機械や工具の最新情報など金型業界の今をお届けする「金型しんぶんONLINE」

search menu

MAY

18

新聞購読のお申込み

組立まで一貫生産
顧客の想いをカタチにーテクノグローバル

がんばれ!日本の金型産業(連載シリーズ)
テクノグローバル 髙田 弘之 社長

金型技術をコアに開発や量産

「1から作ってほしいというニーズに対し、提案しながら形にしていくのが当社の特長」と語る髙田社長。設立2006年から約10年経ち、本社工場(大阪府八尾市)は工作機械や成形機が並び、製品の組立場、納品する商品がずらりと並ぶ工場に成長した。前職も金型メーカーという髙田社長は「独立することが前提」と起業への思いは強く、経営が軌道に乗るまで苦労を重ね、協力企業とのネットワークを構築し、金型をベースに企画・開発から量産成形(30~280t)、組立まで一貫生産できる体制を確立した。「いつかは自社製品も作りたい」と、新たな取り組みを始める。

15年に八尾市の製品・サービスを開発するサポート事業「STADI」に認定され、プロダクトデザイナーと商品開発に取り組む。生まれたのがティッシュボックスケースの「Paol」と壁時計の「iconclock」。また、奈良県立医科大学と連携で「ヒューバー針抜針器」を開発。これはガン患者に抗がん剤を投薬した針を安全かつ簡単に抜くことができる釘抜きのような役目だ。

企業から製品開発のニーズは高まっているものの、特に医師など金型を知らない企業から離型しにくい製品形状の依頼は困難。型構造の工夫や製品強度を上げるリブ設計などの提案や成形時の制御を巧みに行うなど、金型技術を活かし顧客が満足する製品を作り上げた。髙田社長は「金型の材質は何であれ、最終製品がしっかり出来上がるようにしようと社員には伝えている」とし、顧客の想いをカタチに変えられる企業作りを目指す。

起業以来、睡眠時間3時間

テクノグローバル 人

「今でも睡眠時間は3時間しか取っていません。起業以来、変わらない習慣ですね」と髙田社長は言う。創業当時は自宅の子供部屋を使い、金型設計と組立のみで、加工は外注に任せていた。「初期投資が大変なので、まずはトライ用の成形機を導入した」と資金繰りに苦労しつつも、徐々に受注が増え、3~4年目には工作機械など設備も揃い、工場を拡大させていった。「今は金型製造に3人、設計2人、成形2人、組立・検査を含め15人の企業になった」と自社の成長を感じながら、課題も語る。

「創業した当時も国内の金型メーカーは海外で金型を作る傾向が強かった」と金型業界のグローバル化を意識していた髙田社長。「課題は採用。国内は人が来ない」と、同社も14年にベトナムのドンナイ工場を設立。採用したベトナム人は本社で金型製造など技術を覚え、責任者としてベトナム工場の指導者として戻っていく。続けて、ホーチミン工場も立ち上げた。現地ベトナム人の教育については、2人ずつ本社工場で3カ月交代の研修を行っている。本社工場では金型技術だけでなく5Sや品質へのこだわりなども教育する。「世界で通用する人材に育ってほしい」と彼らの成長を望みつつ、「モノを作るプロフェッショナルになり、世界へネットワークを広げたい」とグローバル企業を夢に今日も邁進する。

会社メモ

髙田弘之社長

髙田弘之社長

代表者=髙田 弘之氏
所在地=大阪府八尾市跡部南の町1―1―37
営業所=栃木県鹿沼市緑町1―1―34
設立=2006年
事業内容=プラスチック製品設計支援、試作・量産金型の製造及び成形、小ロット製品の組み立てなど
従業員数=15人
海外工場=ベトナム・ドンナイ工場/ベトナム・ホーチミン工場
そのほか=大阪ものづくり優良企業賞2015/医療機器製造業登録証/動物用医療機器製造業登録証など
主な設備=高速MC(ファナック)、NCフライス(静岡鉄工所)、放電加工機(三菱電機)、ワイヤー放電加工機(三菱電機)、成形機(東洋機械金属など)、3次元測定機(ミツトヨ)、CAD/CAM(ソリッドワークスなど)。
モットー=想いをカタチに変える

金型新聞 平成29年(2017年)7月4日号

関連記事

5年で売上高30億円
ジェービーエム 小谷 幸次社長に聞く

 Mastercamの世界販売1位を記録するジェービーエムは今年、創業50周年を迎えた。同社は近年、CAD/CAMのほか、ロボットシミュレーション、計測、積層技術など幅広い分野のソフトウェアを拡充し、生産現場の自動化・省…

がんばれ!日本の金型産業特集 <br>中辻金型工業 戸屋 加代 総括部長

がんばれ!日本の金型産業特集
中辻金型工業 戸屋 加代 総括部長

頂いた依頼は断らない 試作品で金型技術を披露 「お客様が作りたいということを実現するのが仕事」と同社の戸屋総括部長は言う。1974年創業した当時はプレス金型製造していた。そこから時代の流れに合わせ、プレス金型から板金プレ…

日進工具が展示会

後藤社長に聞く 見どころと狙い  12年ぶりに日進工具が精密微細加工に特化したプライベートショー「NSTOOLプライベートショー2020精密・微細加工技術展」。小径エンドミルはもとより、微細加工機、治具、そして切削加工ユ…

この人に聞く 2014 CAPABLE 河原 洋逸社長

この人に聞く 2014 CAPABLE 河原 洋逸社長

海外の金型市場に活路 半導体金型でファブレス、設計・営業に特化  海外に金型市場があるならそれを取って日本で作ればいい―。それを実践しているのが、半導体封止装置金型に特化したファブレス企業のCAPABLE(京都市南区、河…

がんばれ!日本の金型産業特集<br>アタイス工業 荒木 孝信 社長

がんばれ!日本の金型産業特集
アタイス工業 荒木 孝信 社長

異形・複雑、自由自在 試作で開く鍛造の可能性  ドーン…。鍛造プレス機が金型を打ちおろす音が場内に響く。金型を開き、そこから出てきたのは直径わずか9㎜ほどの金属の歯車。傾斜のある小さな歯が10個あり、この細かな形状を多軸…

トピックス

関連サイト
一般社団法人日本工作機械工業会
日本機械工具工業会
一般社団法人日本工作機器工業会
日本精密測定機器工業会
日本光学測定機工業会
全国作業工具工業組合
日本精密機械工業会
日本工作機械輸入協会 jmtia
日本金型工業会 jmtia