金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

28

新聞購読のお申込み

武林製作所、角谷工場長が「なにわの名工」

卓越した仕上げの技能

★DSC09717_R ★DSC09733_R
▲「なにわの名工」に選ばれた角谷工場長

 歯ブラシのプラスチック金型メーカー、武林製作所(大阪府八尾市、072・998・1207)に、金型の耐久性や成形の品質を高める、仕上げの技能を持つ人がいる。工場長の角谷秀利さん。その高度な技能と後継者育成の取り組みが認められ、大阪府が卓越したものづくり技能者に贈る2015年「なにわの名工」に選ばれた。

 角谷さんは、金型づくりの最終工程で微調整をする金型仕上げの第一人者。僅かな段差を修正して成形品のバリを無くし、熱膨張を計算に入れて摺動面に微かな隙間を作り成形のトラブルを減らす。取引先の成形機や生産手法も考慮して調整するため、成形での故障は極めて少ない。さらには、長年使い疲労した金型も元どおりに治す。

 金型業界に入って今年で31年。金型づくりに長年携わってきた経験が仕上げの技術に生きている。その技術を次代に引き継ごうと、ここ数年は後継者、山中慎也さん(14年なにわの名工若葉賞)への指導にも取り組む。「仕上げで大切なのは金型を完成させるバランス力。それを日々、教えています」と角谷さん。

 昨年は同じ技能で「八尾ものづくり達人」(八尾商工会議所)を受賞したが、「なにわの名工」は初めて。角谷さんは「賞を頂けたのは社員みんなのおかげ。さらに品質の高い金型づくりに励みたい」。武林美孝社長は「当社で働く技術者の技能が世に認められ心から嬉しい。これからも切磋琢磨し技術力向上に挑みたい」。

金型新聞 平成28年(2016年)1月10日号

関連記事

【ウェブ限定】平面研削盤「SGS‐75」を開発<br>ナガセインテグレックス

【ウェブ限定】平面研削盤「SGS‐75」を開発
ナガセインテグレックス

小型・高精度を実現 リーズナブルな価格で提案  ナガセインテグレックス(岐阜県関市、0575・46・2323)は、金型プレートや精密部品の加工に最適なコラムタイプの高精度平面研削盤「SGS‐75BLD2‐Neo3」が好評…

2024年8月金型生産実績 前年同月比 5.6%減の230億円

プレス用金型は32.9%減、プラ用金型は37.2%増 2024年8月の金型生産は、前年同月比5.6%減の230億4,479万円となった。前月比では6.0%減だった。数量は前年同月比1.2%の微減、前月比では20.0%の大…

大同特殊鋼 超大型ダイカスト金型用鋼の販売開始

ギガキャストに対応 大同特殊鋼はこのほど、ギガキャストに対応した熱間金型用鋼「DHA‐GIGA」の販売を開始した。超大型のダイカスト金型に求められる焼入性を飛躍的に向上。従来の金型用鋼に比べ、使用中の割れを抑制できる。こ…

【Breakthrough!】金属3Dプリンタ

ダイカストやプラスチック金型で金属3Dプリンタが採用されるケースが出始めてきた。造形条件の確立、レーザーの進化による高速造形など作業性の改善が背景にある。マルエージング鋼やSKD61相当材など金型に適した粉末材料が登場し…

日本金属プレス工業協会 久野忠博新会長インタビュー、交流深め、地域と国のパイプ役に

人手不足や事業承継問題に取り組む 「地域の工業会との交流を深め、プレス業界として、もっと発信力を高めたい」。そう話すのは、6月の総会で日本金属プレス工業協会(日金協)の会長に就任した久野忠博氏(久野金属工業社長)。プレス…

トピックス

関連サイト