金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

16

新聞購読のお申込み

金型の寿命、1.5~5倍に<オカノブラスト>

WPCと鏡面

ハイスなどの微粒子を高速衝突させて金属を鍛錬するショットピーニング(WPC処理)と、鏡面に磨いて耐摩耗性を高めるラッピング。オカノブラスト(堺市中区、072・234・0999)は、この2つの加工を複合させて金型の寿命を飛躍的に伸ばす独自の技術を持つ。もともとある部品メーカーのために開発したが、今では冷間鍛造やプレスの金型に広く採用されている。
同社が「タフラット」と呼ぶこの技術は、WPC処理をした後でラッピングをする。WPCは微粒子の衝突による鍛錬と熱処理の効果で硬度や疲労強度が高まるが、微粒子の打撃痕で微細な凹凸ができ、クラックの原因になる。ラッピングするのはこの凹凸をなくすため。つまりタフラットは鍛錬をした表面をさらに磨き、強度も耐摩耗性も高める技術。金型に使えば、寿命が1・5~5倍に伸びるという。

ショットピーニング(上)
ラッピング(下)

8年前にある輸送機部品メーカーから冷間鍛造金型の耐久性を高める方法について相談を受けたのがきっかけ。試行錯誤の末に自社の2つの加工を組み合わせてみたら金型の寿命は驚くほど伸びた。WPCとラッピングを一貫するため別々に加工(1日、3~5万円)するのと比べて費用は5分の1~10分の1に。加工時間も30分~1時間ほどしか掛からない。
金型に使えると分かり、昨年11月には輸送機部品メーカーとこの処理技術で共同特許を取得。国の補助事業にも選ばれ、加工後の疲労強度を検査する装置も導入した。金型メーカーからの受託(WPC・φ100~150㎜長さ2mまで、鏡面・φ400㎜まで厚さ100㎜まで)も始め、今では冷間鍛造やプレスの金型での採用が増えているという。
オカノブラストはショットブラストを基盤技術とするWPCやラッピング、二硫化モリブデンショット、ブラスト処理を手掛ける。岡野俊之専務は「ブラストの技術は今なお、未知数。これからも加工精度を高めたり、組み合わせたりして、金型などに役立つ技術を見つけたい」。

オカノブラスト
▽大阪府堺市中区東山644、072・234・0999
▽設立1982年▽代表取締役・岡野俊博氏▽社員数24人
▽事業内容・ブラスト処理、WPC処理、二硫化モリブデンショット、ラッピングの受託加工。

金型新聞 平成26年(2014年)5月14日号

関連記事

2018年1月の金型生産実績

2018年1月の金型生産実績

前年同月比 14.4%減の283億5,800万円 プレス型が23.0%減、ダイカスト型は10.1%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員30人以上)による2018年1月の金型生産実績をまとめた…

UMモールドフェア<br>1月27・28日インテックス大阪

UMモールドフェア
1月27・28日インテックス大阪

JIMTOF出展機が一堂  金型設備総合商社の植田機械(大阪府東大阪市、06・6743・0110)は1月27・28日の2日間、インテックス大阪(大阪市住之江区)で、工作機械総合展示会「UMモールドフェア」を開催する。工作…

TCTJapan2026 1月28~30日に東京ビッグサイトで開催

最新のAM関連技術が集結 最新の3Dプリンティングやアディティブマニファクチャリング(AM)関連技術が集結する「TCT Japan 2026」が1月28~30日の3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)の南3ホールで開催…

【この人に聞く】三菱電機産業メカトロニクス事業部事業部長・清水則之氏「生産性高めるサービスを提供する」

 高精度、高性能な放電加工機で金型産業に貢献してきた三菱電機(東京都千代田区、03-3218-2111)。近年は、機械だけでなく、遠隔地からのメンテナンスサービスやAI技術の活用など金型づくりの高度化に対応するサービスや…

自動車金型、2024年秋に需要回復か【特集:自動車金型の未来】

自動車の金型が試練の時を迎えている。半導体不足に端を発する新車開発の相次ぐ延期で受注が減少している。一方、電気自動車(EV)シフトが技術と産業構造に変革を迫る。生き残るカギは変化のうねりを見極め培ったノウハウや強みを生か…

トピックス

関連サイト