取引環境の改善に向けた動きが本格化している。昨年末、中小企業庁と公正取引委員会が取引の現金化を促すなど下請法の運用の強化を通達。これに応じる形で、日本自動車工業会(自工会)は金型管理や代金支払法の適正化などを重点的に進…
植田機械 専務取締役営業本部長世古秀人氏に聞く−金型業界の未来−
日本の金型産業は今、かつてない変化の時代を迎えているのではないでしょうか。金型の需要はここ数年、自動車や電子機器業界の好転により堅調に回復してきました。しかし、その水準はまだリーマン・ショック以前には戻っていません。その背景には、ものづくり企業のグローバル化があり、この動きは今後も進むと思われます。
とはいえ、こうした向かい風の経営環境でも、日本の金型産業は勝ち残るでしょう。戦後復興、高度成長を経て経済大国となった日本のものづくりを支え、世界をリードする高度な技術を構築してきました。そして、その高い技術を次代へと継承し、優れた技術者を育ててきました。これまでに培った技術力や経験を活かすことで、時代が求める新たな金型や製品を生み出すことができるはずです。
そこで大切なのは、ものづくり企業の志向の変化を柔軟に対応することだと思います。ものづくり企業の多くは、需要を求め、また為替リスクを回避するため、世界で地産地消を進めています。海外で現地向けの生産を、日本で国内向けの生産や製品開発をする傾向が強まっています。そして、品質が高く価格競争力のある製品を短期間で開発し、国内外で拡販していく。
そうした中で、ものづくり企業が金型産業に求めていることは何か。それは、最先端技術を活用する製品の開発や、安定した品質で製品を量産する技術の確立、高品質で低コストの部品調達などを「金型」という立場からサポートして欲しいということではないでしょうか。
ですから、▽微細・精密、新素材などの製品の金型開発にチャレンジする▽ものづくり企業の生産技術にも参画する▽部品量産も手掛け、金型+成形によるトータルメリットを打ち出す―といったことに取り組むことが、未来を拓くカギになるのだと思います。
実際に、このところの金型業界を俯瞰してみると、微細・精密な加工技術や、新たな素材の塑性に関する知識が必要なレンズや電子部品、自動車部品、医療機器などの金型は注目され、需要も増えています。その一方で、部品の量産もしたり、生産技術にも参画したりする金型メーカーは、ものづくり企業にとって無くてはならない存在になっています。
ただ、新たな事業に挑戦するには、技術力や経験に加え、最新の加工技術が必要です。生産財は常に進化し、日進月歩で新たな技術が登場しています。これまで金型産業とともに歩んできた当社は今後も、「商社」という立場から、挑戦する金型メーカーの方々を応援し続けます。
金型新聞 平成29年(2017年)1月20日号
関連記事
日本ツクリダス(堺市南区、072-290-2223)は、生産管理システム「エムネットくらうど」に、金型部品などの加工案件それぞれについてチャットで会話できる機能を追加する。2023年2月末までにクラウド版の全ての利用者が…
金型や製品の図面データ 日本金型工業会(小出悟会長)は昨年11月、金型製造業向けの「技術等情報漏えい防止措置認証制度」の認証機関に認定された。業界団体が認証機関になるのは初めてで、金型メーカーの情報漏えいの防止に向けた…
より一層の発展を決意 群馬県金型工業会(羽鳥基宏会長)は1月29日、太田ナウリゾートホテル(群馬県太田市)で創立50周年記念式典を開いた。会員企業や群馬県副知事の荻澤滋氏をはじめとする来賓など約80人が出席し、講演会や…
精密歯車の極みに挑む 超微細へ、新型マシニングセンタ プラスチック歯車の金型製作、試作、成形や金属歯車加工を手掛けるチバダイスは今年4月、マシニングセンタや放電加工機など合計8台もの大規模な設備投資に踏み切った。もともと…


