脱炭素社会に向けた取り組みがものづくりで加速し、金型業界でもその動きが広がりつつある。先手を打つ金型メーカーの対応には大きくは2つの方向性がある。一つは、太陽光パネルの設置や設備の省エネ化などによる自社の生産活動でCO2…
明星金属工業 3Dプリンタで地車の彫物復元
プレス金型メーカーの明星金属工業(大阪府大東市、072・877・1661)は、3Dプリンタで地車(だんじり)の彫り物の複製品を製作した。大東市歴史民俗資料館に来年2月にも展示する地車の模型の部品として採用されるという。
複製品は鬼や龍を模ったもので、本物の彫り物の形状を3次元スキャナーで読み取り、地元・大東市の中小製造業8社と共同制作した3Dプリンタで積層造形した。面粗さ約0.1㎜で、今後改良して模型に使える品質にしていくという。
地車の模型の展示は大東市歴史民俗資料館と文化庁が企画。同社の上田幸司社長が大東市の地車保存会に携わっていることや、金型で培ったものづくり技術を持つことから取り組み始めた。
上田社長は「金型の技術を文化的な活動にも生かせることができ、嬉しい」。今後、3Dプリンタで作った彫り物の型で菓子メーカーが饅頭をつくる構想もあるという。
大東市は地車を地域活性化のシンボルの一つに掲げている。模型展示はそうした活動の一環。
金型新聞 平成28年(2016年)11月14日号
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