金型を非接触・非破壊で 工業用ヒーターや金型部品を取り扱う幸和電熱計器(大阪市東成区、06・6972・3281)は、プレス品、鋳造後の仕上げ品、金型などの残留応力を測定できる応力測定器「K―OMX」を発売し、好評を得て…
植田機械 専務取締役営業本部長世古秀人氏に聞く−金型業界の未来−
日本の金型産業は今、かつてない変化の時代を迎えているのではないでしょうか。金型の需要はここ数年、自動車や電子機器業界の好転により堅調に回復してきました。しかし、その水準はまだリーマン・ショック以前には戻っていません。その背景には、ものづくり企業のグローバル化があり、この動きは今後も進むと思われます。
とはいえ、こうした向かい風の経営環境でも、日本の金型産業は勝ち残るでしょう。戦後復興、高度成長を経て経済大国となった日本のものづくりを支え、世界をリードする高度な技術を構築してきました。そして、その高い技術を次代へと継承し、優れた技術者を育ててきました。これまでに培った技術力や経験を活かすことで、時代が求める新たな金型や製品を生み出すことができるはずです。
そこで大切なのは、ものづくり企業の志向の変化を柔軟に対応することだと思います。ものづくり企業の多くは、需要を求め、また為替リスクを回避するため、世界で地産地消を進めています。海外で現地向けの生産を、日本で国内向けの生産や製品開発をする傾向が強まっています。そして、品質が高く価格競争力のある製品を短期間で開発し、国内外で拡販していく。
そうした中で、ものづくり企業が金型産業に求めていることは何か。それは、最先端技術を活用する製品の開発や、安定した品質で製品を量産する技術の確立、高品質で低コストの部品調達などを「金型」という立場からサポートして欲しいということではないでしょうか。
ですから、▽微細・精密、新素材などの製品の金型開発にチャレンジする▽ものづくり企業の生産技術にも参画する▽部品量産も手掛け、金型+成形によるトータルメリットを打ち出す―といったことに取り組むことが、未来を拓くカギになるのだと思います。
実際に、このところの金型業界を俯瞰してみると、微細・精密な加工技術や、新たな素材の塑性に関する知識が必要なレンズや電子部品、自動車部品、医療機器などの金型は注目され、需要も増えています。その一方で、部品の量産もしたり、生産技術にも参画したりする金型メーカーは、ものづくり企業にとって無くてはならない存在になっています。
ただ、新たな事業に挑戦するには、技術力や経験に加え、最新の加工技術が必要です。生産財は常に進化し、日進月歩で新たな技術が登場しています。これまで金型産業とともに歩んできた当社は今後も、「商社」という立場から、挑戦する金型メーカーの方々を応援し続けます。
金型新聞 平成29年(2017年)1月20日号
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