隆アライアンス・グローバルダイレクターに聞く

 厳しくなる世界各国の燃費規制に対応するため電気自動車(EV)を始めとする、次世代自動車の浸透スピードは加速している。加えて、自動運転も次世代技術として注目を集めている。こうした自動車の変化は金型にどう影響するのか。電動…

【金型応援隊】KGM経営戦略製作所 勤怠管理・生産管理ツールの導入支援

金型企業にBPOサービス提供 KGM経営戦略製作所は、金型企業向けにBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスを提供する。 代表の古賀寿彦氏は機械商社から中小企業診断士に転身し、独立した。製造現場に精通する強みを…

大野 和夫さん 金型作りは好きでないと続かない【ひと】

「金型作りは上手くいかないことがある。そんな時は、トイレの個室で考える。そうすると良いアイデアが浮かぶ瞬間が訪れる」と、アイデアが浮かぶ時や場所を見つけるのも技術者の役目と話す大野和夫さん(68歳)。金型製作歴40年以上…

トピックス

関連サイト