金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

19

新聞購読のお申込み

金型の寿命、1.5~5倍に<オカノブラスト>

WPCと鏡面

ハイスなどの微粒子を高速衝突させて金属を鍛錬するショットピーニング(WPC処理)と、鏡面に磨いて耐摩耗性を高めるラッピング。オカノブラスト(堺市中区、072・234・0999)は、この2つの加工を複合させて金型の寿命を飛躍的に伸ばす独自の技術を持つ。もともとある部品メーカーのために開発したが、今では冷間鍛造やプレスの金型に広く採用されている。
同社が「タフラット」と呼ぶこの技術は、WPC処理をした後でラッピングをする。WPCは微粒子の衝突による鍛錬と熱処理の効果で硬度や疲労強度が高まるが、微粒子の打撃痕で微細な凹凸ができ、クラックの原因になる。ラッピングするのはこの凹凸をなくすため。つまりタフラットは鍛錬をした表面をさらに磨き、強度も耐摩耗性も高める技術。金型に使えば、寿命が1・5~5倍に伸びるという。

ショットピーニング(上)
ラッピング(下)

8年前にある輸送機部品メーカーから冷間鍛造金型の耐久性を高める方法について相談を受けたのがきっかけ。試行錯誤の末に自社の2つの加工を組み合わせてみたら金型の寿命は驚くほど伸びた。WPCとラッピングを一貫するため別々に加工(1日、3~5万円)するのと比べて費用は5分の1~10分の1に。加工時間も30分~1時間ほどしか掛からない。
金型に使えると分かり、昨年11月には輸送機部品メーカーとこの処理技術で共同特許を取得。国の補助事業にも選ばれ、加工後の疲労強度を検査する装置も導入した。金型メーカーからの受託(WPC・φ100~150㎜長さ2mまで、鏡面・φ400㎜まで厚さ100㎜まで)も始め、今では冷間鍛造やプレスの金型での採用が増えているという。
オカノブラストはショットブラストを基盤技術とするWPCやラッピング、二硫化モリブデンショット、ブラスト処理を手掛ける。岡野俊之専務は「ブラストの技術は今なお、未知数。これからも加工精度を高めたり、組み合わせたりして、金型などに役立つ技術を見つけたい」。

オカノブラスト
▽大阪府堺市中区東山644、072・234・0999
▽設立1982年▽代表取締役・岡野俊博氏▽社員数24人
▽事業内容・ブラスト処理、WPC処理、二硫化モリブデンショット、ラッピングの受託加工。

金型新聞 平成26年(2014年)5月14日号

関連記事

ミスミ 売上高過去最高 22年3月期

自動車関連需要が回復 ミスミグループ本社(東京都千代田区、03-5805-7050)の2022年3月期売上高は、17.8%増の3661億6000万円と過去最高を更新した。営業利益も92%増の522億1000万円と過去最高…

がんばれ!日本の金型産業特集 <br>近藤精機製作所 近藤 雅之 専務

がんばれ!日本の金型産業特集
近藤精機製作所 近藤 雅之 専務

膜厚精度の高いゴム金型 機上測定で精度追究 ゴム金型専業メーカーの近藤精機製作所が手掛けるのは450㎜角までのサイズの精密金型だ。これまで多くの種類の金型を作ってきたが、近年注力するのがスイッチやダイヤフラム用など、いわ…

12月の金型生産実績

12月の金型生産実績

前年同月比12.9%増の313億2,100万円 プレス型は15・3%増、プラ型は18・8%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による平成26年12月の金型生産実績をまとめた。それ…

「メイドイン中部」を世界へ    エムエス製作所

「メイドイン中部」を世界へ エムエス製作所

  ゴム金型のエムエス製作所(愛知県清須市)をはじめ、ものづくり企業など11社がコラボレーションし、新次元のアイアンヘッド「MUQU(ムク)」を製造し発売した。中小企業が持つコア技術や伝統工芸を用いて製造されたアイアンの…

研削盤約60台を展示<br>岡本工作機械製作所 安中工場で自社展

研削盤約60台を展示
岡本工作機械製作所 安中工場で自社展

 岡本工作機械製作所は8月3、4日の2日間、安中工場(群馬県安中市)でプライベートショー「OPENHOUSE2017」を開催する。今春に発売した新製品の汎用研削盤など60台以上の研削盤を展示するほか、加工実演や講演会も行…

トピックス

関連サイト