金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

01

新聞購読のお申込み

この人に聞く2016
牧野フライス製作所 井上 真一社長

要望に合わせ創造と変革

 「色々と教えると新しい経営はできないだろうから、あなたには多くは教えない」―。工作機械業界のカリスマ、牧野二郎前社長がそう伝えるほど、全幅の信頼を置く。

顧客重視をより進化

牧野フライス井上新社長

 1992年北海道大学大学院工学研究科精密工学卒、同年牧野フライス製作所入社。13年開発本部副本部長、14年取締役、15年営業本部長。静岡県出身、49歳。

 入社時に「機械もソフトも開発したい」と志願し、牧野前社長から「欲張りだ」と言われたほど根っからの技術者。入社後はソフト開発に従事。その後、航空機業界で地位を確立する契機ともなった加工機「MAG」の主軸の開発を担当した。営業本部長に就いてから「マキノファンになって頂くには幅広い教養が必要」と顧客との交流にも注力する。

 社長就任の打診は発表5日前。「今期で社長を退任するから、後任はあなたに任せたい」と唐突に言われ「頭が真っ白になった」。しかし就任までに心を整理し、「20年後に100年企業にする道筋を作るのが役目」とすでに先を見据える。

 具体策は「今後に期待して欲しい」というが、「社是にある『信頼こそ企業の存立基盤』の理念は絶対に変えない」と揺るがない。しかし「市場、顧客の要望に合わせてダイナミックに創造と変革を繰り返す」と成長に向け、変化していくことに躊躇はない。

 今後について「これからのクオリティ・ファーストは、製品のクオリティと、カスタマー・ファーストを組み合わせたものになる。カスタマー・ファーストは全社員が真剣に取り組まなければならない」と顧客重視を進化させる考えだ。金型については「量産部品や航空機などにも注力するが、軸足は国内の金型にあることは変わらない」と、今後も『金型のマキノ』ブランドを強化していく。

金型新聞 平成28年(2016年)8月10日号

関連記事

AM技術の可能性
DMG森精機 AM部 ブルーメンシュテンゲル健太郎 部長に聞く

 金属3Dプリンタを使った金属積層技術(AM技術)は様々な分野で広がっている。代表的なものは航空宇宙、医療、自動車で、さらに多方面へ拡大することは間違いない。そこで金属3Dプリンタを活用した次世代の金型づくりの可能性を探…

【この人に聞く】三菱電機産業メカトロニクス事業部事業部長・清水則之氏「生産性高めるサービスを提供する」

 高精度、高性能な放電加工機で金型産業に貢献してきた三菱電機(東京都千代田区、03-3218-2111)。近年は、機械だけでなく、遠隔地からのメンテナンスサービスやAI技術の活用など金型づくりの高度化に対応するサービスや…

3Dプリンタ活用を支援する研究開発拠点を開設 酒井仁史氏(NTTデータザムテクノロジーズCTO)【この人に聞く】

独EOS社の金属3Dプリンタの日本代理店を務めるNTTデータ ザムテクノロジーズ(XAM)。昨夏に、大阪市内に金属3Dプリンタ15台のほか、多様な検査装置を備えた「デジタルマニファクチャリングセンター(DMC)」を開設し…

【鳥瞰蟻瞰】牧野フライス製作所プロジェクト営業部スペシャリスト・山本英彦氏「日本メーカーの力が持続可能な社会の実現には必要」

大事なのは、自信を持つこと日本メーカーの力が持続可能な社会の実現には必要 1983年に牧野フライス製作所に入社してから、海外畑を歩んできました。キャリア当初は、アメリカ向け立形マシニングセンタや放電加工機の営業支援を担当…

現場の思いを尊重<br>天青会 野口 賢太郎 会長

現場の思いを尊重
天青会 野口 賢太郎 会長

企業見学会に注力  日本金型工業会東部支部の若手経営者らが集まる天青会の会長に今年5月、就任した。現場至上主義を自身のテーマとして掲げ、「今年は、工場見学会など現場に足を運ぶということをメインに活動していきたい」と意気込…

トピックス

関連サイト