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OCTOBER

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5軸加工用工具・治具[Breakthrough!]

切削工具を傾けて加工ができることから、様々な効果が期待できる5軸加工。工具の側面のR形状を活用し、高能率な加工ができるバレル工具を始め、専用工具が登場している。バイスや治具でも、5軸加工をより効果的に活用するための製品が販売されている。ここでは、5軸加工の効果を最大限に発揮できる切削工具や治工具を紹介する。

PART1:オーエスジー「高能率・高精度直彫りを実現」
PART2:ダイジェット工業「金型向け豊富なラインアップ」
PART3:日進工具「高硬度鋼も高精度加工」
PART4:フジBC技研「テーパー形状で段取り替え削減」
PART5:MOLDINO「1本で隅から広い面まで対応」
PART6:NKワークス「あらゆる形状のワークを把握」
PART7:MSTコーポレーション「干渉なく多面加工で工程短縮」
PART8:北川鉄工所「低床、工具と干渉しにくく」
PART9:TMW「引き込み式で干渉なし」
PART10:ロームヘルド・ハルダー「剛性、精度高め、安定保持」
PART11:記者の目

PART1

オーエスジー「高能率・高精度直彫りを実現」

高硬度鋼用超硬ボールエンドミル

高硬度鋼加工に最適化された超耐熱性・高じん性の「DUROREYコーティング」を採用。60HRCを超える高硬度鋼において優れた耐チッピング性を発揮し、工具の長寿命化を実現する。

高能率型4刃「AE-BM-H」は不等分割刃により多刃化に伴う「びびり振動」を抑制し高能率加工を実現する。

高精度仕上げ用2刃「AE-BD-H」は、優れたボールR精度と平滑処理により高精度な仕上げ加工を可能にする。

5軸加工では、工具やワークを傾けることで短い突出し長さでの加工が可能。「AE-BM-H」は全長を短く設定、「AE-BD-H」はショートシャンクタイプを用意。5軸加工のメリットである短い突出し長さでの加工を更に短くでき、高能率で高精度な高硬度鋼の直彫り加工を実現する。

PART2

ダイジェット工業「金型向け豊富なラインアップ」

縦横無尽シリーズ

省段取り化による工程集約や効率良く複雑形状を加工するために金型業界でも導入が進む5軸加工。そのニーズに応えるため昨年、5軸加工用工具のラインアップを拡充し、「縦横無尽シリーズ」として発売した。

刃先交換式バレル工具「ミラーバレル」の外周R形状「KRM形」や接線バレル「TNM形」、テーパバレル「TPM形」、レンズバレル「LRM形」、ソリッド底面バレル工具「フジバレルFJVA形」、Sヘッドテーパバレル工具「チューリップSヘッドSTLP形」など加工に応じ最適な工具を選べる。

さらに金型メーカーなどを対象とする5軸加工導入のサポートも手掛ける。加工プログラム作成の際に必要な工具形状データを提供するほか、加工に適した工具選定、最適な切削条件、加工方法などを提案する。

PART3

日進工具「高硬度鋼も高精度加工」

5軸MC加工用3枚刃ボールエンドミル

5軸加工の特性を活かす工具設計を採用した5軸マシニングセンタ加工用の3枚刃ボールエンドミル。5軸加工に特化した首形状やφ6シャンクの採用と最小限の刃長で、工具のたわみ量を大幅に抑制できるなど、高剛性な工具設計とした。

耐酸化性と耐摩耗性を備えた密着力の高い多層構造の「無限コーティングプレミアムPlus」を採用。被削材硬度が60~70HRCの高硬度な領域において最適な効果を発揮する。

3枚刃不等分割形状でびびりを抑えながらも高送りができるなど、高能率加工と高精度の両立が可能な形状とした。また、切削負荷を低減するポジティブ切れ刃形状と耐摩耗性・耐欠損性を重視した超硬素材を採用。これにより、高硬度鋼への長寿命で高精度な切削加工を実現した。

PART4

フジBC技研「テーパー形状で段取り替え削減」

5軸加工用エンドミル「HS3TB」

5軸制御は全方位で加工可能だが、切削工具の制約で加工できない箇所が発生し、特殊工具や別工程での加工が一般的。

そこで、切削困難な箇所の加工を可能にするテーパー形状で他の加工機への段取り替え削減などを目的に開発したのが「HS3TB」だ。市場で広く使用されるボールエンドミルとは異なり、主としてボール刃部のみ使用し、高送り切削やチャック下突き出し長さが大きく、高剛性と防振性を強化したテーパー首下を持つデザインが特長。切削が困難な形状部も段取り替えなく加工でき、工程数の削減だけでなく、段取り替え時の芯出し誤差の発生もなく、最終的な製品の品質向上、生産性の向上が期待できる。

片角テーパー度6度、3枚刃でコーナーラジアスR0・5~3・0までラインアップしている。

PART5

MOLDINO「1本で隅から広い面まで対応」

ソリッド異形工具「GS4TN」

外周部に大きなR(バレルR)、先端部に小さなRを有した異形ソリッドエンドミル。大きなRと小さなRを使い分けることで、広い加工面から隅部まで1本で複雑な形状の加工に対応可能。加工工具本数の集約が可能となり、工具交換で発生する加工段差を抑えることができる。特に5軸加工に適している。

バレルRは従来のエンドミルに比べ、加工ピッチを3倍などに大きくすることができ、加工時間の短縮を実現する。

高硬度材加工に適した「TH3コーティング」や切れ刃設計を採用。40~50HRCクラスの高硬度材でもビビリの少ない高品位かつ高能率な加工を実現する。ダイカスト型、プラスチック金型、プレス型などの中仕上げ~仕上げ加工に適している。バレルRは12・5~50の5種類を揃える。

PART6

NKワークス「あらゆる形状のワークを把握」

4つ爪バイス「INOFlex VLシリーズ」

従来バイスでは角材ワークのみを把握するのが一般的で、その他の形状のワークは特殊形状の爪を都度製作する必要があった。「INOFlex」は4つ爪を採用し、特許技術の同心円補正機構によって、あらゆる形状のワークを高精度・高把持力で把握できる。

駆動部(同心円補正)は、平行な2軸上で向かう動き、離れる動きをする。この動きによって、円形ワークや幾何学的に不規則なワークなどを最小±3μm以内の高い精度でクランプすることができる。

それぞれの爪は固定することができるため、ワーク4辺のうち、1面または2面を基準面として固定することも可能。2つ爪だけのセンタリングバイス、単動バイスとして使用することができる。中空の異形ワークの把持にも適している。

PART7

MSTコーポレーション「干渉なく多面加工で工程短縮」

ワーク取付治具「スマートグリップ」

あらゆる方向から加工を行う5軸加工機や、ロータリーテーブルを使用した3軸マシニングセンタなど、多面加工に最適なワーク取り付け治具システム。

ワークの固定は、アリ溝(ダブテール)機構を採用。ワークの底面だけでコンパクトかつ強力にクランプでき、あらゆる方向からの加工も工具との干渉を回避できる。多面加工での工程集約に威力を発揮する。

工具の突き出しが最短に設定できるため、ビビリのない安定した加工ができ、加工能率を大幅に向上。工具の長寿命化も実現する。

また、あらゆる形状のクランプ方法を共通化できるので、ワークごとにクランプ方法を考えたり専用治具の製作をする必要がない。

自動化運転にも対応するクイックチェンジ型と、ワークホルダを直接テーブルに取付け広い加工領域を確保するダイレクトマウント型を揃えている。

PART8

北川鉄工所「低床、工具と干渉しにくく」

5軸センタリングバイス「Ⅴ75Ⅴシリーズ」

「V75Vシリーズ」は、5軸加工用のセンタリングバイス。ボディ高さ42㎜と低床、コンパクトな設計で、加工中に切削工具と干渉しにくい。今年7月に発売した。

ジョーの掴み代は最小で3.5㎜。チャッキングすることで隠れる面積が少なく、ワークの5面をより効率良く加工できる。ワークの締付力は最大20kN。標準グリップジョーで荒加工できる。

把握面の高精度研削により±0・01㎜の繰り返し精度を実現するコンビネーションジョーを使えば荒加工も仕上げ加工もできる。フラットジョーは柔らかい材質のワークを傷つけにくい。(どちらもオプション)

円テーブルなどの工作機器を手掛ける同社が、加工効率改善の新たな製品として開発した。今年11月に開催される日本国際工作機械見本市JIMTOF2022にも出品する。

PART9

TMW「引き込み式で干渉なし」

FCS Sysytem

ワークの下から強力に引き込みクランプするため、干渉を考慮する必要がなく5軸加工に最適な治具。単に治具だけでなくシステムとして活用できるのも大きな特長だ。

そのシステムは、BASEGAUGEを使うことで、ワークの平行や水平出し、芯出し作業もなくす事ができる。クランプ作業も規定トルクで締める構造で、誰が作業しても同じ力で締めることができる。ワークサイズも関係なく、小さなもの(M5)から重量物(M24)まで同じコンセプトで作業できる。

また、治具構成の決定を支援するソフト「BREYL SIMULATOR」も用意。使用する機械と対象ワークを、デジタル上で認識させ、自動的に適切な治具を選定・表示できる。これで生成したCADデータを活用することで段取りの作業効率の75%以上の改善が見込めるという。

PART10

ロームヘルド・ハルダー「剛性、精度高め、安定保持」

5軸加工用マシンバイス「MC-Pシリーズ」

新構造の採用によって、剛性、精度を高めた5軸加工用バイス。新構造のコンポジット構造は、構成部品の精度や強度を高めた他、組み立て工程で精度を保証している。前モデルからスピンドル軸の位置を最適化し、クランプ時の口金の開きを限りなく小さくした。

5軸加工用バイスに要求されるセンタリング機能も備える。特に加工面の最大化を可能とするワークの浅噛みクランプを高い剛性によって実現している。また、コンパクト設計を採用し、ツールのアクセスを向上させた。

ワークに合わせて、4種類のサイズを揃える。また、ワークの硬さ、仕上げ状態に適した口金インサートを選択可能。用途に合わせてセンタリング式以外に片側固定式、フローティング式や油圧駆動式を選択することができる。

PART11

記者の目

金型づくりにおいても、広く一般的に使われるようになってきた5軸加工。とはいえ、工具干渉の回避や、効率的な治具システムの構築、最適なパスの作成など、従来の加工に比べて、より高いスキルやノウハウが必要だ。ただ、5軸加工をうまく使いこなすことができれば、大幅な加工効率の改善が可能で、競争力の強化につながる。5軸巧者になるために、今回紹介したような工具や機器をうまく使いこなすことが不可欠だ。

金型新聞 2022年8月10日

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