経営支える中核人材を 金型メーカーを取材すると必ずと言っていいほど話題になるのが人材育成の苦労や確保の難しさ。少子高齢化に伴う人材不足に加え、金型づくりで求められる人材像が変わってきていることも大きな理由だ。そこで、今…
シグマ、金型技術活かしプレスも
深絞りや鍛造
つなぎ目の無い箱、凸の形をした輪(写真)。箱はリチウムイオン電池のケース、輪は部品を結合する金具。これからはともに手のひらにのるほどの小ささ。プレス金型メーカーのシグマが製作した自動車のプレス部品だ。
ケースと金具はそれぞれ厚みが均一。ケースは0.4㎜、金具は2㎜。どちらも一枚の金属の板から作るが、深絞りで加工したり、部品に大きな段差があるため、厚みを均一にするのが極めて難しい。
高度な分野に挑み続ける
山内幸康製造部長は「ケースは深絞り、金具はプレスと鍛造の技術を組み合せて完成させた。長年の間に培った金型のノウハウを生かし、試行錯誤の末、量産に成功した」と話す。
シグマは創業(1969年)当時、建築材料の金型を製作。その後、自動車部品の金型にも製作分野を広げ、プレス部品は今から15年前に始めた。
「建材、そして自動車部品で蓄積してきた絞りや鍛造の高度な金型技術を部品量産でも試してみたかった」と山内部長。量産部品はその後、取引を増やし、現在手掛けるのは約50種類。全事業の10%にも及ぶ。
とはいえここ最近、量産部品の新規取引先を見つけるのが難しくなっているという。シグマは地元富山では金型メーカーというイメージがあり過ぎ、これ以上県の企業にPRが浸透しない。しかし愛知や岐阜の企業と取引すると大物部品の場合、輸送費が膨大になる。
そこでチャレンジしているのがリチウムイオン電池のケースや結合金具。これなら軽くて小さく輸送費を抑えることができる。今年4月のインターモールドにも出品。来場した部品メーカーから強く興味を持たれたという。
軽くて小さい精密部品への挑戦は輸送費削減の一方で、技術競争力向上のためでもある。山内部長は「これから日本に残るのは、こうした日本にしかできない技術。挑戦し続け、未来を切り拓いていきたい」。
会社概要
本社:富山県高岡市辻228、0766・31・0910
創業:1969年
代表取締役社長 塚原昇氏
社員数:44人
事業内容:プレス金型設計・製作、プレス部品量産。
金型新聞 平成28年(2016年)10月10日号
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