金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MARCH

01

新聞購読のお申込み

冨士ダイス 西嶋守男社長に聞く
世界で認知されるブランドに

生産効率向上し、需要増に対応

 西嶋守男(にしじま・もりお)社長 山口県出身。1975年慶応大学工学部卒業後、造船会社入社。78年冨士ダイス入社、2006年フジロイ(タイランド)社長、09年冨士ダイス取締役、15年社長に就任

 耐摩耗工具メーカーとして国内トップシェアを誇る冨士ダイス。超硬合金製のダイスやロール、製缶用金型、ガラスレンズ成形用金型など耐摩耗工具に特化した事業を展開し、来年には創業70年を迎える。「世界で認知されるブランドを目指したい」と話す西嶋守男社長に現在注力している取り組みや今後の成長戦略などを聞いた。

 ー来年で創業70年を迎えます。
 当社はダイス・プラグの製造から始まり、自動車部品や製缶、ガラスレンズ向け金型などに製品を広げ、超硬素材から加工までを一貫した受注生産体制で事業を展開してきた。その結果、現在では耐摩耗工具の市場シェアの約3割を獲得するまでに成長できた。

 ー今後の成長戦略を教えてください。
 今年策定した中期経営計画では「受注増への対応と将来の社会変化への準備」を基本コンセプトに掲げた。その中でも特に注力している一つが、生産効率の向上だ。2018年3月期の売上は179億円(前期比8%増)で過去最高となり、今後も超硬製品の需要は増加するとみている。こうした需要増に対応するためには、供給能力の強化が欠かせない。

 ー具体的に取り組んでいることは。
 まずは生産拠点の再編だ。昨年には門司工場を熊本製造所に集約し、生産効率を高めた。また、自動化にも取り組んでいる。郡山製造所ではロボットを導入し、測定の自動化を図っている。熊本製造所では加工機とロボットを組み合わせた加工工程の自動化に取り組んでおり、年内には本格稼働を予定している。

  ー将来の社会変化への準備とは。
 次世代自動車の拡大による自動車産業の変革など今後あらゆる産業でニーズの変化が予測される。当社は、全国をカバーする「営業力」と高度な冶金技術を基にした「素材開発力」、そして0・1μmオーダーといった高い加工精度が要求される金型加工で培った「加工技術力」を持つ。これらの強みを活かし、変化するニーズに柔軟に対応するとともに、新技術の開発と新分野の開拓を目指す。

 ーどんな新技術、新分野に取り組みますか。
 現在は医療・化粧品向け金型や次世代自動車部品向けの金型、赤外線レンズ金型の開発に着手している。また、超硬合金は耐摩耗性が高く、長寿命化や精度の安定化が図れる。ユーザーの課題
を解決するために、既存分野でも超硬合金への切り替えを提案していく。

  ー長期的なビジョンは。
 当社のブランドである「フジロイ」を海外でも認知されるようになってほしい。競争力を高める取り組みを進める一方で、アジア、北米を中心に海外展開も加速させ、少しずつブランドを根付かせていきたい。

金型新聞 平成30年(2018年)10月10日号

関連記事

大型金型部品を精密に
伊藤英男鉄工所 伊藤友一取締役

設計から検査まで一貫対応  三重県桑名市の伊藤英男鉄工所はダイセットなど大型金型部品の精密加工を強みとする技術者集団だ。手掛けるのは、2500×4000×1300㎜クラスのダイセットの全加工から航空機部品まで幅広い。マシ…

自動車メーカーに聞く ギガキャストに取り組む理由 トヨタ自動車門野英彦氏【特集:ギガキャストの現在地】

トヨタ自動車は昨年、2026年に投入を予定している次世代EVの生産工場にギガキャストを取り入れると発表した。従来数十点の板金部品で作っていたものをアルミダイカストで一体成形することで、部品点数を大幅に削減し、生産工程を半…

【金型応援隊】ワンテラス 豊富な人材ネットワークで日本のものづくりに貢献

ベトナム人技術者の採用支援 ワンテラスは、ベトナムを中心にアジア人の機械加工、設計に特化した人材の採用支援を行う。昨年度は、168人のベトナム人らの日本企業への採用をサポートした。 高い実績を誇る理由は豊富な人材のネット…

【鳥瞰蟻瞰】長野県南信工科短期大学校 准教授・中島 一雄氏「調べ、試し、失敗を繰り返しながら挑戦」

技術者の教育には考えさせることが重要DXで一層必要になる 分かっているものに取り組んでいても技術者としての成長はありません。自らで調べ、試し、失敗を繰り返しながら挑戦していくことこそが技術者の根幹であり、何よりも重要なこ…

「顧客の課題をもっと聞きたい 専門部署を設立」牧野フライス製作所社長・宮崎正太郎氏【この人に聞く】

牧野フライス製作所は今年4月、6年ぶりに社長交代を発表した。6月に新社長に就いた宮崎正太郎氏は、就任後わずか3か月で増産体制の強化や開発テーマの絞り込みなどを相次いで発表。さらに、顧客の課題を聞くための部署を新設するなど…

トピックス

関連サイト