金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

13

新聞購読のお申込み

トップインタビュー 立松モールド工業 立松 宏樹社長
全ては人材育成のため

冶具、成形、部品…
ポートフォリオ構築

 今年6月に創業60周年を迎えた大型プラスチック金型を手掛ける立松モールド工業。60年を機に、事業部制を採用し、成形の強化、冶具や部品の販売など金型をコアに事業ポートフォリオを構築。金型を核とした企業グループに進化しようとしている。「全ては人材育成」と話す、立松宏樹社長にその狙いや今後の方向性などを聞いた。

立松社長

 1988年立松モールド工業北米子会社のMidwest Mold&Texture Corp入社、2003年立松モールド工業本社、09年執行役員購買部と海外事業担当、11年常務取締役、14年取締役副社長、16年代表取締役社長。

ー60周年を機に事業改革を進めています。その骨子を教えてください。
 「年初に5つの事業部制を採用しました。一つは祖業の金型事業部。成形事業部はトライ中心でしたが、小ロットの成形のニーズも増えてきたので成形機の活用を再考しています。3つ目がモールドサービス事業。中小型の金型の外製管理などを行う事業を別会社でやっていたのを社内に取り込みました。4つめがHR事業でバルブゲートなどホットランナーの販売を手掛けています。そしてMF事業部を新設しました」。

ーMF事業とは。
 「マシンフィクスチャーの略で、イタリアのFCS社の機械用段取冶具と周辺自動機器を販売します。効果は知っていましたが、使ってみると凄まじい。段取り時間が最大で75%低減できる。FCSが当社をモデル工場としても使いたいという意図もあって、総代理店として6月から販売していきます」。

ーなぜ事業部制を採用したのでしょう。
 「結論から言えば全て人材育成のためです。事業領域を拡大していくためには、社員みんなが挑戦できる仕組みが必要です。その方法の一つが事業部制ということです。金型事業を分解すれば、成形や部品、冶具の販売などのビジネスチャンスが広がっている。しかし、金型だけでみていては、その広がりに気づかない。例えば、冶具を扱うことで機械加工全般に視野が広がる。成形することで、アクセスできなかったお客様との接点も増えるし、刺激も受ける。そうした広い視野を持てれば人も成長する」。

ー金型事業の強化は。
 「金型をプロジェクトと見立てチーム制にしました。設計は設計で終わりではなくプロジェクトの責任を持たなくてはならない。おかげで社内コミュニケーションも増えました。多能工でなく一人で金型を作りきれる人材を育てたいですね」。

ーグローバルネットワークも強みです。
 「世界最大の金型ネットワークではないかと自負しています。協業先のネットワークを含めると世界53か国でサポートできる体制です。国内でも加飾加工技術を広げるため、IBUKIと技術協業を始めました。今後も、サポートと技術コラボネットワークを拡げていきます」。

ー事業部制もネットワークも金型メーカーとしての立松モールド工業ではなく、立松グループといった感じがしますが目指す会社像は?
 「社員みんなが自らの望むことにチャレンジして、楽しいと思える会社にしたい。そのためには、金型だけ見ていてはダメ。いわゆる金型技術だけを売りにしていてはそうはなれない。視野を広げ、色んなことを提案できる、将来はインテグラルのその先へ『なくてはならない会社』を目指します」。

金型新聞 平成30年(2018年)6月8日号

関連記事

この人に聞く2015 <br>製造業コンサルティング <br>O2(オーツー)松本 晋一社長

この人に聞く2015
製造業コンサルティング
O2(オーツー)松本 晋一社長

潜在する魅力引き出す 製造×サービスで価値を創造  プラスチック金型メーカーの安田製作所は今春、社名を「IBUKI」に変更した。昨年9月、同社を傘下に収めた、製造業向けのコンサルティング会社O2(東京都港区)の松本晋一社…

江口博保さん 研さん重ねる金型設計の熟練者【ひと】

自動車のフィックスドウインドウやクォーターウィンドウ。その成形コストや歩留まりを改善し、環境に配慮した金型も設計した。顧客製品設計の最終確認会にも出席しアドバイスする。それらが評価され、令和2年度「現代の名工」に選ばれた…

【この人に聞く】三菱電機産業メカトロニクス事業部事業部長・清水則之氏「生産性高めるサービスを提供する」

 高精度、高性能な放電加工機で金型産業に貢献してきた三菱電機(東京都千代田区、03-3218-2111)。近年は、機械だけでなく、遠隔地からのメンテナンスサービスやAI技術の活用など金型づくりの高度化に対応するサービスや…

【インタビュー】扶桑精工・松山広信社長「攻めの企業を目指す 」

営業改革や自社ブランド開発 まつやま・ひろのぶ1980年生まれ、東京都出身。2004年立教大学卒業後、UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)に入行し、営業、企画などを経験した。19年扶桑精工に入社、20年同社社長に就任し、現在に…

武林製作所の千田氏が「八尾ものづくり達人」

加工効率高める金型を設計 歯ブラシのプラスチック金型を手掛ける武林製作所(大阪府八尾市、072・998・1207)の金型設計技術者・千田雄一さんが、2023年の「八尾ものづくり達人」に選ばれた。金型の加工効率や品質を高め…

関連サイト