金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

02

新聞購読のお申込み

小径工具で精密加工
山田金属彫刻

細いリブのコアや3次元の電極

品質・価格、要望に合わせ

DSC07559_R DSC07554_R
▲左 細いリブのコアや電極  右 切削で加工した般若心経

 細いリブが連なるコアや滑らかな3次元曲面のある電極。山田金属彫刻(京都市山科区、075・591・2804)は、こうした形状が複雑で精密な金型の入れ子や放電用電極を手掛ける。培った切削と放電の技術や長年のノウハウで、金型メーカーが求める品質やコストに応えている。

 同社は小さなワークの微細な加工に特化している。受注するのは殆どが手の平に乗る大きさで、切削や放電で細い溝や曲面を加工する。特に得意なのが小径工具による切削で、10㎜角の入れ子の加工でφ0・06㎜のエンドミルを使って細かなリブを加工したこともあるという。
 微細切削の源流は、創業事業の彫刻。今でも入れ子などに文字や数字の彫刻をしており、山田竜治社長は金属にタテヨコ3㎜、深さ0・05㎜の文字を刻んだ般若心境の見本を見せてくれた。「この彫刻で加工技術を磨き、入れ子や電極へと広がっていった」。

 そして同社が独特なのは、金型メーカーの品質、価格の要望に応じて切削と放電を使い分けること。それほど複雑な形でなくてもシャープなエッジを求めるのなら放電。深いリブと曲面が組み合わさり加工精度のためには放電が最適でも安い価格と短い納期を望むなら切削で加工する。
 電極の加工を省ける切削は加工時間が短く、電極の電極をそのまま転写する放電は品質はいいが時間が長い―。例えば金型メーカーにはそんな先入観を持つ人もいるが、「それはあくまで特性。お客様のニーズをしっかり把握して、切削と放電それぞれの長所を生かして要望に応えている」。

 最近は、このところ金型に使われることが多くなった超硬合金の直彫り切削にも取り組んでいる。山田社長は「もっと加工技術の幅を広げて、お客様の望みに応えていきたい」。


会社メモ

▽京都市山科区東野八反畑21‐5
▽代表取締役・山田竜治氏
▽創業・1970年
▽社員数・11人
▽事業内容・機械彫刻、金型彫刻、刻印、NC三次元加工、放電加工など。


金型新聞 平成27年(2015年)2月10日号

関連記事

IMS社、工場スタートアップなどを支援

バングラデシュ企業との提携先を募集 製品開発支援、成形・金型の若手技術者育成事業を手掛けるIMS(大阪市平野区、06-6743-7893)は、製造業から飲食業など幅広い業種を手掛けるバングラデシュの老舗財閥企業と顧問契約…

日立金属 プロテリアルに商号を変更 2023年1月から

日立金属(東京都江東区、0120・603・303)はこのほど、商号を「プロテリアル」に変更すると発表した。BCJ‐52(東京都千代田区)による公開買付けが成立した後、2023年1月4日に変更する予定。 新商号は「PRO(…

【特集:新春金型座談会】広がる世界市場をどう開拓する(Part2)

次の成長市場はどこだ インド、ブラジル、メキシコ、トルコに期待 本紙 山本さんは今後金型需要が伸びる市場はどこだとみていますか。 山本 松野さんが指摘されたようにインドは間違いなく拡大します。松野さんの提携先がある地域は…

高精度な金型加工に不可欠 ツール測定・管理

高精度に金型を加工するために不可欠なツールの測定や管理は従来、熟練技能者によって行われてきた。しかし人手不足や生産性向上を背景に、製造現場の自動化ニーズは高まっておりロボットを活用したツールプリセッタや機上測定などが登場…

日本金型工業会西部支部 オンラインセミナーを開催

日本金型工業会西部支部 オンラインセミナーを開催

コロナ禍に対応する活動を  日本金型工業会西部支部(山中雅仁支部長・ヤマナカゴーキン社長)は7月30日、オンラインセミナーを開いた。伊吹機械の伊吹宏一社長が登壇し、自社の金型製作の取り組みを解説した。  冒頭のあいさつで…

トピックス

関連サイト