インド・ムンバイ出身。2018年に来日し、プラスチック金型メーカーの明輝に入社した。担当は設計。自動車内外装品や機能部品など大小様々な金型を手掛けている。 金型技術者だった父親の影響で幼い頃から金型に興味を持っていた。地…
金型工場にIoT化の波
稼働状況などを監視
生産効率向上に活用
金型製造現場をIoT(モノのインターネット)化する動きが出始めている。マシニングセンタ(MC)や放電加工機など生産設備の新旧やメーカーを問わずに、それらの機械情報を取得し、クラウド上で分析できるシステムやサービスが登場。今まで把握が難しかった工場内のあらゆる機械の稼働状況を数値化し、稼働率や品質の向上を図ることができる。金型に要求される精度や品質が年々厳しくなる中、いかに効率良く高品質な金型を製造していくか。今後、こうしたシステムやサービスが広がるのは必至だ。
ゼネテック(東京都新宿区)は今年8月、工場内にある設備の稼働状況などを監視できるモニタリングサービス「GC遠隔稼働監視ソリューション」の提供を始めた。ネットワーク機能のない既存設備にも対応可能で、稼働率の改善などに活用できる。
同社が提供するIoTプラットフォーム「Surve‐i」を基に構築した。シムトップス(東京都目黒区)が販売する電流センサ「MCW」を使い、生産設備の電流のオン/オフを検知。「電源」、「運転状況」などの情報を取得し、クラウドサーバに上げ、遠隔で設備の稼働監視ができる。
日本金型産業(東京都大田区)でも今年初めから、同様のシステム「マリンバM3」をシムックス(東京都港区)と協業し、販売している。「IoTというと、難しく考えがちだが、まずは機械の稼働状況を把握するだけでも、導入する効果はある」(日本金型産業)。
「マリンバM3」を導入したプラスチック金型メーカーの長津製作所では、MCなど13台に取り付け、稼働状況を分析したところ、今まで把握していなかった夜間の稼働率が極端に低いことが分かった。そこで段取りなどを改善し、月産1型だったある金型を3型にまで増やせたという。
これらのシステムは今後、電力だけでなく、圧力や温度など対応できるセンサの種類を増やし、機械の様々な情報を取得できるようにするという。
ある製造業向けコンサルティング会社は、「今はIoTの過渡期。各社が方向性を探っているのが現状だが、将来的に効率良く品質の良い物を作るには、間違いなくこうした技術を活用する必要がある。重要なのはこうした機器を使って何をするかだ」という。今後、IoTに関連した技術は益々進化していくことは間違いない。それをどう活用していくかは、各社各様の対応が必要だ。
金型新聞 平成29年(2017年)9月10日号
関連記事
ベテランの勘・コツに頼らない部品工場を目指し、生産現場への型温・湯温の見える化の要求は高まっている。 匠ソリューションズが開発した生産中の型温・湯温見える化システム「TWINDS‐T」は、①作業を邪魔しない温度データワイ…
売上18.7%増の168億円 冨士ダイス(東京都大田区、03-3759-7181)の2022年3月期売上高は、18.4%増の168億7400万円だった。営業利益は11億1300万円。半導体関連の金型や、車載電池用金型、光…
金型加工技術の専門展「インターモールド名古屋」(主催:日本金型工業会、運営:インターモールド振興会)が6月21日から三日間、「ポートメッセなごや」で開かれる。マシニングセンタや研削盤、ソフトをはじめ、測定、金型材、部品な…
0.01㎜精度で高さ調整 ダイカスト金型を手掛ける七宝金型工業(愛知県津島市、0567・24・8787)は4月、自社製品の第2弾となる精密ジャッキ「EASYG(イージグ)」を発売。六角レンチ1本の簡単操作で0・01㎜精度…



