目指すは「恒・高精度化」 それを見極められる人の育成が、より重要に 超精密金型の世界で目指すべきは「加工工程の『恒・高精度化』」だと考えています。どこで成形しても高い水準で同じ品質が得られること。つまり、高いレベルでの…
冨士ダイス 西嶋守男社長に聞く
世界で認知されるブランドに
生産効率向上し、需要増に対応
耐摩耗工具メーカーとして国内トップシェアを誇る冨士ダイス。超硬合金製のダイスやロール、製缶用金型、ガラスレンズ成形用金型など耐摩耗工具に特化した事業を展開し、来年には創業70年を迎える。「世界で認知されるブランドを目指したい」と話す西嶋守男社長に現在注力している取り組みや今後の成長戦略などを聞いた。
ー来年で創業70年を迎えます。
当社はダイス・プラグの製造から始まり、自動車部品や製缶、ガラスレンズ向け金型などに製品を広げ、超硬素材から加工までを一貫した受注生産体制で事業を展開してきた。その結果、現在では耐摩耗工具の市場シェアの約3割を獲得するまでに成長できた。
ー今後の成長戦略を教えてください。
今年策定した中期経営計画では「受注増への対応と将来の社会変化への準備」を基本コンセプトに掲げた。その中でも特に注力している一つが、生産効率の向上だ。2018年3月期の売上は179億円(前期比8%増)で過去最高となり、今後も超硬製品の需要は増加するとみている。こうした需要増に対応するためには、供給能力の強化が欠かせない。
ー具体的に取り組んでいることは。
まずは生産拠点の再編だ。昨年には門司工場を熊本製造所に集約し、生産効率を高めた。また、自動化にも取り組んでいる。郡山製造所ではロボットを導入し、測定の自動化を図っている。熊本製造所では加工機とロボットを組み合わせた加工工程の自動化に取り組んでおり、年内には本格稼働を予定している。
ー将来の社会変化への準備とは。
次世代自動車の拡大による自動車産業の変革など今後あらゆる産業でニーズの変化が予測される。当社は、全国をカバーする「営業力」と高度な冶金技術を基にした「素材開発力」、そして0・1μmオーダーといった高い加工精度が要求される金型加工で培った「加工技術力」を持つ。これらの強みを活かし、変化するニーズに柔軟に対応するとともに、新技術の開発と新分野の開拓を目指す。
ーどんな新技術、新分野に取り組みますか。
現在は医療・化粧品向け金型や次世代自動車部品向けの金型、赤外線レンズ金型の開発に着手している。また、超硬合金は耐摩耗性が高く、長寿命化や精度の安定化が図れる。ユーザーの課題
を解決するために、既存分野でも超硬合金への切り替えを提案していく。
ー長期的なビジョンは。
当社のブランドである「フジロイ」を海外でも認知されるようになってほしい。競争力を高める取り組みを進める一方で、アジア、北米を中心に海外展開も加速させ、少しずつブランドを根付かせていきたい。
金型新聞 平成30年(2018年)10月10日号
関連記事
パンチやダイ、強力ばねなどプレス金型部品を取り扱うオネストンは2021年に創業50周年を迎える。プレス部品専門商社として基盤を築き、近年は「1個づくり」をテーマにした特殊品対応やリバースエンジニアリングほか、アメリカ・…
プレス加工メーカーのシミズプレス(群馬県倉賀野市、027-320-2880)は今年10月、金型工場を新設した。これまでプレス量産工場内にあった金型加工設備を移設。金型加工の高精度化を図り、モータコア用金型など新規分野の開…
今年、日本法人設立50周年を迎えたマーポス(東京都大田区、03 -3772-7011)。精密計測機器を手掛け、特に金型分野ではタッチプローブやレーザーによる工具やワークの計測などで、日本の金型づくりを支えてきた。近年は…
ねじ転造盤やローリングマシンなどの販売や転造技術の開発を手掛ける三嶋商事(愛知県日進市、0561-72-2657)は部品加工部門を立ち上げ、冷間鍛造用金型のダイスケースなど1次加工(荒加工)の受託加工サービスを開始した。…