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がんばれ!日本の金型産業特集
三恵金型工業 山田 俊影 社長

多段式金型を第2の柱に

技術開発に精密金型のノウハウ

三恵金型工業 技術 射出成形機に、金型が2つ重ねて取り付けられている。樹脂素材を充填し金型が開くと、無数の成形品がバラバラと落ちてくる。これは複数の金型で一度に大量に成形できる「多段式射出成形型」。プラスチック金型メーカーの三恵金型工業がここ数年、技術の確立に取り組む課題だ。

多段式射出成形型は多数個取りの金型を数セット連ねたもので、素材は一筋のランナーで全ての金型に送られる。このためノズルに近い金型には樹脂が溜まり、遠い金型には届かないなど、全ての金型に同じ条件で素材を行き渡らせ、成形品の品質を均一にするのが難しい。

三恵金型工業の主力製品は自動車の電装部品やエアコンなど、いくつもの凹凸のある部品の金型。その凹凸は細くて長く、多いもので1000にも及ぶ。山田俊影社長は「極めて複雑な形状の製品の金型は得意分野。これまでのノウハウを生かし研究を重ねてきた」。

多段式射出成形型に挑み始めたのはホームページを見て技術力に魅かれたある部品メーカーの依頼がきっかけ。新たな技術に挑戦しようと組み始め、昨年はものづくり補助事業にも選ばれた。

多段式射出成形型の特長は、既存の成形機を使って量産化できること。山田社長は「例えばリベットなど小さな部品なら旧型の成形機でも一度に60~80個もの成形ができる。新たな量産手段として技術を確立し新たな事業の柱にしていきたい」。

金型の技術高め次世代へ

三恵金型工業 人 三恵金型工業がこのところ取り組んでいるのは、金型をつくる技術力のさらなる向上や、これまでに培った技術の伝承、そして新たなことにチャレンジする風土の醸成だ。山田社長は「金型づくりの基礎の力をもう一段レベルアップさせ、ベテランが持つノウハウを若手に受け継ぐ。その一方で、新しいことに挑むことを楽しめる精神を育み、会社の力を高めたい」と話す。

その一つが、2カ月に1度開く社内研修会だ。金型づくりに携わる企業や技術者として日々の業務で取り組むべき姿勢や、金型の品質向上や品質改善の新たな技術を学ぶことが目的で、元自動車部品大手の工機部の工場長が指導する。

研修のテーマは「5Sの目的とそのプロセス」や「金型の原価低減の方法」など様々で、技術者の金型づくりへの基礎となる姿勢や、改善への意識が変わってきたという。さらに、研修の課題は全社で共有し、ベテランも若手も力を合わせ取り組むため、それが技術を次世代に教える機会にもなっている。

その一方で、多段式射出成形型など新たな技術に挑むことが、若手に金型づくりの魅力や、挑戦することの楽しさを教える場になっている。山田社長は「これからは今まで以上に金型の品質を高め、効率を良くしていかないといけない。そのためにもしっかりと基盤をつくり、未来を勝ち抜きたい」。


会社メモ

山田俊影社長

山田 俊影社長

代表者=山田 俊影社長
創業=1966年
所在地=富山県南砺市松木38-2
資本金=1,250万円
URLhttp://s-yamada98.wix.com/sankeikanagata
TEL=0763・52・1157
FAX=0763・52・0726
従業員数=50人
事業内容=プラスチック金型の設計製作、成形品製造販売
主な設備=立型高速MC2台(牧野フライス製作所)、立型MC12台(牧野フライス製作所など)、形彫放電加工機11台(牧野フライス製作所)、高精度ワイヤ放電加工機3台(牧野フライス製作所)、ワイヤ放電加工機3台(牧野フライス製作所)、2D―3D CAD12台(ソリッドワークスジャパン)、3D CAD2台(日本ユニシス)、CAD/CAM7台(C&Gシステムズ)、三次元測定機1台(東京精密)―など。


金型新聞 平成28年(2016年)9月10日号

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