世界の衣料支える 横編み機の精密部品 親会社である島精機製作所の横編み機は、複雑な形状のワンピースでも縫い目なく編める“ホールガーメント”という独自技術(写真①)で、6割近い世界シェアを占める。機能性に加え、長時間使っ…
金型展20164月20日〜23日 インテックス大阪
金型78社が競演金型・成形部品など見所多い
金型展2016は、INTERMOLD2016の6号館Bゾーン、日本金型工業会のブースを中心に78社(海外7社含む)が勢揃いし、金型や金型部品、金型製作の工具・道具、成形品などを展示する。前回の大阪展に比べ28社増、昨年の東京展に対しても9社多い出展規模は、出展各社が関西以西の市場に期待する裏付けとなった。「今年の金型展は、面白い」とは、同展に期待する自動車部品、電子部品、半導体・電子機器関連メーカーの声。以下は、出展各社の展示製品・部品・技術傾向をまとめた(4月11日現在)。
昨年、東京ビッグサイトで開催されたINTERMOLD2015の金型展は、6809人が会場に足を運んだ。全体の入場数の14%に当たる。
うちわけは、金型メーカーが15・2%、成形加工メーカーが9・6%、金型・成形兼業が9・3%、部品加工が17・2%、商社15・0%、その他33・8%で、ユーザーとの出会いの場となった。最も多くを占めた金型メーカーの訪問客は、同業他社の技術動向や市場調査の情報収集に、成形加工メーカーは、「技術開発力のある金型メーカー探し」(自動車部品メーカー)、「挑戦力を持った金型メーカーとの出会い」(建設機械部品メーカー)、「海外への安定的な供給とアフターサービス」(家電・通信機器メーカー)など多様な用途が交流した。
今回展への期待は何か。まず、出展者数が増えた分、見る展示製品が多くなった。会場には、プレス型、プラスチック型、鍛造型、鋳造型、ダイカスト型、ガラス型、ゴム型、ブロー型、粉末冶金型など全業種が網羅され、各社からは自動車部品や医療・医薬品、化粧品、食品、光学品向けなどを想定した各種金型や金型部品、工具、金型の道具、さらには成形品、試作品、3Dプリンター、PVDコーティングなどが展示される。
前回展より28社増プレス型31社、プラ型29社
出展78社は、1社で複数の金型向け製品や成形品、技術を展示するため延べ127社にのぼる。各社が競って展示するため賑やかな出展になる。
型別の出展傾向を見ると、プレス型向けが31社で最も多く、次いでプラスチック型向けの29社、部品加工向け19社、設計向け13社、ダイカスト向け12社、鍛造向け9社、粉末冶金向け6社、鋳造向け4社、ゴム向け3社、ガラス向け1社となっている。
地域別では、北は北海道から南は長崎までの金型メーカーが出展することになり、まさに日本列島を縦断する。一堂に78社が集まる展示会は「この金型展を除いて他にない」(主催者)。
数々の出展製品
期待の展示製品を4月11日現在の展示情報から整理した。
78社は、自慢の、あるいは今年の戦略製品、成形品、技術などを多面にわたって展示する。
例えば、自動車向け、医療向け、光学向け、超微細・超精密向け、複合一体成形、3Dプリンター、多数個取り、鏡面磨き、超硬合金の直彫りなどが見られる。
具体的な出展製品を見ると、自動車向けが車載用成形品(長津製作所、松野金型製作所)、ランプ用レンズカット入れ子(名古屋精密金型)、自動車用工業ゴム(カワマタ・テクノス)、板厚高強度材の複雑3次元形状のプレス金型(ナガラ)、環境・安全・燃費向上に関する車載部品(大垣精工)、HEV駆動用モータコア(黒田精工)、モータコア用順送プレス金型プレート(東洋プレシジョン)、高精度サイクロイドギヤのプレス化(サイベックコーポレーション)、自動車機能部品(藤岡エンジニアリング、吉中精工、三幸)、自動車内装品、メータ計器(ムトウ)、燃料電池セパレータ(東洋プレシジョン)など多い。
また、今後注目される市場の一つ、医療向け(池上金型工業、長津製作所、キメラ、打田製作所、キャステム、松野金型製作所、三幸、東洋金型工業)や光学向けではレンズ加工(池上金型工業、キヤノンモールド、キメラ、協和精機製作所、猩々テクノ、長津製作所)や光学用ゴム(松村精型)が展示される。
超微細・超精密・鏡面仕上げ向けも各社が展示する。今後、金型メーカーが目標とする一つの市場ではないか。例えば、超精密金型部品・微細加工・高い寸法精度、鏡面仕上げと言った分野(三井ハイテック、リバン・イシカワ、池上金型工業、イケックス工業、サイベックコーポレーション、鈴木、ペッカー精工、橋本工業、湘南サンライズ工業)、精密金型部品の製作(キメラ)、ミクロンからナノオーダの金型部品(ワークス)などがある。
また、3Dプリンターも見ることができる。試作や外装品のテスト用に使われ、ソフト充実を図っている。今回の金型展では、エムアイモルデ、七宝金型工業、J・3D、昭和精工、IS DESIGNなどが製品展示、デモが行う。
その他、多数個取り(キヤノンモールド、打田製作所、日嶋精型、東洋金型工業)や複合成形・複合加工・異種材一体成形(鈴木、キヤノンモールド、三琇ファインツール、セントラルファインツール、聖徳ゼロテック)、超硬合金の直彫り(日型工業)、化粧品向け(東洋金型工業、打田製作所、扶桑精工、三幸、ムトウ)、PVDコーティング(JFE精密)、YAGレーザ(キャステム)、金型加工技術の削り出しエルボ(野田金型)、冷間鍛造部品(枚岡合金工具)など多彩な製品・部品が展示される。
紙数の都合から全ての企業をご紹介できませんでした。お詫び申し上げます。今年の「金型展」は見逃すことができないほど充実した特別コーナーになっています。
INTERMOLD2016(第27回金型加工技術展)/金型展2016
開場時間:10:00~17:00(最終日は16:00まで)
出展者数:440社・団体(※うち金型展78社)
主 催:日本金型工業会・テレビ大阪
運 営:インターモールド振興会
入場料金:1,000円
金型新聞 平成28年(2016年)4月18日号
関連記事
今年、日本法人設立50周年を迎えたマーポス(東京都大田区、03 -3772-7011)。精密計測機器を手掛け、特に金型分野ではタッチプローブやレーザーによる工具やワークの計測などで、日本の金型づくりを支えてきた。近年は…
前年同月比 1.8%減の311億7,400万円 プレス型は16.7%減、プラ型は18.4%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による2016年7月の金型生産実績をまとめた。それに…
マーポスは1952年にイタリアで設立され、70年に日本に進出。自動車部品の計測装置や研削盤の定寸装置を始め工作機械の制御・計測装置などを手掛ける。特に金型分野ではタッチプローブでの工具やワーク計測によって金型の高精度加…
前年同月比11.6%増の385億3,100万円 プレス型は9・1%増、プラ型は8・8%増 日本金型工業会(会長牧野俊清氏)は、経済産業省機械統計(従業員20人以上)による平成27年3月の金型生産実績をまとめた。それによる…